第44話
「たっだいまー」
シルバードの街へ帰ってきた俺達は街へ入ってからすぐさま解散した。打ち上げはまた違う日にするのだ。 早くあーちゃん成分を吸収しなければ!
パタパタパタ!
「「おかえりー!」」
すぐさまアリスとミナが玄関までダッシュしてきて抱きついてくる。抱きしめ返してクンカクンカ。うへへへ
「ただいまあーちゃんみーちゃん」
胸に頭こすりつけてくるアリス…
「…メスの臭いがする!」
「アタイはわかんないなー」
どきーん! 娼婦でイタシテからシャワー浴びてない…誤魔化さねば!
「いや、街を救ったからね?街の人にね? もみくちゃにね?された時かなー?」
「「じー…」」
「お肉! お肉のお土産あるよー!」
「「わーい!」」
ふぅ…おそるべき8歳児だな! そして肉の効果すげーなおい!
「おかえりーソーマ君」
「あ、タバサさんいつもすいませんね。すっごい肉あるんで楽しみにしててくださいね」
「楽しみにしとくねー」
「ソーマ…」
ゴゴゴゴゴ!と聞こえてきそうな程の気迫で迫ってくるユナン。 怒ってらっしゃる!連れて行かなかった事を怒ってらっしゃる!仕方ないじゃん!素で忘れてたんだから!
「お土産あるから…勘弁してくれ」
ポリポリ頭掻きながら謝るとあっさり許してくれた。優しいユナン!
「さて…肉に釣られてる内に風呂に入ってこよっと」
風呂から上がってオークキングの肉をみんなで食ったけど…ちょー美味かった! んで、ワサビをユナンに食べさしたらビクンビクンしながらニタニタしてたから…気に入ってくれたと思う。 変態だな。
ソファーでまったりしてたらアリスが飛び込んで来たのでキャッキャウフフして楽しんだ。
「あーちゃん高い高いしたげるからあっち向いて」
「きゃー!するー」
普通は向かい合ってやるだろう…しかしだね…アリスは尻尾があるのだよ…
「高い高ーい」
「きゃぁー」
尻尾ブンブン! 尻尾俺の顔にビタンビタン! アリスワイパーだよ!
車のワイパーの如く俺の顔に尻尾が…うへへへ
「じー…」
はっ! ミナが口に指入れてこっちを見てる! 俺のだらしない顔見られたか!?
「み…みーちゃんも高い高いする?」
ぶんぶん顔を横に振るミナ… それなら…なんだ? ん? アリスの尻尾に目がいってるな…
「みーちゃん。 俺の膝の上においで」
ニコニコしながら俺の膝に乗るミナ…
「高い高ーい」
「きゃぁー」
「うへへへへ」
アリスを高い高いして、アリスワイパーを顔に受けて変な声を出すミナ…
さっきからワサビ食ってビクンビクンしてるユナン…何このカオス?
一頻り楽しんでから俺達は寝た。
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「ソーマ。 王都で5年に一度の会議があるから連れて行ってくれ」
次の日、冒険者ギルドに行くとダリスさんがこんな事を言ってきた。
「会議? いつあるの?」
「7日後だ」
王都までシルバードの街から馬車で約30日かかる…最初から俺に連れて行って貰うつもりだったな?そして何故ギリギリで言うんだよ! うぬぬぬ… 連れて行ってあげるが…1回断ってやろう。
「あ、用事あるんで無理です」
「…え?」
目を見開いて顎が外れそうな程に口を開くダリスさん。 人ってこんなに口が開くんだ…
「そんないきなり言われても困りますよ。 王都までここから馬車で30日くらいかかりますよね? それならもっと前に言ってくれないと…。 あー用事あるんで帰りまーす」
「え?え?」
断られると思ってなかったんだろうな。めっちゃ混乱してるよ…。 家に帰ってみんな連れて来てから王都行くかな。 それまで混乱してるがいい!ポンコツマスターめ!
んで帰宅。
「ってな訳で王都行くことになったから準備してー。最近忙しいな…」
「僕は収納袋に装備一式入れてるからすぐ行けるよ」
「アリスもすぐ行けるよー」
「あ…アタイも!」
うんうん。君達着替えとか用意しようね?
「着替えとかあるだろ? 後、家の戸締りもしっかりしとかないと。んじゃささっとやってギルド行くよー」
「「はぁーい」」
んでギルドに到着! あれ?ダリスさんが居ないな…
「タバサさん。ダリスさんは?」
「ソーマが連れてってくれないー!とか言って、半泣きになりながら準備してるよー」
「半泣きって…あ。タバサさん家の鍵預かってもらえます? 風呂使っていいですよ」
「お風呂使っていいの? 気を付けて行ってきてねー」
ってな話をして、ギルマスの部屋へ突撃。
半泣き所か全泣きで準備してた…まぁ…どうやっても車無いと間に合わないしね。
そんな威厳が皆無になったダリスさんを連れて俺達は王都へと車を走らせた。
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「んじゃ俺達はユナンの家でお世話になるんで連絡ある時はそっちにお願いします」
「ああ。そんじゃちょっくら行ってくるわ」
ダリスさんと別れて俺達はユナンの家に行く。 相変わらずでっかい家だ。 王都についた日はユナンの家でまったりして、次の日はミナの弟達が眠る自作の墓へ墓参りに行った。
「さて…何しようかねー」
「そうだね。 王都のダンジョンに行ってみるかい?」
「アリスいきたーい」
「うう…ちょっと怖いかな」
王都のダンジョンか…街を見て回るのはいつでもできるしな。ミナの頭なでなでして大丈夫だよって声かけてダンジョンに行くことにした。
「へー…これが王都にあるダンジョンか。入口が立派だな」
「はは。 そうだね。 それと王都のダンジョンは罠があるから気を付けないとね」
「え? 罠あんの?」
「注意深く見ればわかるから大丈夫だよ」
「んー…危なそうだったら帰るぞ」
「あ、みてみてソーマ。 学生がダンジョンに入るよ。騎士を目指す子や、宮廷魔術師を目指す子達がダンジョンで特訓するんだ」
あ、騎士とか居るのね。ってユナンの家系がまさにそれか…普段がアホすぎて忘れてたわ。
学校でダンジョンか…死んだら学校の責任になんないのかね?
まっ。俺には関係ないけどな。
ってな訳でダンジョンへ突入。
「出てくる魔物は…あんまり変わらないのかな? 1層はスライムだし」
「11層から変わってくるよ。王都のダンジョンもお試しっぽい層が10層まであるんだ。 ただ、罠あるから気をつけてね」
「あーちゃんみーちゃんも気をつけるんだよ」
「「はぁーい」」
スライムは警戒する程でもないのでサクサク進んでいく。 ん?
「な…なぁユナン。 罠ってアレか? 明らかに床の色が違うんだけど」
「ははは…あれだよ。 10層までは特に分かり易いんだ」
灰色の床に黄色の床があると思ってくれ。誰がかかるんだこの罠に…
「ぴぎぃいい」
うん。スライムが罠にかかって死んだよ。
んでサクサク進んで20層へ。
ドッタッドッタッ!
20層はリトルデーモンっていう小さな悪魔だ。こいつ等は人の言葉を話すんだな。 んでも俺達はお構いなしにザッシュザッシュとリトルデーモンを殺して行く。
悪魔の言葉に耳を貸してはいけない…
悪魔と契約したら魂を食われるのだから…
とかユナンが言ってた。
大部屋があったので俺達はリトルデーモンを殲滅してそこで休憩を取ることにした。
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『力が欲しいか』
「欲しい…力が欲しい! アイツ等をぶっ殺す力が!」
『よかろう! ならばくれてやろう…何者にも負けぬ力を!』
20層の大部屋で横になってグデーンってしてたんだ。 そしたら部屋の上に穴が空いて、おデブな学生っぽい奴が降ってきた。
そしたらどっかからリトルデーモンがやってきて、その学生っぽい奴に『力が欲しいか』とか言ってんの。
俺達四人は横になりながらそれを見てた。 なにこの茶番って思いながら。
力をくれてやろう!って言ったあたりでユナンがリトルデーモン殺しに行ったよ。優しいねユナンって…
んで降って来た学生っぽい奴に話聞いたら、そいつは学校でいじめられててダンジョン入って、罠の落とし穴に落とされたらしい。 んで許せない!って事で力が欲しい!とか言ったんだってさ。
まさに…
「ふーん」
だった。
そこからリトルデーモンが出てきたら瀕死にして止めを学生に刺させて、学生を強化していった。 ユナンが。
俺とアリスとミナは肩車したりお姫様抱っこしたりして後ろを付いて行くだけ。 あ、ナビレットで魔物探して位置は教えてあげたけどね。
ユナンと学生で魔物倒す。
俺はスケボーだして紐つけてアリスとミナ乗せて引っ張る。
ユナンと学生で魔物倒す。
俺達3人はスケボーに腹ばいになって手で進んでいく。
ユナンと学生で魔物倒す。
3人で石けりして遊ぶ。
そんな事をして俺達はダンジョンで遊ん…特訓した。
こうして俺達の王都の初ダンジョンは終わった。
取り敢えず言えることは、ユナン優しい。だった。
復讐はするんじゃないよ。とか言ってたしね。
…俺だったら罠嵌められたらぶっ殺してやるけど!
王都来たけど明日は何しようかな?




