第39話
王都から帰って来て次の日…
「な…なーなー。これなに?」
「これは…滑り台って言って、あの上から下に降りる遊びだよ。来てみ。一緒に滑ってみよう」
俺はミナに遊び道具の説明をしていた。ふふふ…この楽しそうな顔見るのが結構好きなんだな。
「こうやって…座ってから…こうだ!」
前に行って一気に滑る!
するすすすー…
「こんな感じだよ。 やってみ?」
「う…うん!」
そう言ってミナは滑り台を滑る。
「わ…わぁあああ!」
するすすすー…
「簡単だろ?」
「う…うん!楽しいね!」
ふふふ…そうだろうそうだろう!
「んじゃ…今度はこれな。車の小さい版だ。 これは自分の足でペダルを踏んで進んで行くんだ。ペダルってのはこれな」
「こ…これ踏むの?」
「そっそっ。 踏んでみ?」
キコキコキコ…
「動いたぁあ!わー!すごいすごーい!」
そうだろうそうだろう。そんなに楽しんでくれたら俺も嬉しいじゃないか。
「んで…これの遊び方はな…」
俺はミナに遊び道具の遊び方を教えた。
うんうん。子供はキャーキャー言いながら遊んでなさい。
★☆★☆★☆★☆★☆
次の日俺達は草原に来ていた。ミナを強くしようと思ってスライム退治をさせようと連れてきたのだ。
メンツは俺とアリスとミナだ。
ユナンはたぶんどっかで遊んでるだろう。
「んじゃ…みーちゃんスライム退治して肉体を強化しようねー。スライムじゃ全然上がらないけど、魔物と戦うのに慣れとこうか」
「アリスもやるー」
「う…うん。怖いけど…アタイ頑張る!」
あーちゃん…スライム余裕だろ? おねえちゃん凄い!っての見せたいのかな?
「俺がまずは見せるね。あー…こっちだ。 いたいた。んじゃ倒すぞー?」
スライムを見つけてミナにお手本を…
「しゅぅうううとぉおおお!!」
べちゃぁあ!
「これが上級者?のスライムの退治の仕方だ。 最初は棒で思いっきり叩いていこうか」
「しゅぅうううとぉおおおお!」
べちゃぁあ!
「あ!あーちゃん説明中なのにぃい!」
アリスが蹴りでスライムを倒しました…おてんばになったなぁ…俺のせいか!
ミナに棒を渡してスライムの所まで連れて行く。
「スライムは何故か動かないから大丈夫だよ。 やってみ」
「う…うん…やぁああ!!」
べちん!
にゅるぅーん…
「や…やった!できたよ!」
「なでなで。 よくできました。この調子でガンガン行こうか」
緊張をかなりしてたけど、難なくスライムを退治したミナ。ある程度ここで鍛えたらゴブリン退治にも挑戦してみよう。人型だから…キツいかもしれないけど…誰かに襲われて死ぬ何て事になって欲しくない。
その日、俺達はスライム退治しながら薬草採取をした。
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「あー…だるい…ぐでーんとしてるこの時間は至福の時だなぁ…」
次の日は休みって事にして俺は家でぐったりしている。
「「わーい」」
今日も庭で子供たちが遊んでいるなー。
「平和だなぁ…」
畳もどきに寝転がって…ぐでーん。あー…最高…
「ふはははは!見よ!我の滑り台の滑り方! 凄かろう!」
…やだ…聞こえない聞こえない…
「「わーい」」
うんうん。子供たちの声だけだな。
「見てみて僕の滑り方!両手広げて滑り台降りたら鳳凰っぽくない?」
…やだ…聞きたくない聞きたくない…
「あ…アタイだってぇえ! スリ滑り!」
うちの子が毒されてる!?
何スリ滑りって!?
俺は気になって顔だけ出して覗いてみた…
「フッ。やるではないかミナ嬢。だが!我には勝てまい!」
スリ滑り終わってた! ダメ大人達…何で普通に遊んでんだよ…
「見よ! これが究極奥義!風神滑り!」
「「わーい」」
スススススー…
「ばっ…ばかな!両腕を組んで…仁王立ちしたまま滑るだと!?」
お前がバカだよユナン…何カッコよく言ってんの?いや、仁王立ちして滑り台滑るってすげーけどね!
「すごぉおおーい!」
あぁ!ミナ!変態隊長にキラキラした目で見たらダメだ!
「我!我の!勝ちぃいいい!」
イラっとしたけど…ミナが楽しそうにしてるから勘弁しておこう。
はぁ…街でもブラブラすっかな…あーちゃん寝てるし一人で行くか。
「おっちゃん串焼き2本ちょうだーい」
「ほいよ! アツアツだから気をつけな!」
モグモグ…うん。まぁまぁだな。
「なんか…面白ことないかなー?」
串焼き食いながらシルバードの街をブラブラ。
王都と違って平和だな…良い街だ本当に。
人通りが多い所をプーラプラ。
「もし…そこのお方…道を訪ねたいのですが」
急に声をかけられたので隣歩いてた人に、呼んでますよーって言って擦り付けて歩く。
「あら…あの人カッコいいわ…声かけましょう」
って聞こえてきたから隣歩いてたオッサンに呼んでますよーって言って擦り付けて歩く。
ドンッ…
「痛てぇ!腕折れたぞ!おい!てめぇ!」
って聞こえてきたから臭いダケ取り出してそいつに擦り付けておく。
おぼろろろ…とか聞こえてきたけど気のせいだろう。
「あー…何か面白い事おきないかなー」
街をブーラブラ…
「きゃぁあああ」
何故か溝に足がハマってる女の子を見つけたので助けた。
「あ…ありがとうございます…あのあの…お名前聞かせてくれませんか?」
キランと爽やかスマイルで俺は答えた。
「名乗る程の者じゃないですよ。それでは失礼お嬢さん」
ってカッコつけてからその場を去った。
ポーッとした顔してたが…ほっといた。
「いらっしゃいませー」
「あー…ホットミルク1つと何か軽く食べる物ください」
プラプラ歩くのを止めて店で軽く食事をする。
あー…ミルクうめぇ…このミルクあの牧場のかな?
今度アリスとミナ連れて乳絞りに行こっかな。
ザワザワザワ…
「ん?何か騒がしいな」
ボケーっとしてたら通りが騒がしくなってた。何かあったのかな?
「痛てぇ…おい!腕が折れたじゃねーか…あ゛ぁん!?」
「そ…そんな…軽くぶつかっただけじゃないですか!」
「痛てぇ痛てぇ…おー?よく見たらお前良い体してんじゃねーか…付き合えよおらぁ!」
「や…やめてください! だ…誰か助けて!」
んー…さっき俺にぶつかってきたやつじゃないか…んで絡まれてるの溝にハマってた人じゃないか…仕方無い…助けて上げるか。
「おい…嫌がってるからやめな」
「んだてめぇ…あ!さっきのやつじゃね…」
喋り終わる前に臭いダケを口の中に入れ、スッパイダー足を顔に擦りつけてやった。
「ぷあっ!おぼろろろろろ…」
「あ…あ!さっきの人!また私は助けられたのですね!」
「フッ。気にしなくていい。それよりも衛兵を呼んでその男を捕えて貰った方がいいな。その男は当たり屋まがいの事を繰り返してるみたいだ」
カッコつけた喋り方する俺…早くもダルくなってきたよ…うわ…スッパイダー持った時、手に臭いが移ってしまった…そこの男の服に擦り付けとこう…なすりなすり…
「あのあのあの…お名前を」
「名乗る程の者じゃありませんよ。それではお嬢さん気を付けて」
面倒くさいから逃げるのだ!さらだばだー!
んで俺は逃げるように家に帰った。
「たらりも…」
「ふはははは!風神滑り!」
「なんの!僕は鳳凰滑り!」
「あ…アタイはスリ滑り!」
「「わーい」」
見なかった事にして家に入った…てかまだやってたのね…
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んで1週間後…
「わーはははは!アタイがここのボスだー」
「「わーいあねごー」」
とんでもない…とんでもない事が起きている…
ミナが子供たちのボスになっていた…
「わーはははは!」
「「わーい」」
あの感じの笑い方は!変態隊長のせいかぁああ!
「あーちゃん…ミナどうしたの?」
「なんかねー隊長が風神滑り?って言うのやってから師匠って呼び出してるのー」
あれか…確かにすごいんだけど…
ミナ…君はどこへ行こうと言うのだね…
「わーははははは!」
その日…ミナの笑い声が庭からずっと聞こえてました…
「わーははははは!」




