第33話
パチパチパチ…
「ソーマ氏。コンテナから出て何をしてるんだ?みんなもう寝てるぞ」
俺はみんなが寝静まった後に一人で焚火をしている。焚火ってよくない?
「んー? 焚火ー。焚火って旅って感じしない?」
「フッ。 そうだな…」
「これでギターでも弾いて…歌でも歌えば…またいいんだろうなー。今度作っとこ」
「音楽か? ふむ。 魔物が寄ってくるぞ?」
「あー…そっか。ままならないね…ほんとに…」
「しかし…本当に車は速いな」
「そうだな。 飛行機はもっと速いぞ。空を飛ぶんだ」
「空か…飛んでみたいものだ。 滑り台ではないぞ?」
「そりゃ俺もゴメンだわ」
このやろう!まだ滑り台の事、根にもってんのか!俺も飛んだけど…怖かった…高いとこ怖いのよ…
「ソーマ氏は…元の世界へ…帰りたいとは思わないのか?」
「んー…どうだろ?なんやかんや楽しいしなー…ただ…娯楽が少ないかな」
「ソーマ氏が作ってるではないか」
「全然だよ。あー…ボウリング作るのもいいなー。ピン…棒を立てて、丸い石を転がして倒す遊びね」
「フッ。 面白そうだな」
「帰ったら作るわ。 ってまだ行ってる最中なのにな」
グダグダと焚き火に当たりながら変態隊長と話す…普段言わないような事を言う…焚火って不思議な魅力があるな。
あー…そう言えば…こんな事話すのって変態隊長だけだなー。
焚火を一頻り楽しんでから俺たちもコンテナに入ってから寝た。
宿とかより自分で作った布団の方が気持ちいいのだ…
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ブォオーン!プシー…ブオーン!
「ふはははは!スケボーとやらは楽しいな!」
「僕だって!見てこのカッコいい乗り方!」
次の日…やつらはスケボーを持ち出し4トントラックの後ろにロープくくってから、それを持ちスケボーしてる…
「はぁっ! 今のジャンプは中々だろう?」
「とぉ! 僕だって負けてないよ!」
「「あははははは」」
なんで声が聞こえるかって? くそうるせーのアイツ等…
てかアスファルトじゃないのになんで転けないの!?
運動神経超人だな…
「はぁ…っとカーブだ…」
「お兄ちゃんアリスもやりたいー」
「ダメだよあーちゃん…危ないよ。いやマジで」
「ぬっ! この程度曲がれずになんとする!」
「甘い…甘いよ!ソーマ!曲がりきれずにそのまま行くと思ったかい?」
うるせぇ…なんで10mくらい離れてんのに聞こえるくらいで叫んでんだよ!
「うふふ。 エリックって子供っぽいわね」
マリアさんも付き合いだしてからおかしいしー…なんてのかな?ぽわぽわな感じになったってのかな?
エロねーちゃんのぽわぽわ…うん。やばい。ゆるさん変態隊長!
「そろそろ次の村とか見えてもいい頃なんだけど…標識とかないからわからないんだよねー」
「お兄ちゃん村によるの?」
「んー? よらないけど…。 あ!マップぎりぎりに盗賊の反応あるな…」
「退治するの?」
「んー…なんでもかんでもやってたら…俺たちの方が参ってしまうからなぁ…あ。村見えたな。ちょっと村の中の様子だけ見とくか。 被害でてるか見るだけな?」
「はぁーい」
ちょっとだけ村の様子を見てみるかな…っと。 ブレーキブレーキ。
「フッ! 止まってトラックにぶつかると思ったかソーマ氏ぃい!我の華麗な躱しを見よー! …ソーマ氏…スケボーはどうやって止まるのだぁあぁあ………」
「そうそう何度もやられる僕らじゃないんだよぉ! どうやって止まるのこれぇぇぇ………」
……だんだん声が小さくなって変態隊長達は前に行ってしまった…
「ふー…ひどい目にあったぞ。 ソーマ氏あの村に寄るのか?」
「あぁ。 遠くに盗賊の反応あったらからな…ちょっと見てみるだけだ」
「助けるのかい?」
「んー…全部が全部俺らでやってていいもんか…まぁ村に行ってみるさ。それから考える」
んで俺達は4トントラックから降りて村に向かって歩く。
「これと言って何にもない、のどかな村っすね」
「畑ばっかりッス」
田舎だなぁ…田舎大好きだから俺には最高だな。
畑…畑…畑…。 うん。何もない…
「んー…特に何かあった様に見えないから…このまま行くかな?」
盗賊に襲われてるって事もないし… いいか。
「「わーい」」
「こらっ。あんまりはしゃがないの」
「「わーい」」
「もうっ」
村の中で子供達が遊んでるな。母親かな? あー…何かいいなこういうのって。
さて…何も起きてないし王都に行くかな。
「何もないみたいだし行こうか」
「そうだな」
俺達は4トンに乗りまた車で走り出す。
ブォオーン!
平和そうないい村だったな…んー…
キキー…
「わりー…やっぱ…盗賊始末してくるわ…」
「フッ。 そうか」
「僕も行くよ」
このまま…ほっといたら…アリスみたいな事になるかもしれない…そう考えたら…
「殺るか」
盗賊なんぞ…生かしてても人拐いとかしかしないだろうしな…
「あそこに…2人だな」
「僕がいこう」
「我も行こう」
「変態隊長…車で待ってろって言ったのに…」
「フッ。 まぁいいではないか」
「ぐぁっ!」
「があぁ…」
サクッと盗賊を始末する2人。どうやら他に盗賊は居ないらしい。たまたまここら辺に来ただけなんだろう。
「さて…ゴミ掃除も終わったし…王都にしゅっぱーつ!」
ブォオーン!プシー!ブオーン!
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「おぉ…でっけーな…」
「おっきーねー」
あれから何が起きるわけでもなく俺達は王都へと着いた。
城壁に囲まれた都市…それは他の街と変わらないんだけど…
でかい! うん。それしか言えない!
城が外からでも見えるんだ。山の上に城。んでそっから下に街。
うん。 よく考えたら…普通だな…
「次! うむ。ギルドカードの確認はした。そちらの子は入場料1万マニだな」
アリスはギルドカード作ってないから入場料とられた…高くなーい?
ってシルバードの街もその値段だったな…何はともあれ…
「王都サイドリッジへようこそ!」
王都へ到着だ!いえーい! 門抜けたらいきなり人多いー…いやだっ!
「いやだっ!」
「お兄ちゃん?」
「おぉう…心の声がでてしまった…大丈夫だよあーちゃん。なでなで」
「えへへー」
「んじゃみんなバラけますか!変態隊長とマリアさんは新婚旅行楽しんでねー」
「フッ。 すまんな気を使わせて」
「うふふ。 ごめんなさいね」
「俺とセイクリッドも遊びにいくっす」
「満喫するッスよ」
「んじゃ…1週間後の朝にここに集合ねー。何かあったら…どうしよ?そうだな…ギルドに言伝しといて」
「「りょうかーい」」
「んじゃかいさーん」
みんなバラけて行動だ。さーて何しよっかな!
「ユナンはどうするんだ?」
「そう…だね。実家に顔出してみるよ」
「そっか…まぁ…何かあったら言ってくれ。 俺らはそこの宿にするから。 精霊の宿…って名前だな」
精霊か…居るのか?
「わかった。精霊の宿だね。じゃ、僕も行くよ」
ユナンも実家に行く事だし…アリスと2人っきりだな…
「あーちゃん2人っきりだね…」
「お兄ちゃんっ」
「あーちゃんっ」
ぎゅうーっと2人で抱き合う。クンカクンカ
「…誰も突っ込んでくれないから何か寂しいな」
「そうだねー。宿取っとこうよー」
「そだな。行こうか」
「いらっしゃい。2人かい?」
「どもー。2人です。いい部屋を…1週間で」
「一番いい部屋だと…最上階になるけど、2人で1泊10万マニだよ」
「んじゃそれで」
「あら…貴族か何かかい?ポンっとだすなんて」
「ははは…ダンジョンで稼いでるんですよ」
「なるほどね。 じゃあ鍵はこれね。ようこそ精霊の宿へ。歓迎するよ」
1泊10万マニか…高いけど…たまにはいいよな?
「うわぁー…すっごい広いよー」
「おぉう…さすが10万マニだな…ベッド天幕ついてんぞ」
豪華だ…部屋は広いし… 天幕は…なんかヤダな…
「さて…お姫様。どちらにお出かけしますかな?」
「お兄ちゃん屋台行こうよ! お肉!」
「肉ホントに好きねあーちゃん…」
ってな訳で王都をぶらり旅しようかなー。
「あーちゃんはぐれたら困るから手を繋いどこうか」
「はぁーい」
うんうん。幸せやのー…まだ風呂も一緒に入ってるけど…いつ一緒に入らないって言うか…
一緒に入らない! とか言われたら…立ち直れるんだろうか…でもソロソロ言いそうだよなー…
「人!人!人!いやだ!」
「多いねー…あ、あそこの屋台行こうよー」
手をブンブン振ってくるアリス…しっぽもブンブン…ふふふ。
「おっちゃん焼串2本頂戴」
「あいよ。2本で1000マニな」
たけぇ!都会値段か! もぐもぐ…うん…まぁまぁだな…
「値段の割に微妙だな…」
「だねー…今度はあっちの屋台いこっ?」
「へいへい。お姫様の仰せのままに」
俺達はその後もぶらぶら屋台巡りをした。 うん。めっちゃ美味い!ってのがない…でも値段は高い!
「あんまり美味しいのがなかったねあーちゃん」
「そだねー…お兄ちゃんが作る方が美味しいねー」
「あーちゃんっ」
「お兄ちゃんっ」
「んん。 そろそろ帰ろっか」
「そだねー。宿のご飯何かなー?」
まだ食べるのかい?太るよ? 太ってもあーちゃんは可愛いよ…たぶん…
「んー…美味いは美味いけど…何かなー…工夫が足りないというかなんというか」
「お肉は素材そのまま焼いてる感じだったねー」
下ごしらえとかしないのかな…
「風呂もないのか…作れよぉ…値段とマッチしてない!俺文句しか言ってない!」
「お兄ちゃん頭洗いたいー」
「桶…だすか。ウォーター! ファイア!ファイア!ファイア!これくらいかな?」
「ちょうどいいよー」
体洗ってから俺達は一緒に寝た…知らず知らずの内に俺は贅沢してたのかな?
風呂しかり飯しかり…
はぁ…おやすみー!
おはよう!
「今日はなにしよっかなー?んー…何か連絡あるかもしれないからギルド行って見るか」
「ギルド行くのー?」
「朝と晩に寄った方がいいかもね。朝だけだったら昼に伝言あったら丸一日連絡つかないしね」
「そっかー。なら行こっか」
宿の人にギルドまでの道を聞き俺達は宿を出た。
「人!人!人!いやだ!」
「朝から多いねー」
「やだ! んー…中道通るか…その内着くだろ。焦ってる訳じゃないし」
「探検だー」
うん。中道わかんねー! 迷路じゃねーか!アリスは探検だーって言って楽しんでるけど…
「おっと…ここから先は行き止まりだぜー」
「ここを通りたかったら金を置いてきな」
…バカが現れた!行き止まりって言ってるのに通るやついるのか?
「え?行き止まりなんですよね?なら戻ります」
「ばっ!ちげーよ!俺達が居るから行き止まりなんだよ!」
「金を置いていけ!」
あぁ…そういう事だったのか…数は…物陰に隠れてるやつ合わせて4人か…
はぁ…昔なら怖かったけど…今ならなんとも思わんな…遊ぼっかな…
「か…金を置いていけば…助けてくれるんですか!」
「お兄ちゃん…」
「あーちゃん…余裕だから遊ぼうね」
「んー…わかったー」
「げははは!ぶるってるぜコイツ! そうだ!金を置いていけ!」
「い…いくら置いて行けばいいんですか!」
「あ゛ぁ!全部だ全部!隠すんじゃねぇぞ!」
「ひぃ…わ…わかりました…」
いかん…楽しくなってきた!
100マニじゃ怒るかな? 怒るだろうな…やろう!それが俺!
「こ…これだけしかないです…」
「ああ!! 100マニしかねーだと!? 隠してんじゃねーぞ! オラ!とべ!」
ふふふ…音なるようにしてみよう…
「ひぃ…と…飛びますよぉ…」
チャリチャリ…
「てめぇ…隠してんじゃねぇか!ふざけんじゃねぇぞ!」
「ぷっ…はははは。あーおもろっ」
「お兄ちゃん…」
「あーちゃんお兄ちゃんがやるから下がっててねー」
「何笑ってやがる!」
「ごめんごめん。遊んでたんだよ。絡まれたの久々だったし」
「なんだと!? てめぇら!こいつやっちまって身ぐるみ剥ぐぞ!」
「きゃぁあ!」
俺は手を胸と股間で隠して叫んだ…やってみたかったんだこれ!
叫んだのアリスじゃないよ?俺だよ?
ゴロツキが大振りのパンチをしてくる…ばかか? めっちゃ避けやすいじゃないか…よくこれで人襲えるな…
ギリギリで躱してゴロツキの喉を突く。
「がぁ…かは…あが…」
「んー…弱すぎる…」
「よくもやったな!オイ!」
他のゴロツキが光り物…ナイフを出す…おいおい…
「あー…お前らそれ…わかってやってる?冗談じゃすまなくなるよ?素手なら遊びですんだけど…刃物だしたら…殺しあいだぞ」
「うるせぇえええ!やっちまえ!」
アホが…
「死ねやぁ!」
ナイフをおお振りで振ってくる…ナイフなら突けよ…。俺はナイフを躱してゴロツキの後ろに周り、首に腕を回して…回した。
ゴキャ…
首が回ってはいけない方に回ってゴロツキは死ぬ…
「こ…こいつ!殺しやがった! やろぉお!」
「アホが…刃物抜いたやつは殺す。 俺じゃなくても他の人にやるだろうからな…被害出る前に殺す」
他のゴロツキも首を回して片付けた。 血が吹き出る殺し方は街中だし…
「さて…お前は刃物使わなかったから殺さなかったんだが…」
「たたた…助けてくれ!俺はやめようって言ったんだ!」
「んー…言ってなかったじゃないか」
「そそそ…それは…」
「まー…アイツ等の仲間だしな…今までもやってきたんだろ?死んどけ…」
「まっ…がぇっ…」
ピットフォールで穴開けて死体を投げ捨てる。
はぁ…王都来てまだ良い事ないじゃないか…
人が多すぎる弊害か? 他の路地裏もこいつ等みたいなのいっぱい居そうだな…
あー…こんな感じだとギルド行ったら絡まれるだろうなー…
変態隊長…お前の兄の領地は…ホント最高だよ…




