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第47話

 誘拐事件から数日過ぎ、ダリスさんから連絡もあって王都に滞在するのは最後の日となった。 

 ミナの弟達の墓参りも朝に行き、俺達はダラダラと王都をブラつく。

 いつもの如くアリスが肉!肉言ってた。 うんちっち臭くなるよ?って言ったらぽかぽか叩いてきたけど、可愛かったな。 ミナも今度は誘拐されないように手をずっと繋いで歩いてる。 シャドーという組織を潰したけれど他の組織が居るかもしれないしね。 なんせ王都は広い。 まだまだ裏組織のやつらが居てもおかしくはない。


「む! あそこに居るのは…ソーマ! …あれ? 聞こえてないのかな? ソーマ! ソーマ!」 

「だぁあ! 誰だよ!」


 後ろから声をかけられて振り向くと…んー、どっかで見たような?


「えー…誰だっけ?」

「え…エステルだ! 覚えてないのか?」


 ぷっくーっと頬を膨らませてプリプリ怒るエステル。 空気抜いたろか…つん!


「ぷすー… ななな!何をする!」

「怒ると可愛い顔が台無しだぞ? 確か…屋根であった人だよな? エステルエステル…うん。覚えたよ。たぶん」

「かかか…可愛い!?」


 あ、あかん。 顔が真っ赤になってる。 言わないようにしとこう…チャラ男みたいになってしまう。


「ねーねー誰この人?」

「ん? あーちゃん、このうるさいお姉さんは確か…騎士見習いだったかな」

「アタイは知ってるよー」

「へぇ…騎士見習いか。 もしかしたら家にも来てるかもしれないね」


「誰がうるさい人だ! んん! 私はエステル! 騎士見習いだ!」

「ほんとだーうるさいねー」


 エステルさんや…がびーん! みたいな顔してるが確かにうるさいぞ。 あーちゃん直球に言い過ぎだよ…誰に似たんだ。 …俺か? 


「あー、改まして、俺はソーマな」

「アリスー!」

「ミナっ!」

「ユナンだよ」


 アリスとミナが手を上げてぴょんぴょん跳ねながら自己紹介する。 かわえぇえ! 俺の頬が崩壊してしまうじゃないか! なでなで。


「えっと…ソーマにアリスにミナにユナンだな。 んんー…覚えた!と思う…」

「そっか。 んで、声かけてきたけど、どした? 何か用があった?」

「み、見回り中にたまたま見つけたから声をかけたのだ!」

「見回りって…見習いでもやるのか」

「いや、自主的に見回りをしているのだ!」

「なるほど…。 でも見習いで弱いのに、目の前で犯罪起きたらどうすんの? 死ぬよ? いや、マジで」

「そっそんな事は!」

「そんな事はあるんだよ。 まずは実力つけな」


 弱い犯罪者ならいいが、ある程度強い犯罪者が居たらどうすんだ。

 捕まえるつもりが逆に捕まえられて犯された後に殺されるだろ。


「でも! 私は騎士だ!」

「はぁ…でもじゃない。 エステル…あんたは綺麗なんだから犯罪者の方が強ければ連れ去られて犯されて殺されるぞ」

「っ!!」

「いちいち赤くなるなよ…。 んー…ちょっと広い場所に行こうか。 俺が犯罪者役やってやるよ」


 弱ければ何もできない。 それがこの世界。 

 見回りするのはいいが…弱ければただのカモだ。




 街を歩き広場に着いた。 ちょこちょこ人は居るけど…大丈夫だろう。


「…これだけ広ければいいかな? んじゃかかってきなさい」

「え…」

「剣も抜いていいぞ」

「け、怪我するじゃないか!」

「大丈夫。 エステルじゃ俺に勝てんよ」

「くっ! どうなっても知らないぞ!」


 シャラリ…と剣を抜くエステル。 俺は無手だ。


「いくぞ! はぁあっ!」


 袈裟斬りをしてくるが…遅い! 後ろへ飛んで躱す。


「ほら! こいよ!」

「くっ! やぁああ!」


 なぎ払いしてくるが…俺は躱さない。


「魔闘気!!」

「なぁっ!」

「エステル…実力者には…生半可な攻撃は効かないんだよ! 俺が犯罪者なら…終わりだ!」

「あ…あぁ…」


 信じられない物を見るようなエステル…騎士見習いで魔闘気使った授業? 講義? は出ないのか?

 見習いって…どれくらい強いんだ? こんなんじゃ何も守れないぞ?


「俺にはエステルの攻撃は効かないから遠慮せずにもう一撃打ってこい!」

「う…うぁあああ!!」


 パニクってるのか正面から剣を振り下ろしてくる。 間合いを詰めてエステルの手首を左手で掴み、ひっぱりながら右手でエステルの二の腕を掴んで捻りながらひっぱる… コテンっと転がるエステルに馬乗りになる。 


「終わりだ」

「う…うぅ…ひっく…」


 あ、泣いちゃった!


「あー…お兄ちゃん泣かしたー」

「泣かしたー」

「うぅ…ぐすっ」


 なんてこった…


「いや、犯罪者役だからね? 弱いのに見回りしてるから危険を教えてあげたんだよ?」

「ぐすっ…うわぁあー」

「「泣かしたー」」


 ぐっ!




「ふぅ…すまない。とりみだしてしまった」

「全くだ」


 なだめるのに苦労したわい。


「私は…弱いな」

「うん」

「はは…はっきり言うのだな」

「まぁ…ここでそんな事ないって言って、強いと勘違いして犯罪者に特攻して死なれたら嫌だしな」

「そう…だな。 私なら…勘違いしていたかも…いや、していただろうな」


 うんうん。わかってらっしゃる。


「よし! 特訓だ! そ…それでだなソーマ! わ、私を鍛えてくれないか?」

「え? あー、うん。 無理」

「なっ! なぜだっ! 私は嫌われたのか…」

「あー…いやいや、王都居るの今日までだからさ」

「…えっ? 居なく…なるのか?」

「ああ。 シルバードの街に帰るのさ」


 少ししたら学校に来るけど…


「そ…んな…」

「はぁ…泣きそうになるなよ…。 少ししたら学校に通うからまた王都に来るさ」

「そうか!」


 ぱぁーっと花が咲いたような笑顔を見せるエステル…何て分かり易いんだ。


「ダンジョンの浅い所で魔物倒しまくって鍛えなさい。深いところまで行かない事。 後、実力付くまで見回り禁止な」

「うっ…わかった!」


 じっくり鍛えてたら強くなるだろ。 魔闘気使えるかは才能も必要だけど…なくてもある程度まではいけるはずだ。


「見回り禁止なのをちゃんと守れよ? あ、後ダンジョンでも死ぬの禁止な。 んじゃ俺らはそろそろ行くわ」

「あ…あ…。 ソーマ!」

「ん? まだ何かある?」

「ま…また…会えるかな?」

「あ、あぁ。 またな」

「ああ! またな!」


 んー…目をキラキラさせながら言って来たけど…んー。 


「ソーマ。 モテモテだね」

「ユナンうるせっ! 俺はあーちゃんラブなんですぅー」

「アリスもねー…お兄ちゃん大好きー」

「あ、アタイもー」


 何て事を言いながら街をぶらぶらして王都最終日を終えた。

 王都では色々あったな…ミナが攫われて犯罪組織ぶっ潰して、エステルに出会った。

 学校に行くことにもなったし… 

 魔導具作れるようになったら…まずウォシュレットだな!

 んでエアコンとかも作りたいなー…コンロはあるからいいか。

 通信を個人でできるようにもしたいな。 

 マッサージ機とかもいいなぁー…はっ! ジャグジーも作ろう!

 

 そんな事を考えながら眠りについた。






☆★☆★☆★☆★☆★






 起きてユナンの家を出て王都の門まで行くと、ダリスさんが先に着いてた。


「おう。 王都は楽しんだか?」

「ういーっすダリスさん。 んー…まぁまぁかな?」

「何か少し前に犯罪組織が壊滅したらしいが、お前らは大丈夫だったか? シルバードに早く帰りてーなー」

「へ…へぇー。 そんな事あったんだー」

「アタイが攫われてソー兄ちゃんとユー兄ちゃんが助けてくれたんだー」

「あっ! ミナ! しぃー!」

「ほぉー? 帰りはたっぷり時間あるから…聞こうか」


 ガシっと肩を組まれてた…


「はぁ…トラック乗ってからね。 後、言わないでよ? メンドくさい事なるから」

「わかってるって。 俺を信じろ」

「はぁー…ダリスさんは信じてるよ」

「お、おう」


 照れんなよ…


 テクテクと王都から離れてからトラックを出しシルバードの街へと帰る。


「みんな乗った? んじゃしゅっぱーっつ!」



 ブォオーン! プシー…ブォオーン!


 

「んじゃ、何があったか聞こうか」

「へいへい…」




こうして俺達は2回目の王都の旅を終えた。 今度来る時は学校か…魔導具の勉強は楽しみだ。 





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