表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/50

第35話


 俺は今ユナンの実家…剣聖のお宅にお邪魔している。

 そこで俺は剣聖…ユナンの父親と話をしている訳なんだが…


「ソーマ君と言ったね。 愚息は迷惑をかけていないだろうか?ユナンは…その…何だ。アレなのでな…」


 緊張するのだ…。 しかし…親父さん…何か困ってるな…変態と言いづらいのかな?


「そうですね…出会った当初は…最悪でしたが…今は良き相棒ですね」 

「そうか…相棒か。 ユナンはそんな相手ができる様になったのだな。 よければ出会った当初とやらの事を聞かせて貰えないかな?」


 剣聖って言っても…ただの父親だな。


「え!? やめてよソーマ!」

「そうですね…出会った時は…ちょっと特殊な馬車に乗ってたんですが、何故か魔物と間違えたらしく…馬車を破壊されましたね。理由は俺の妹が魔物に捉えられていると思ったから…だったので弁償などで済ませましたが…」

「アリス覚えてなーい」

「それは…愚息がすまない事をした」

「やめてよソーマ!」


 ユナン…俺は…言うよ!だって面白いじゃない!


「それでですね、そこから一緒に行動してたんですけど、魔物に出会う度に…僕は剣聖の息子だ!とか言ってですね…ホント…あの頃のユナンは…」


 そんな感じで俺達は会話をしていった。ユナンの事は最初はダメダメだったが後半になるにつれ頼りになるんですよー!みたいに話したから…大丈夫だろう。…たぶん。


「という事で頼りになってますよ」

「そうか…。君がよければだが…これからも息子と仲良くしてやってくれ」

「ええ。楽しいですし。任されました」


 なんだ…気の良い人じゃないか…。勘当したとか言ってたが…公の場でウットリしたから仕方無しだったのかもしれないな…立場ある家庭故…かな?

 ライオネルさんは一頻り話した後部屋を出て行った。


「ユナン…気の良い父親じゃないか」

「そう…なのかな?」

「どうせお前が勝手にプレッシャー感じてワタワタしすぎたんだろ。 んで公の場でウットリして…」

「うぅ…心当たりがあるから辛い…」

「んじゃ俺らは帰るわ。家族との時間大切にしろよ。このままこの家に残るのも…まぁユナン次第だな」

「僕は…ソーマ達と一緒に行くよ。今の感じが…好きなんだ」

「そっか…んじゃ合流する日に遅れんなよー。あーちゃん行くよー」

「はぁーい。ゆー兄ちゃんまたねー」


 そう言って俺達はメイドに案内されてクライン邸を後にする。

 パッカパッカと街へと執事さんに送ってもらった。

 しかし…私と戦え! とかなくてよかった…瞬殺されるわ…


「では執事さんありがとうございました」

「ましたー」

「いえいえ。ユナン様の事これからもよろしくお願いします」


 ペコリと頭を下げて執事のセバス・サンは帰っていった。



「さーて…今から何すっかな。あーちゃん何かしたい事ある?」

「んーとねー。お肉っ!」

「やっぱ肉なのね…そこら辺ぶらぶらしながら街の中央にでも行ってみるかな」


 アリスとお手々繋いで屋台を回りながら街の中央へ。



 ドンッ…



「いてっ…何だよ。気を付けて歩けよな…」

「お兄ちゃん…大丈夫?」

「ん?平気平気」


 ひったくり目的なのかもしれないが…金はナビレットに収納してるから盗まれる物ないんだよな。

 ただ…イラっとするけど。

 

「ふぃー…着いた着いた…何か見世物やってるな。なんだろ?人多くて見えないな」

「なんだろねー。行ってみようよ」

「そうだね。せっかく来たから行ってみようか」


 てな訳で人ごみをかき分けて見世物を見に行く俺達。


「あー…ごめんなさいよーっと」


 日本人の親父達がよく使う手刀を使って、通りますよーってな感じで前に行く。


「いけ!そこだ!」

「あー惜しい!」

「すげーな!全部躱してるぞアイツ」


 一番前まで来て何してるのか見に来たが…どうやら殴られ屋っぽい事をしてるみたいだな。

 1000マニで…3分殴り放題か…。主催者側は手を出さないって感じかな?

 これは…強い奴がやったら…当たらないだろ。この世界の強者は強さが桁違いだからな。


「お兄ちゃんあの人倒せたら5万マニだってー」

「ん?賞金あったんだな…気付かなかった」

「アリスやりたーい」

「え!? あーちゃん危ないからダメだって!」

「でも相手は手を出さないって言ってるよ? ほらー」


「次の挑戦者はいないか?俺を倒した奴は5万マニだぞ。俺からは手を出さない。そこのアンタどうだ?」


 んー…確かに手を出さないって言ってるしなー…それなら良いかな?


「はぁ…わかったよ。1回だけだよ?怪我しないでね?」

「やったー!大丈夫だよー」


 アリスはお転婆に育ってるな…


「んじゃ…こんな風に戦ってごらん?」

「ん…わかった!行ってくるね!」


 秘策!と言う程の物じゃないけどアリスに耳打ちした。

 油断してれば…いけるかもしれないな。


「はいはーい!次やりまーす!」


 ぴょんぴょん跳ねながらアリスが主催者に寄っていく。

 むさ苦しい中に天使が舞い降りた…。いかん!アリスに近付く者に注意せねば!

 俺の天使に近付いたらいつでも雷光撃つぞコノヤロー!


「誰かいないかー! …お?お嬢ちゃんがやるのか?ははっ。子供でもいいぞ! じゃあ1000マニな!」

「はい1000マニだよー」

「確かに。 んじゃー…始め!」


 始めの合図と共にアリスが直進し右手で突きを放つ。


「おっと。 なかなかやるねお嬢ちゃん。だがそれじゃあ俺は倒せないぞ」

「むー。まだまだこれからだもんっ。やぁ!」


 何度もアリスが攻撃をするが相手は上手く躱していく。

 パンチをしてはギリギリで躱し、蹴りをしてもギリギリで躱す。

 だけど…いつまで躱せるかな? 


「よっと…。後10秒だぜ?」

「これなら! 身体強化!」

「なっ!」


 ゴブ太郎との特訓を繰り返し、アリスも身体強化が使えるようになってる。

 身を守れるくらいに強くなってくれないと…どこにも行かせられないしね。

 あぁ…過保護さ。


「はぁああ!」

「ぐぅっ!」


 ズバン!とアリスの一撃が腹に入った。

 ギリギリまでゆっくり攻撃して、最後の一撃だけ高速でやる…

 これで倒せるかもしれなかったんだが…そう甘くもないか…


「ふぅ…最後の一撃に賭けてたのか…危うくやられる所だったよ」

「むー。だめだったー」


 って言いながら地団駄を踏むアリス。うん。可愛いぞ!

 相手も危うくとか言ってるが…余裕だろうな。ダメージ全然ないじゃないか…


「よく頑張ったなお嬢ちゃーん」

「カッコよかったぞー」

「俺も子供に負けてらんねー!次は俺だー!」

「お嬢ちゃん可愛いー!」


 とか周りの人は応援してくれてた。誰だ最後のやつ!雷光放つぞ!?


「あーちゃん残念だったねー」

「ダメダメだよー」

「あーちゃんカッコよかったぞ。なでなで」

「ほんとにー? えへへー」



 殴り屋で運動した後俺達はまたブラブラし始める。どっか良い景色とかないもんかねー?



 ドンッ…



「いてっ…はぁ…捕まえたぞガキんちょ」

「うわぁ!やめろ!離せよぉ!」


 またぶつかって来た奴が居たので今度は捕まえた。

 スリが流行ってんのか?


「はぁ…こっちこい」

「うわぁ!見逃してくれよぉ!」

「お兄ちゃん…」


 スリをしたガキんちょを路地裏まで引っ張ってく。

 街の人もまたか…みたいな感じだったからしょっちゅうやってるんだろ。

 衛兵とか来る前に説教して終わらせねば…



 ガチン!



 と一発、スリしてきたガキんちょにゲンコツを喰らわせる。


「いったぁあ!」

「ゲンコツで済ませるだけでありがたいと思え。大人だったらもっとボコボコにしてたぞ?」

「くぅ…見逃してくれよ!金稼がないといけないんだよ!」

「だから…ゲンコツで終わりだって。でも盗みはダメだぞ」

「盗みが悪いってわかってるよ!でも子供はどこも雇ってくれない!どうしろってんだよ!」

「んー…親は?」

「親はもう居ない!アタイが稼がないと弟達が…」


 親が居ないのか…なら盗みしか生きていく方法は…無いのか?

 んー…子供だから…仕方無いのか?

 どうすっかな…あー…


「ほら。3万マニだ。持って行きな」

「い…いいのか!?でも…この金も…」

「あー…特別だぞ? 盗みはもうやめろよ?必死に働く所探せ。きっとどこかにあるさ」


 はぁ…甘いな…俺。でも…子供じゃあどうしようもないしな。

 大人だったらボコるんだけどなー…

 

「あ…ありがとな!」


 そう言ってガキんちょは走って行ってしまった。


「お兄ちゃん…よかったの?」

「どうだろ?子供だから…働き口無いだろうしなぁ。渡した金が無くなるまでに何とか仕事見つけたらいいんじゃね?あ…孤児院に行けって言えばよかったな」


 まぁ…どうにかするだろ。クッソムカつくガキんちょなら放っといたが弟達の為って言ってたからついつい手を差し伸べてしまったよ…


「あー!やめやめ! あーちゃんブラブラしよう!」

「んー。わかった!じゃあお肉っ!」

「え!? さっき食べたばっかじゃん!」

「お肉なのー!」


 アリスに手を引っ張られて屋台巡りをさせられた。

 気を使わせてしまったかな?

 そしてどれだけ食べるのアリスさん…






 こうして俺とアリスは街をぶらぶらして王都3日目は過ぎていった。



 




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ