第40話
ズドォオオオ!!
西欧歴4649年4月1日
平和な日は突然と終りを迎える…。
地底世界から魔族が地上を手に入れるべく進行してきたのだ…
この窮地を打開すべく王国は勇者召喚を行った…
勇者は凄まじい力を持ち次々と魔族を倒して行くのだが…
「ま…魔族が攻めてきたぞぉおお!」
「いやぁあああ!!」
「た…たすけてくれぇええ!」
「あぶべらぶぅう」
勇者が居ない隙を狙って魔族は王都へと攻めてきたのだった…
「ふははははは! 脆い…脆いぞ人間ども! 勇者が居ないだけでこのザマとはな!」
「このまま地上を奪取するのだ!」
「「おぉおおお!!」」
この日…王都は魔族の手によって滅ぼされた…
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「続き!続きは!?」
「アリスも気になるー」
「続きは…また今度ね」
こんばんちー…ソーマです。
今日は可愛い可愛い妹達にお話を聞かせてあげてました。
ええ。魔族なんて攻めてきてませんよ?
「今度また聞かせてあげるからもう寝なさい」
「お兄ちゃんは寝ないのー?」
「ソーマ兄ちゃん寝ないならアタイも起きとく」
嬉しいことを言ってくれるな…だが…それはダメなのだ!
「ちょっとやる事あるから先に寝といてね」
「むー。わかったー。みーちゃん行こー」
「アリス姉ちゃんまってー」
トタトタトタと寝室に向かう2人を見送って俺は作業に入る…
「2人のおパンツを縫うから寝ないとは…言いにくいのだ」
チクチク…チクチク…
「兄ちゃんはー夜なべーをしてーっと」
おパンツ作業を終えて俺は2人の眠るベットに潜り込んで寝た。
ロリコンだったら捕まってるかもしんないな…
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「さて…今日は何しようかな?そろそろミナにもゴブ太郎特訓しようかな?」
まだミナは7歳だから焦る必要は無いかもしれないけど…
ある程度は身を守る力をつけて欲しいしなぁ…
でもケガしたら…怖いなぁ…
アリスにはゴブ太郎特訓してるから…大丈夫かなぁ?
「んー…どうすっかなー」
「お兄ちゃんどうしたの?」
「んあ? あーちゃんか。 いやね、ミナにゴブ太郎特訓しようかどうしようか悩んでたんだよ」
「そっかー。みーちゃんラビットは上手く倒せてるから大丈夫じゃないかなー?」
「んー…それでも心配なんだよねー」
「危なくなったらアリスが助けるよー」
おおぅ…アリスよ…本当に8歳なのかい?何て頼もしいんだ…
「わかった。俺らがしっかり見とけば大丈夫だろう。 んじゃ、あーちゃん。みーちゃん呼んできて。俺準備しとくから」
「はぁーい」
パタパタ小走りでミナを呼びに行くアリス…うん。パタパタアリス可愛いぞ!
「俺も準備するかな…っと。収納に全部あったな…終了!」
3人で南の森へとトラックで向かった。
ブォオーン!プシー…ブォオーン!
ほい!到着!それでは…ナビレットのマップ機能を使ってゴブリン探しますか!
「ソーマ兄ちゃん…アタイ…できるかな?」
「危なくなったらすぐに助けに入るさ。 ただ…人型の魔物だから気分悪くなるかもしれないぞ」
「う…うん。 頑張るよ」
「俺も最初はすっげー怖かったんだ。でもすぐに慣れたよ。 慣れたからって油断はしたらダメだぞ?」
「うん。 わかった!」
最初だから…吐くだろうなー…でも何とか踏ん張って貰おう!
厳しいかもしれないがミナの為だ!
ありがた迷惑でない事を祈っとこう…
「あそこに居るな…みーちゃん。まず俺が殺るから見とくんだ。あーちゃんはみーちゃんをいつでも守れるように傍で待機ね」
「わ…わかった!」
「はぁーい」
カッコいい所を見せなければ!兄の威厳を今こそ!
ゴブリンは1匹! いくぞぉお!
「くらえぇえええ!!」
ポイっとな…
俺は臭いダケをゴブリンの足元に投げた…ダンジョンのゴブリンには効かないが森のゴブリンには効く。
さぁ…さあさあさあ! 拾って臭うがよい!
「ゴブ? ゴブー…すんすん。 ゴブホォオオ! おぼろろろ」
バカめ!
「兄のぉおお!威厳っ!」
ドシュッ!
魔槍でゴブリンの胸を貫いた…今なら武器を使わなくても倒せるんだけど、ミナに見本を見せる為に使ったのだ。
「ふぅ…みーちゃん。こうやるんだぞ」
くるりと後ろに振り向きながら爽やかに言う俺カッコいい。フッ。これぞ兄だ!
「ソーマ兄ちゃん…」
なんでそんな微妙そうな顔をしているんだよぉお!
「んん。 ダンジョンのゴブリンだったらこの方法は使えないから覚えておくように。 森のゴブリンはバカだから、臭いダケ投げたら必ず拾うんだ。だって…バカだから。 んじゃ次はみーちゃんがやってみるんだぞ。 臭いダケ投げて、拾ってゲロ吐くか、転げまわってる所を攻撃するんだ。安全第一だからこの方法なのよ!だからそんな微妙そうな顔しないで!」
心にグッサグサ刺さる…。 次のゴブリンを探すか…1匹だけのを狙おう。まだ複数は行くべきではない。
「よし…あそこに居るぞ。 臭いダケは俺が投げるからみーちゃんはゴブリンに集中な。 狙いは首か心臓な。 危なくなったら俺とあーちゃんが助けに入るから。 じゃ、投げるぞ」
緊張…凄いしてんだろうな…俺もしてる。
ケガすんなよ! ちなみにミナの武器はナイフだ。剣は体が小さいから振るえないのだ。特注で作ろうかな。
んじゃー…
ポイっとな。
俺は臭いダケをゴブリンの足元に投げる。 木の裏に隠れてゴブリンがゲロってるのを見てからミナに合図する。
「今だ!」
「う…うん! やぁあああああ!!!」
ゲロって転げまわってるゴブリンにミナがナイフで首元を狙う!
ズパァ!
「ゴブ!?」
「浅いか! ミナ!まだだ!まだ殺ってないぞ!もう一度だ!」
「はぁ…はぁ…! うあぁああ!」
ゴブリンが攻撃された事に気がついたが遅い! もう一度ミナがゴブリンの首目掛けてナイフを振るう!
ズパァアア!
「ゴブホォオーーー!!」
「よし! よくやった!」
「はぁ…はぁ…」
首から血を吹きだしながらゴブリンは死んだ…死に際が何故かカッコよかったが…
ゲロ太郎…いやいや、ゴブ太郎…安らかに眠れ。
「みーちゃん頑張ったねー」
アリスがミナを褒める。うんうん。確かによく頑張った!最初はどうしても怖いからな…
俺はミナに近寄って抱きしめて頭をナデナデする。 初めて人型の魔物を殺ったから震えてる。この恐怖を乗り越えてくれよ?
「よしよし。よく頑張ったな。最初はどうしても怖いんだ。 なでなで」
「うぅ…ぐす…」
んー…魔石取り出すのは体を解体しなくちゃいけないんだけど…どうすっかなー。流石に…今日は無理か?
「みーちゃん…魔石取りだすの…できるかい? すごく怖いかもだけど…」
「ぐす…怖いけど…やる」
「…わかった。 何度もやれば慣れてくるから…頑張ろうか」
震えるてるのに魔石を取り出すと言ったミナ。 強い娘だ。
「みーちゃん。 魔石は心臓の近くにあるんだ。 だから胸を切り開かなくちゃならない。後、討伐証明は耳だから削ぎ落とさないといけないんだよ」
「うぅ…わかった」
「みーちゃん頑張れー」
ザシュッ…
まずは耳を削ぎ落とし討伐証明を確保する。次は魔石だから胸を切り開かないとな…
ドシュッ…
ゴブリンの胸にナイフを突き刺し広げていく…
「広げたら手を突っ込んで魔石を取り出す。気持ち悪いけど我慢だぞ」
「うぅ…」
ずちゅっ…
「よし。取れたな。よく頑張った」
「うぅ…ダメ…」
限界が来たのかミナが吐いた。
一頻り吐いた後、水で口を濯ぎ休憩する。
んで、震えてるから抱っこしながらなでなでしてる。
「怖かったか?」
「…うん」
「もうやめたいか?」
「怖いけど…続ける…」
「そっか…一緒に強くなろうな」
「…うん」
ミナを抱っこして森の出口まで向かう。途中でワザとゴブリン3匹が居る場所に行った。
「みーちゃん。 魔法の練習もしような。 身を守る手段はいくらあってもいいしな…例えば…こうだ。 雷光!」
俺は人差指をゴブリンに向け雷光を放つ。
パリッ…
昔と違って魔力もかなり上がってるからこれだけで1匹のゴブリンは死んだ。
「す…すごい!」
あれ? 魔槍で殺った時とは違う反応が…臭いダケのせいなのか!?
「アリスもやるー! 身体強化!」
タタタタッっとゴブリンに駆け寄るアリス。ゴブリンが棒を振り下ろすが難なく躱し、首を取ってグリンと回す…
ゴキャッ
強くなったなー…今じゃゴブリン程度じゃ相手にならん。
「あ…アリス姉ちゃんすごい!」
「えへへー」
ポリポリ頭かいてるアリス…うん。可愛いぞ!んでも後1匹残ってるんだから油断しないの!
「あーちゃん後1匹居るんだぞー? みーちゃん。身体強化を使うと…石でも十分倒せるんだ。…こんな風にね。 ポイっとな」
スゴォオオオ!!
ゴッ…
「い…石で倒した!すごい!」
うんうん。臭いダケの時以外は何とかカッコよく見えたかな?
ゴブリンを倒し魔石と討伐証明を確保して俺達はシルバードの街へと帰り、家にさっさと向かう。討伐証明はナビレットに収納してるから腐ることもないし、明日持って行けばいいだろう。今はミナをゆっくり休ませたいしね。
「ふはははは!風神回転飛び!」
「僕は!鳳凰の舞飛びだぁあ!」
「「わーい」」
いつもの様にアホ2人が庭で遊んでいたが、無視して家に入る。
「ふぅ…風呂でも入って今日は早めに寝ようか。みーちゃん疲れただろうしね」
バタン!
「ソーマ氏ぃいい!」
やだ…ウザイ時のテンションの変態隊長じゃないですか…
「どったの? 変態飛びしてなくていいの?」
「変態飛びではなぁああーい!風神…いや、そうではなくてな」
「まぁまぁ、取り敢えず座りなよ」
「うむ。 すまんな」
ウザイテンションから普通に戻った。
「んで、どったの?」
「来週お祭りがあるのは知っているだろう?」
え?もうそんな時期なの?忘れてたよ…
「すっかり忘れてたよ…」
「む。 そうなのか…で、だな。 今年はちょっと変わった行事をやろうとなってな」
「ん? 何か変わったイベントすんの?」
「イベント…そう言うのか? …で、だな。 兄と相談したら面白そうだ! という事になって、今年はそれをやる事になった」
「ふんふん」
「そこでソーマ氏には審査員をやってもらいたいのだが…どうだろう?」
審査員?俺が?
「俺が? まぁ…俺でいいなら…で、何の審査員?」
「それはだな…」
「…それは?」
「カッコいい選手権だ!」
だせぇ!!
こうして俺はカッコいい選手権とやらの審査員に決まってしまったのだった…。
「鳳凰の舞ぃぃいいい!」
うるせぇええええ!




