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第22話

「スシーにゲイシャーにハラキーリ」

「うるさいよ変態隊長」


 昨日話した後から変態隊長はずっとこうだ。 はっ!まさか異世界の事話したら呪われるのか!?


「スキヤキーヒコウキーミズギギャルー」

「しっかりしろ!くそ!呪いなのか!?」

「なんだソーマ氏騒々しい。呪いとか、狂ったか?」

「おめーが変な事言ってるからだろーが!」

「なんだ…想像して楽しいんでいただけだぞ。ミズギギャルとは響きがいいな。何故か心が踊る」


 パッカパッカと馬車での旅は進む。雑談を楽しみながら次の村…街か?に俺達は進んでいく。


「ふーむ…急いだ方がいいやもしれんな。雨が降りそうだ。 次の街まで持てばいいが…」

「あー…確かに天気悪いな…あー…お客さんだ。数は…1匹だな。 森から来るぞ」

「了解した。 本当便利だな」

「いいだろ。 まぁ…これに頼ってたら自分で気配読むとかしないから人としての成長考えると…一長一短だろうけどな」

「敵襲!森から…1匹! な!!まずいぞエリック!スッパイダーだ!」

「なんだと!! くっ! セイドリックはアリス嬢の護衛と…布で顔を覆っておけ! バルトは馬を諌める準備!ソーマ氏は…来るか? きついぞ?」

「「了解!」」

「行ってもいいのか? 何か強そうだけど…」

「強さは…まあ大丈夫だ」

「じゃあ…行くわ。あーちゃん大丈夫だから安心しててね」

「はぁーい。きをつけてねー」


 敵は1匹…なのに変態隊長達の慌てよう…ヤバイのか? 




「ぐっ…!あぁああ…くそ…ハメやがったな変態隊長!うげぇえ…げろろろろ」

「ふっ。 勉強不足だぞソーマ氏。 名前で気付くんだったな」

「ぐぞぉ…まさかこんなのだとは…くせぇええええ!!!」


 魔物の名前はスッパイダー…でっかい蜘蛛の魔物なんだけど…くせーのなんの!ワキガを物凄く強力な臭いにした感じ…おぼろろろろ…


「いいから…もう倒せよー」

「近付きたくない…からこうだ! 飛斬!!」


 ズブシュッ!!


「飛ぶ…斬撃!? ぐぁああ更に臭いぃぃいいい!!おぼろろろろ」

「ふっ。 魔物を吸収するのだろう? 我は先に馬車に戻ってるぞ」


 ぴゅーん


「あのやろう…逃げやがったな! うう…収納!!吸収! なんて…恐ろしい魔物なんだ…」


 俺は馬車に戻って変態隊長に文句を散々言ってふて寝した。


 

 パラパラパラ…サー…ザー


「あー…降ってきたな。どうすんの?」

「うーむ…無理して行くのもよくあるまい。野営の準備だな」

「街まで行けなかったか…んじゃ準備だな。ストーンウォール!!」


 ダンジョンで雑魚とはいえ結構な数の魔物を屠ってきた…今の俺の魔力なら…持つだろ!


「ほぉ…ストーンウォールで小屋を作るか」

「んなのいいから馬車入れろって。土だから脆いかもしれないから木で補強しとこう。木はよろしく」

「わかった。任せておけ」


 んで野営の準備。変態隊長は木を切りに。他のみんなは馬の世話などをした。


「ふー…屋根に木を敷き終わったし…これで大丈夫だろ。土魔法だから雨で崩れたら怖かったしな」


 今日はもうここで足止めか…まだ寝る時間でもないし…何しよう。


「あー…みんな…すごろくでもする?」

「あーちゃんするー」

「すごろく?」

「「なんすかそれ」」

「うんうん。あーちゃん可愛いねー。 サイコロ振って出た目によってボード…これね。を進んでいく遊び。んで、止まったマスの事をやる。 とかかな? マスの内容は自分達で書いてもいいしな。 あーちゃんはおにーちゃんが読んであげるねー。 で、やる?」


「「やるー」」



「ぐぬぬぬ…誰だここに止まったら鼻に豆入れるとか! 変態隊長か!」

「わ…我じゃないぞ! 我はマリアさんと10回言うと書いたのだ!!」

「俺っす!いやー楽しいっす」

「良い暇つぶしッス」

「あーちゃんねーおにくたべるのー」



 なんやかんや楽しく過ごす俺達。



「あー…雨止まないなー。後どれくらいで次の街なの?」

「ここからだと…後半日って所だな」

「なるほどねー。そうだ!変態隊長が使ってる変な壁?みたいなの教えてよ。攻撃や魔法雲散するやつ」

「む。 教えてできるような物でもないぞ」

「どんなのか知るだけでも違うじゃん?」

「ふむ…まぁいいだろう。あれは…魔闘気と言う」

「魔闘気…何それカッコいい…」

「魔力を身に纏って闘う…から名前が来たらしいのだが…最初に名前を付けた人に言ってくれ」

「魔力を纏うって…身体強化じゃねえの?後、武器に魔力を付与するみたいなやつ」


「身体強化は魔力を体の内側に作用させるが…魔闘気は外側だ。 それが攻撃を阻害し、魔力を雲散させる」

「外側ねぇ…何かいけそうだけどな」

「ははは。器用なソーマ氏には出来るかもしれんな。高ランク同士の戦いはその魔闘気の削り合いだな。魔闘気の出力を上回る攻撃ができない場合、攻撃して相手の纏う魔力を削り、魔闘気を使えない状態にしなければならない」

「バルトさんとセイクリッドさんはできないの? Cランクみたいだけど…確かBランクになるのに必須なんだよね?」

「俺らも使えるっすよ。 ただ、使用時間が規定に届いてないっす」

「規定?」

「魔闘気を使った状態で1時間…それがめっちゃキツイんすよ」

「ソーマ氏。 魔闘気は常に魔力を外側に放出してるのだよ。 身体強化、武器に纏わせる魔力などを考えると、何もせずに魔闘気を1時間は妥当なのだろう」


「はえー…わかったような…わからんような」


 魔闘気か…外に魔力を放出ねー… 攻撃を無効化できたら随分楽になるだろうな…頑張って使えるようになろう。


 んで、交代で見張りしながら夜が更けていった。



「晴れたー!!」

「うむ。 それでは進むとしようか」


 朝飯食って準備してパッカパッカと次の街に向かってく。


「んー…何か来るぞ! 数は3! 右からだ!」

「あれは…オークだな。」

「んじゃ俺達が殺るっす!」

「俺にも1匹くれ! 今夜はシャブシャブよ!」

「ソーマ氏今夜は街で一泊だぞ」


 バルトとセイクリッドで十分だろうが…初の魔物だ! しかも豚! ラーメン食いたいな…スキヤキ…生姜焼きもいいな… 人型の魔物なんだけど…もはや飯にしか見えない。 染まったな…この世界に!


「右のは貰うっす」

「真ん中のは俺が貰うッス」

「じゃあ俺が左のだな! 競争な!」


 そう言って駆け出す俺達。さー豚君! お前の相手は俺だぞ!


「ブフフフフ!!」

「なんて声で鳴くんだ…フッ!」


 先制の槍攻撃だ! 胴に突きを放つが分厚い肉に阻まれてあまり効いてるように見えない。 刃が折れてから変えてないからタダの打撃だしな!


「ブヒー! ブッフフ!ブッフフ!ブッブッブッ!」


 攻撃されたオークは怒りに任せて拳を振るってきたが…遅いな! しかし何て鳴き声だ!


「チェッチェケ!チェッチェケ!チェッチェッチェッ!教えてー!!ってかー!」


 オークの膝に槍で薙ぎ払う! ゴッ!!って音がしてオークの膝を破壊に成功!


「こっちは終わったっすよ」

「こっちもッス」


「あー!早いって! Cランクは伊達じゃないか!」


 ふー…俺が1番弱いってのはわかってる…だから一旦落ち着こう。 よし…昨日の夜に聞いた魔闘気を試すか…Bランクには成れなくてもタダ使うだけならできる…はずだ! 魔力を出して内側にが身体強化…


「ぁああ! 身体強化!!」


 そして! 外に放出が…魔闘気!!


「ぉぉおお!! 魔闘気!!」


 !! できた! できたが魔力の抜けて行くのが早い! これを1時間だって!?死ぬわ!


「ブフフー!」


 オークが殴ってくるが…受け止める!


「ぐっ! ははは…ちゃんとできてるじゃないか…んじゃ…死ねやぁあああ!!!」


 槍をオークの口にぶち込みオークを沈めた。


「ふー…何とか魔闘気を使えたが…消費がヤバイな」

「「お疲れっすー」」

「ソーマ氏。 流石自分で器用貧乏というだけあるな。 後は練度をあげて使用時間と魔力の放出量を自在にすればいい」

「うえぇ…先は長いなー」

「おにーちゃんかっこよかったよー」


 アリスがぴょんぴょん跳ねながら近づいてきた。


「そうだろーそうだろー。あーちゃんのおにーちゃんはね、世界で1番可愛い…いやこの宇宙全ての存在の中で1番可愛い…」

「いいからオークを回収して先に進むぞソーマ氏」


 ぐぬぬぬ! 変態隊長め!アリスの可愛さを称える邪魔をしてからに!


 オークを3体収納し、2体は吸収して1体はナビレットで解体した。 トンコツトンコツ!  

 それから魔物に出会う事もなく順調に進み俺達はシリデッカという街に着いた。 この街の名前だれが考えたんだよ…


「今日はシリデッカで1泊だ。先に宿を取ろう」

「あいよー。俺はあーちゃんと宿でのんびりするよ。疲れた」

「わかった。我らは宿の手配が済んだらギルドへ行ってくる」

「りょーかいっ」


 そして何にも起こる事なくシリデッカの街での滞在は終了し次の村へと進んでいく。別に街の人が尻がでかいとかはなかった。



 パッカパッカ…パッカパッカ…


「暇だ…暇すぎる…変態隊長…次の村までどれくらい?」 

「次の村までは1日だな…」

「1日かぁ…はぁ…暇だ…あーちゃん寝てるしなー…あ、寝顔天使だな。ふふふ」

「ホントに妹バカだなソーマ氏は…魔闘気の練習でもしていてはどうだ?」

「あー…そうしようかな。せっかく使えるの分かったんだし。やっとくか」


 んで練習して10分もしない内にダウン。 今の俺ではイザという時にしか使えないな…


「ぐでーん。…あーダルい…あっ…先の林に…2体何か居るぞ。今回俺パスね」

「仕方ないな。 バルト。先の林に2体。正体不明の敵だ」

「りょーかいっす。先行して見てくるっす」



「エリック。どうやら盗賊みたいっす。2人見張りで街道を見てるっすね」 

「ふむ。 組み易しと分かれば本隊に連絡し襲ってくるだろうな…どうするか…」

「んー…奇襲で全滅させた方がいいんじゃない? 帰りも通らなきゃなんないだろうし」

「そうだな…しかしな…ソーマ氏。人を殺した事は?」

「あれ? 俺も行かなきゃだめ? 人を殺した事は…ないな」

「ないか…我ら3人で盗賊を退治している間、ソーマ氏とアリス嬢だけになってしまう。その隙を狙われたら困るしな。バルトかセイクリッドをアリス嬢の護衛にしてソーマ氏がこちらに来るのが1番だ」


「あー…そっか。1番弱い俺が馬車に居たら…索敵あっても変態隊長達が居ない間を狙われると…俺じゃあアリスを守りながらじゃ戦えないしな…わかった…俺が行くよ」 

「いいのだな? セイクリッド。アリス嬢を頼んだぞ」

「お願いします。あーちゃんちょっとおにーちゃん行ってくるね?」

「了解ッス。ソーマ君任せとくッス」

「うー…わかったぁ…はやくかえってきてねー」


 ギュッとアリスを抱いてから出発する。 俺が居ない間はいつもあんな感じなんだろうか…寂しい思いはさせたくないが…金も稼がないといけないし…ままならんな。 


「では、見張りの2人から排除する。林から回り込んで奇襲だ」

「了解。1人は俺がやるっす」

「俺が…1人を殺る。バルトさんは捕縛でお願いします」

「無理しなくていいぞソーマ氏」

「そうっすよ」

「盗賊のアジトまで行くんだ…早いか遅いかの違いだろ? それに…いつか何かの都合で人を殺さなきゃいけない状況になった時…ためらって自分が死ぬ何て事なりたくないしな…経験したくはないが…しときたい」

「…わかった。 気をつけるのだぞ」


 俺とバルトさんが身を隠しながら先行し盗賊に近付いていく。


「じゃあ俺が左のやつを捕縛するっすからソーマ君は右のやつを」

「わかりました。 バルトさんが相手に接触した瞬間を狙っていきます」


 ふー…魔力を…隠して隠密状態で近付いていく…ニンニン! ふざけてないと…不安が押し寄せてくる。

 人を殺すのは…初めてだから緊張がすごい…ぶっ殺すぶっ殺す言いながらボコボコにした事はあるけど…実際はないからなー…


 っと…そろそろバルトさんが盗賊に接敵するな。ふー…行くぞ行くぞ行くぞ!!


「なんだお前!いつの間に現れやがった!」


 !! 今だ! 俺はもう1人の盗賊に背後から近寄り…ナイフで首を…


「死ね…」


 掻っ切った…


「アガァ…」


 血が吹き出し痙攣しながら盗賊は死んだ…





 俺は…初めて人を殺してしまった…





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