第3話
俺は門番が言っていたシルバードという街に入ろうとした。すると違う門番らしき人に声をかけられた。
「そこの君。ちょっとこっちに来て名前とこの街に来た理由などを書いて仮身分証を受け取ってから入りたまえ」
…最初の門番がカッコよく「ようこそシルバードへ!」とか言うからそのまま行こうとしたのに…。恥ずかしそうにしてるよ最初の門番。こっちも恥ずかしいわ!
「すいません…あの門番の人がようこそ!とか言うもんだからそのまま入ろうとしました…」
「ははは。あいつは少しマヌケな所があるからな。この紙に名前など書いて銀貨1枚を払ってくれ」
…そういえば俺はこの世界の字を読んだり書いたりできるんだろうか?言葉は通じるみたいだが…。神パワーが働いているなら大丈夫なはず!書いてみるか…
カキカキカキ…名前は西城…あ!名前変えたの忘れてた!ソーマっと。んで冒険者になりにきましたでいいかな。
なんということでしょう!書いていたら勝手にこっちの世界の文字に変わっているではないですか!神パワーって事にしておこう。深く考えたらダメだ。
「ソーマね。冒険者になりにか…まだ子供なんだから無理しないように。初心者は死にやすいからな。銀貨も受け取ったし…ほら。これが仮身分証だ。こほん。それでは…ようこそシルバードへ!」
そう言って笑いながら門番に仮身分証をもらいましたとさ。
よし!今度こそ街に入るぞ!
門を抜けると…いかにもな中世な感じの街だった。街は5m程の高さの城壁にぐるっと囲まれた感じだ。魔物がいるこの世界では城壁は必要なんだろうな。街の中は村人っぽい格好した人や露天で商売してる人などが多い。冒険者らしき人もちらほら見える…剣とか槍もってうろついてるが…よく考えるとあぶねーな!喧嘩売ったら切り刻まれそうじゃないか!っと。とりあえず冒険者ギルドに行ってみるか。場所聞いとけばよかった…そこらへんの露天の人に聞いてみっか。
「すいませーん。冒険者ギルドってどこにありますかね?この街初めてなんでわかんないんですよ」
「ん?ボウズ冒険者になりにきたのか?冒険者ギルドはすぐそこだ」
入口から100mくらいの場所にあった。近いな。
「近いですね」
「ん?そりゃそうだろ。街の中央とかにあったら討伐した魔物運ぶのに不便だし血なまぐさいからな」
「なるほど…確かにそうだな。ありがとうございました。稼いだら寄らせてもらいますね」
「はっはっは!いいってことよ!それとボウズはどっかのいいとこのぼっちゃんか?えらいバカ丁寧な言葉遣いだが」
「いえいえ。年上の人と話す時の癖なんですよ。では失礼しますね」
「おう!気をつけてな!無茶して死ぬんじゃねーぞ!後ガキはガキらしくしろよ」
はっはっはっ!と笑いながら言ってくる露天のおっさんに別れを告げ冒険者ギルドへ向かう。…丁寧な言葉か…あれぐらいでそうなのか…ってか自分が小さい時の言葉使いなんて覚えてないしな…今の見た目10歳だし…んー。その場その場で適当でいいだろ!ってな訳で到着しました冒険者ギルド!
看板?に剣と盾の絵が書いてあるいかにもな場所。うっし入りますか!
うわ…入った瞬間に中にいる人がこっちをねぶる様な目線で見てくる…手で胸と股間隠してキャア!っていったろか!
もちろんそんな事はせずに受付らしき所へ向かう。綺麗なお姉さん、可愛いお姉さんが居るのはお約束だな。それを無視して奥にいるオッサンの所へいこう。綺麗なお姉さん怖い。喋りかけたらアホな冒険者に絡まれたりしそうだからな。
「すいません冒険者登録したいんですがここでいいですか?」
「あ…あぁここでいいぞ。美人な受付でやらなくていいのか?」
「美人と話すと緊張するし、絡まれたら嫌ですからね。気楽に話せる人の方がいいですよ」
「そうか…気楽って言いながら硬い喋り方だな。気にしないから砕けた感じでいいぞ。むず痒くなる」
「あーわかりました。できるだけそうします」
「まぁいい。登録だったな?これに名前や得意武器など書いてくれ。文字は書けるか?代筆もできるぞ」
「大丈夫です。書けますよ。得意武器って書かないとだめですか?何も使った事ないんですけど」
「あー書かなくても大丈夫だが、パーティー組む時とかに書いてあった方がわかりやすいからな。名前はソーマか…じゃあ登録するからこのプレートに血をたらしてくれ。本人しか使えないようになる。この針に指押し当てれば大丈夫だ」
「いたっ…終わりました」
「よし登録完了だ。簡単だろ?んじゃ説明するから聞いておけ。冒険者にはランクがあって上からSS.S.A.B.C.D.E.F.G.Hがあって全部で10段階ある。で、規定回数の依頼受けると昇格試験があって合格すればランク上がって行く感じだな。ランクが上がれば特典もあるが…上がった時にでも聞いてくれ。依頼は自分の一個上までしか受けれないから気をつけろよ。依頼票に書いてある値段は税金を引いた値段だから気にすることはない。依頼を連続で何度も失敗したらランク降格もあるから自分のレベルにあった物を受けろよ。まぁ大体はこんな感じだな。」
なるほど…しかしランク上げたら貴族とかめんどくさそうな奴らと関わり合いにならなきゃなさそうだし…低ランクのままでもいっかな。俺の精神は34歳だし…面倒事はいやです!精神10歳なら上目指したんだろうが…
「大体分かりました。あっ…どこか安い宿知りませんか?あんまり手持ちないんですよ」
「それならギルド出てすぐの所に「安らぎ亭」って所あるからそこにしな。飯付きで大銅貨5枚だ。後、登録料銀貨1枚な」
「え゛!金とるんですか!?」
「すまんすまん最初に言うの忘れてた。無いなら依頼料から天引きもできるぞ」
「…払います」
「おう!銀貨1枚確かに!それでは気をつけてな!あーそうそう俺はダリルだ。これからよろしくな!」
「ソーマです。よろしくお願いしますね」
そんなこんなでグダグダ受付ダリルと別れ宿へ向かう。え?絡まれなかったのかって?絡まれてないよ。登録行っただけで絡まれるってどんだけ治安悪いんだよ…まぁ美人の受付に行かなかったからってのもあるかもしれないけど。
んなことより宿屋へゴー!
ギルドをでて安らぎ亭へと向かう。まぁめっちゃ近いんだけどね。んでこの宿屋の外見は…三階建ての小奇麗な感じの普通の宿って感じかな。
「いらっしゃい。御飯かい?泊まりかい?」
「とりあえず1泊お願いします」
御飯って事は、飯屋もやってるって事か。そういえば転生してまだ何も食ってないな。
「泊まりは大銅貨5枚だね。朝と晩に御飯が付くからね。時間は朝も晩も6時から8時の間だよ。遅れたら別料金だから気をつけな。」
「わかりました。ではこれ大銅貨5枚です。風呂ってあります?」
「風呂?風呂は王族貴族ぐらいしか入らないよ!なんだい。あんたは貴族なのかい?」
「い…いやそうじゃなくて、泊まるの初めてなのでどこにでもあるのかと思いまして…ド田舎から初めて街に来たんですよ」
「なるほど…そりゃ勘違いってやつだね。湯は別料金で銅貨2枚であるよ」
「とりあえず今日は飯と泊まるだけにしときます。金に余裕もないんで」
「わかったよ。お前さんの部屋は302号室だよ。あそこの紙に名前書いてきな。ほれ。これが鍵だよ。どっか出かける時には一声かけて鍵を渡してから行きなよ」
宿の受付で名前書いて鍵を受け取って部屋へ向かう。鍵は…簡単なタイプだな…簡単に開けれそうだ…貴重品はできるだけ身につけてた方がいいだろう。なんにも持ってないんですけどね!
で、部屋に入って見ると…6畳ぐらいの部屋かな。ベッドに小さなタンスらしきものがある。掃除も行き届いてるしなかなかいい宿だ。宿の人は肝っ玉母さんみたいな感じだったけど…
そういえば6時とか言ってたけどこの世界にも時計はあるのかな?てっきり鐘何個とかで時間を知るのかと思ったが…まぁ今度聞いてみればいいだろう。
あー!薬草換金?するの忘れてた!明日でいっか…門番にも行かないと行けないし…登録料かかるの言っとけよなー!残金少ないから…明日は薬草刈りに行くか…魔物でたらどうしよう。こえーな。武器もないし…買う金もない…ナビレットに索敵ってのがあったけど全然金が足りない…魔物に出くわさないように薬草見つけるか。ナビあるから楽だしな!
今の時刻は3時か…ナビレットで時間見ました。ナビレット万能!飯までまだ時間あるし…少し寝るかな。色々あって疲れたよ。
では、おやすみ…そしておはよう!早いって?寝てるんだから何にもないよ!
時刻は…7時か…下に降りて飯でも食うかな。
「おや。降りてきたかい。適当に席について待ってな。晩ご飯持ってくるよ」
「ふぁ~…すんません…お願いします」
「寝てたのかい…あいよ。すぐ持ってくるよ」
さぁやってきました異世界初の飯!なんの肉か分からない肉とパンだ!んだばいただきまーす!モグモグ…肉美味ぇな…見た目は肉焼いて塩振った!って感じなのに美味ぇ…さて…パンはっと…うん。硬い…硬いよママン。
飯食ったし寝るか…おやすみ…おはよう!!
さぁ!今日から頑張るぞー!ぐーたらしたいけど金がない!なら稼ぐしかない!んだば行ってきまー!
宿のおばちゃんに今日の宿泊費渡して延長して街の外の草原へやってきました。門番に仮身分証の代金もらったよ!昨日のやつ居なかったな…休みか。一言言いたかったんだが…
まぁいい。さっそくナビレット使って薬草集めますか!今居るのは街からでて10分くらいの所ですな。
「サーチ薬草!」
うんうん。ナビレットにそこら辺にある薬草が映ってる。ナビ見ながらその場所に行く。刈る。引きちぎるとも言うが…ナイフすらないんだもん。
ナビ見る。その場所行く。刈る。それを何度も繰り返す。2時間程やって100束集まった。…ナビなかったらどんなけ時間かかるんだこれ…薬草はナビレットに収納してるぜ。袋も持ってないからな…小さいのでも買っとけばよかった。収納できるやつ居るかわからんし…いらんゴタゴタ巻き込まれたくないしな。
「さーて薬草も結構とったし帰りまっかなーっと」
ガサガサ…ガサガサ…
!?なんだ!なんか居るのか!やばい!武器もなんもないのに!見晴らしのいい草原だったから油断した!あっても膝下くらいの草しかないからでかい生き物じゃないだろうけど…正体不明の物って怖い…くそっ!
ガサガサ…ガサ…ぬりゅーん
…す…スライムらしき物体が見えるであります!大きさは30センチくらいで形はモチみたいな感じでアメーバ状ではない…色は…緑色だな…草の色に近い。くそ!強いのか弱いのかも分からない!スライム最強説もあるが…どのタイプのスライムなんだ!ネバネバアメーバだったらやばい…モチモチタイプだったら…おそらくいける!
石投げてダメだったら逃げる!そこら辺にある石を拾って投げる!
「くぅらぁえやこらぁああああ!!」
声を出すのは愚策かもしれんが初の魔物だから怖いんだよ!中学時代に野球部のエースだった俺の投擲をくらえやぁあ!!
スカっ!
「あー!もう!もういっちょくらえやぁあ!!」
投擲をミスるという恥ずかしさを大声でごまかしながらもう一度投げる!!
ゴッ!!
「ピギィイイ」
当たった!そして鳴いた!鳥肌たった!猫とかに石投げれるか?俺は投げれない!でも殺らなきゃ殺られる!…かもしれない。逃げてれば大丈夫だったんだろうけどー!異世界では魔物は普通に居るから戦うのは早いか遅いかだろう。それが今だっただけの話だ。冒険者になったしな。そんな事グダグダ考えながらスライムの様子を見る…ぐてーんとしてる…死んでるのか?
「そうだ!鑑定あったんだ!鑑定っと!」
スライム:死亡
「よわっ!」
ふぅー…異世界初の戦闘はどうやら勝利に終わったようだ…そしてなんでも飲み込むタイプのスライムじゃなくてよかった…
「とりあえず…収納しとくかな…うぅ…気持ちわりぃ。収納!」
スライム×1 【ナビ】【解体】
ん?ナビってのがあるぞ?索敵とは違うのか?…薬草と同じだとすると…吸収してマップに映るって所か…やっとこうかな。
ポチっとな!
[スライム×5必要です]
なにぃいいい!!一個でええんちゃんか!くそっ…文句言っても変わる訳じゃあるまい。気を取り直して…解体を…
ポチっとな!
[解体するにはナビレットで解体を購入してください]
きぃいいい!!ハンカチあったら噛んで血の涙流してるぞこのやろう!まぁいい落ち着け俺!落ち着いてる俺カッコいい!…冗談はここまでにして、金はかかるがナビレットの性能はピカイチだな。解体できるって…毛皮とかも剥げるはずだし…なれたらできるかもしれんが…怖いしな…でも耐性付けとかないと魔物と戦うとかできないだろうな。これは後々でいいか…
取り敢えず解体の値段でも調べるか…
はーいこちらナビレットの機能の一つ[剥ぎ取り]。これはですねー。なんと!ナビレットに収納した魔物や動物などを部位別に分けてくれる素晴らしい機能なんですねー。これを使えば毛皮の剥ぎ取りミスや地面が血だらけ!なんて事にならずに済むんだねー。肉だけ取り出したい!なんて時にも…はい!ナビレットの解体があれば…このとーり!こんなに簡単に行くんだねー。
まぁ!!それは素晴らしいわ!でも…お高いんでしょう?
大丈夫です奥さん!今なら…今ならなんと!金貨1枚!金貨1枚のお買い得商品です!
まぁ!お買い得ね!買ったわ!
なんて事を解体の説明をナビレットで脳内変換しつつも確認した。うん。買えない。金貨とか持ってないし。遠いな…金払えば楽になるけど…そこに辿り付くまで大変だな…
そういえば魔物倒したけど経験値みたいなのはないのかな?つかレベルとかあるんかな?ゲームっぽい世界だしありそうだけど…
自分を鑑定してみるか…鑑定っと。
名前:ソーマ
年齢:10歳
身長:140cm
うん。こんなけしか出ない。後…身長とかいるか?俺140cmだったんだな…ナビレットで身長の情報消せないかな…あ、消せるわ。消しとこ。他人を見る時身長なんざいらんしな。つかこの鑑定内容なら名前知りたい時くらいしか使えないな。
そうそう。経験値だったな。ナビレットに書いてないかな…んー。どーこーかーにーなーいーかー…っと!ぽいのがあったぞ。何々…
[魔物を倒す事によって魔物にある魔素を吸収して体を強化していきます。魔物を倒しても空気中に魔素が雲散し吸収効率は悪いです。魔物を倒した本人が1番魔素を吸収しダメージを与えた者にはそれなりしか吸収できません。レベルという概念はありませんがしっかり強化されていくので安心してください。魔石を砕く事により魔素を吸収する機能もナビレットにはありますので別費用でご購入ください。他人が倒して手に入れた魔核では吸収はできませんのであしからず。by神々]
うん。説明の途中からセールスっぽくなってるが大体わかった。神々は何してるんだ…ちょくちょく存在アピールしてくるな。
魔素吸収か…スライム倒したし少しは強くなったのかな?跳んでみるか。
ふん!ぴょん。
うん。そこら辺にいる子供レベルのジャンプ力だな。ははは。冒険者ランクAとかすげーんだろうな…ランクSとかもう空に浮いてんじゃね!?
よし!帰ろう!今日は換金するぞー!スライムは…ナビレットに吸収させたいからそのままにしておこうか。
門番にギルドカード見せて街へ到着!いいね!なんか冒険者って感じが。
んで冒険者ギルド到着。入る時に舐め回すような視線を感じながら受付のダリルの所へ。美人怖い美人怖い。俺…強くなったら舐め回すように見られたら胸と股間隠してキャァア!ってやるんだ!今やったらボコボコにされそうだし。
「こんちわダリルさん。薬草ってここで換金できますか?」
「あーっとソーマだったか?ここで換金できるぞ。ほれ。出しな」
「名前覚えてくれたんですね。じゃあお願いします」
ギルドに入る前にナビレットから出しておいた薬草を出した。昨日の分もね。袋ないから抱えてギルドに入ってきたよ。全部で110束あるからね。もしかして見られたのこのせいか?
「あー名前覚えてたのはこっちに受付来る奴あんまいないからな。ほれ。他の受付は美人で可愛いだろ?薬草こんなにとってきたのか…大変だったろう」
「そうですね。綺麗なお姉さんですよね。話したら他の冒険者の殺気が来そうなので行きませんけど。時間かけて探しましたからね」
ナビレットですぐ薬草探せるが…言うわけにもいかんだろ。
「はは!ちげーねー!荒くれ者も多いしな!よし!これが薬草の代金だ。薬草は常時依頼であるからな。覚えとけよ。10束につき1ポイントで換金金額は10束につき大銅貨1枚だ…11回分だから…銀貨1枚と大銅貨1枚だな。ほれ。この調子なら近いうちに上のランクに上がれるだろう」
「銀貨1枚ちょっとか…安いのか高いのかわかりませんが確かに受け取りました。ランクアップですか…試験あるんですよね?今のままのランクでもいいんですけど…最強のHランク目指しますよ。」
「若いのに枯れてるやつだな…ランクアップ目指さないとか他の奴が聞いたらどういうか知らんが俺はそれでもいいと思うぞ。ギルド的にもまずいだろうがな…お前はまだ子供だゆっくり考えたらいいさ」
え…何この人優しい…俺が女だったらウッカリ抱いて!とか言ってしまいそうだよ。俺男だしノーマルだから言わないけど。
「ご親切にありがとうございます。では今日はこれで失礼しますね」
「あー硬い硬い…もっと気楽に来てくれや」
「が…がんばります」
そうして俺はギルドをでて宿屋へ向かった。絡まれる事もなくギルドを出る。まぁ高々銀貨1枚しか持ってないのにカツアゲするやつもいないだろう。…たぶん。アホならわからんが…
「おかえり。今日は早いんだね」
「ただいまっす。薬草しかとってないんで。ここで昼食って食べれます?」
「食堂もしてるから大丈夫だよ。1食銅貨5枚だよ」
「じゃあお願いします。」
昼食は肉と野菜入りのスープだった。味は…肉美味い!スープは普通だな。
昼から何するかな…そうだ。袋が欲しいんだった。ナビレットで収納はできるが他人から見たら不思議な光景だろうしな…アイテムボックスっぽいのも探せばあるだろうけど…高いだろ…魔法でやれば大魔法使いか!!とかなりそうだしな。あ!魔法使えるか試してねーわ!買い物行った後にやってみるか!
宿のおばちゃんに聞いて袋売ってる道具屋っぽい所の場所を聞いた。結構近い。金に余裕できたら街でも探検しようかな。入口からギルドと宿しか行ってないし…
で、道具屋に着きました。怪しい!なんて事もなく普通の店です。
「すんませーん。袋欲しいんですけどあります?」
「いらっしゃい。袋ね。小さいのが大銅貨1枚。中くらいのが大銅貨5枚。大きいのが銀貨1枚よ。でもボウヤの身長だと中くらいのがちょうどいいでしょうね」
ボウヤって…あぁ10歳だったな今。
「じゃあ中くらいのでお願いします。はい銀貨1枚」
「はい。銀貨1枚だからお釣り大銅貨5枚ね。またきてね」
「お金溜まったらまたきます。それでは」
よし。袋も買ったし…宿帰ってぐったりすっか。で、宿に帰ってきました。
「しまった!タオル買えばよかった!タオル…は無いだろうから布か?んな事どうでもいいか」
すぐにさっきの道具屋に言ってタオルっぽい布買ってきました。風呂入りたい…まだ酸っぱい匂いしてないだろうけど…拭くだけじゃなぁ…冒険者とか臭そうだし…俺も冒険者だけど…宿屋のおばちゃんに井戸ないか聞いてみよう。湯も欲しいがいかんせん金がギリギリすぎる。
「おばちゃん井戸ってつかっていいの?体吹きたいんだけど」
「井戸は店の裏にあるよ。勝手に使っていいけど綺麗に使ってな」
「わかりましたー」
井戸に到着!桶を井戸にぶん投げて水をゲット!重いね!10歳ボディが恨めしい!ポンプとか作ったら便利なのに…魔法の水でもいっか。使えないけど。
さて…どうしよう。拭くだけじゃなく浴びたい。気温は春を少し過ぎたくらいだから…いけるだろ。しかし…全裸になってる時に人が来たら…
バシャー!
全裸になって水浴びました。10歳だからセーフでしょ?さっぱりした所で宿の部屋に帰る。2時か…仮眠しーよおっと。ダラダラしたいのです。
はいおはよう。晩飯食ってきます。
食べてきました。
仮眠もしたし…飯も食ったし…よし!魔法の練習をしてみよう!んな簡単にできたら苦労しねーよ!って感じだが転生特典で最初くらいは簡単に行くようになってるだろ!そう願いたい。
魔力…まず魔力を感じねばなるまい!へその下の丹田に意識を集中する。なぜ丹田かというと漫画とか見た時大体そこに意識を集中しろ!みたな事かいてあったからだ…
集中…集中…そう。腹に集中するんだ。あぁ…感じるぞ!何か感じる!痛いぞ!
ふぅう。感じたのは腹痛でした。転生してからうんちっちしてなかったからな。トイレはした後に砂かけるタイプでした…藁みたいなのでゴシゴシ…俺のデリケートなお尻は悲鳴をあげています。
気を取り直して魔法の特訓だ。
集中…集中…んあ?なんか感じるな。うんちっちじゃないぞ?集中してると僅かにわかる程度だけど…何かあるって感じがする。これが魔力か?今まで体の中になかった物がある感じ…変な気分だな…。
腹から徐々に広げていくか…漫画でもそんな感じだったからな。漫画あなどれんな。
2時間程集中して魔力っぽいもんを体全体に広がるようにした。もう魔力って事にしておこう。この状態で詠唱すればいいのか?イメージが大事ともいうが…部屋の中だし…水にしておこう。トイレの時にも役立つしな。尻の安全の為にも頑張らねば!
「水よーでろー!」
うん。でない。詠唱いるのかな…やるか…高校時代にビジュアル系バンドを組んでいた俺にはきっと楽勝だ!今なら恥ずかしいがな!
「ふはははは!!マヤコンテクマク・マヤコンテクマク母なる大地を潤わせし水の精霊よ!我ソーマに力を貸し給え!ぅおおたぁ「ドンドンドン!うるせぇぞ!!」あああ!!!!すんませーん!」
隣の部屋の人に怒られました…どうやら壁が薄いようです…中学時代にスパロボやりながら超電○よぉぉおおよぉおおおお!!って叫びながらゲームしてたら親に「あんたなに叫んでんの」って言われての思い出しました…穴があったら入りたい。
んん!詠唱してもダメって事は…イメージがちゃんと練れてないのか…それとも適正がないのか…んー。もっと水をイメージしよう。空気中の水分から水を集めるイメージ…魔力を触媒に交換する…指先に魔力を練る…あぁ…いけそうだ…後はキッカケだ…言葉に出してイメージをハッキリさせれば…
「ウォーター」
ちょぽぽぽぽ
で…でた!でたが…虚脱感がすごい!俺の魔力くそ少ないんじゃないのか?初めて使ったしこんなもんなのか…
あかん。意識が途切れそうだ…せめて…ふ…布団の上で…
バタっ
こうして俺の異世界2日目は意識を失う事によって終わった。