第19話
「変態隊長。ケーキって知ってる?」
「ケーキ?それは何だねソーマ氏」
「んー知らないか…美味い食べ物だよ。 お菓子?になるのかな?」
「ほぅ…砂糖菓子のような物かな?」
「菓子あるの? 頂戴頂戴」
「うむ。 贅沢品だが…1つくらいなら持ち出せるだろう。明日持ってこよう」
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「これだソーマ氏」
「これか…もぐ…うぇええええ!!ただの砂糖じゃねぇえか!!ぺっぺっ! 何てもの食わすんだ!殺す気か!」
「あぁ…高いのだぞ…ソーマ氏には上流階級の食べ物は合わないみたいだな」
「上流階級!? 上品じゃねーよゴミだよゴミ!!」
「ぬぬぬ!! そこまで言うなら我はケーキとか言うのを所望するぞ!」
「あー…成功したらね。アリスの誕生日に作って上げたいんだ」
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そんな感じで俺はアリスの誕生日に向けてケーキが作れるかチャレンジしようと思っている。誕生日がいつかわからないけど…作れるようになっとけばその日が来たら作るれるしね。ってな訳で材料調達だ。
「んー…牛乳が欲しいが…少量しか売ってないなーしかもたけーし」
「ぎゅーにゅーのむー」
「ん?飲みたいの? おっちゃん1瓶おくれー。 はいお金。 そうだおっちゃん。もっと欲しいんだけど作ってる所…絞ってる所? 知らない?」
「ほいよ。1瓶な。 あーこの街の西の端っこに牧場あるぜ。行ってみな」
「あーちゃんこぼさないように飲むんだよー。 おっちゃんあんがとね。行ってみるわ」
「こくこくこく…おいしーねー」
なでなでなで。なんでこの子はこんなに可愛いんだ…
「あーちゃんここからお馬さん乗るよー。 ちょっと高いから抱っこして乗ろうか。 すんませーん二人お願いしまーす。はいお金。」
「はぁーい。ぎゅぅうー」
馬車に乗って愛の逃避行…ではなく。西にあるという牧場へ。
パッカパッカッ…パッカパッカッ…
「ういー到着ーっと。結構遠いじゃないの…アリス寝ちゃったし…んで…あれ見間違いじゃないよな…」
西の牧場…? に来たんだけど…牛か? がクソでけーの。 地球の倍くらいあるよ…角とかすげーし!
「あれから…乳絞るのか…? 命懸けではなかろうか?値段が高いのに納得だわ」
牧場主はどこだー…あの建物かなー? 人居たし聞いてみよう。
「すいませーん。 ここの人ですよね? 乳が欲しいんですが売ってもらえないでしょうか?」
「ん? 客か? おうボウズ。俺がここの責任者だ。ガハハハ」
めっちゃマッスルな人が責任者だった…
「で、乳が欲しいんだったか? すぐに飲まないと腹壊すからあんま市場にだしてないからな。欲しい人は大体予約して手に入れてるんだ」
「へー。予約とかあったんですね。 今日もらえますかね?」
「あー…そうだな…ボウズお前手伝え。そしたらいいぞ」
「え? やった事ありませんよ?」
「いいからいいから」
そう言って牧場主はニヤニヤ笑ってた…んでさっきの牛…バトルホーンって言うらしいんだけど、そこにやってきた。
「んじゃボウズ。俺がコイツ抑えとくからその隙に乳を絞れ。ちびるんじゃねぇぞ?」
「は? え?」
「ほら!きたぞ! 抑えとくからしっかり絞れよ!」
「えぇえええ!!!?」
乳絞りって、のほほーんとやるもんじゃないの!? バトルホーンがドドドドドド!!って音立てながら突っ込んで来たよ! 闘牛か!!
ドゴォオオ!!
「ガハハハハ!今日も元気だなコイツは! ボウズ! 今のうちに乳絞れ!」
「おにーちゃーんがんばれー」
アンタの方が元気だよ!って言いたいがグッと我慢してバトルホーンの乳絞りへ!
牧場主は突進してきたやつを角を掴んでなぎ倒してた…あなた人ですか?やっぱりこの世界の人おかしい!!色々おかしいー!! おにーちゃん頑張るよー!死にませんようにー!!!
「ガハハハハ! しっかり絞れたみたいだな! んじゃ料金はこんなけだ。 また欲しかったらこいよ!一緒に絞ろうぜ!」
「あ…ありがとうございました…。はい…お金です…。入るときまた来ます…失礼します…」
色々と…ぐったりしました…何とか乳を手に入れたので…今度は卵だな…
帰りの馬車でアリス抱っこしてクンカクンカして癒されたよ…しっぽブンブンしてるから余計に可愛いのだ!
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「そうねー…卵なら…南の森に居るバ・カーダ鳥の卵が美味しいわよ」
「なんですかマリアさん。その頭の悪そうな名前の鳥は」
「私がつけたんじゃないから知らないわよ。 で、バ・カーダ鳥は殺しちゃだめよ?魔物じゃないのよ。それに鶏肉は美味しくないらしいわ。卵は美味しいんだけどねぇ」
「魔物じゃないのに南の森に居るんですね」
「それがねぇ…ゴブリンより強いのよ。 森の奥の方に居るんだけど油断しちゃだめよー?今のソーマ君なら大丈夫でしょけど」
「マリアさんのお墨付きが出れば安心して行けますよ。んじゃ行ってきます」
さっそく森に来たはいいけど…奥の方か…ゴブリンソルジャー以来だな。魔物回避しながら行くか。
「奥に来たけどどこだー? あ、ゴブリンの反応の近くに知らない反応が…ゴブリンソルジャーか?前から成長してるから…殺るか!吸収してやるわい!」
以前よりかなり強くなったと思うし…やってやんよ! 居た…うん。ゴブリン2匹とゴブリンソルジャーだな!
「ふふふふふふ!!我に秘策ありって所だな!!ちょっと準備タイム………よし。周りのゴブリンから消すか。石投げじゃああーいい!!」
「グギャ!」
「グブッ…」
「!!! ガァアアアアア!!!」
2匹は瞬殺した! さあかかってこい!
「こいやぼけぇえええ!!前とは違うんだよぉおおおお!!」
怒りの表情を浮かべゴブリンソルジャーが走ってくる!!
「ガァアアア!!……ガッ!?」
ひゅーん…
うん。…ピットフォールで落とし穴作ったんだ。 そしたらね…悲しい顔して落ちていったんだ…
「…なんかゴメンよゴブリンソルジャー…」
ドシュッ!!
落とし穴に落ちて目を回してる所をサクッと殺しました。
前の死闘はなんだったんだろう…
「んー…居ないなー…あっちの索敵の反応ある所に行ってみるか…あ、魔力草みっけ」
ゴブリンソルジャーを見つけては落とし穴に落として殺してを繰り返しマップに映るようにした。 全部落とし穴に落としたよ…みんな…とっても悲しい顔しながら落ちるんだ。
魔力草 : 魔素溜りにしか生えない草。
マジックポーションの材料。
このまま摂取してもわずかしか効果がない。
痺れ草 : 摂取すると麻痺させる草。
濃縮すると効果が上がる。
眠り草 : 摂取すると眠くなる。
燃やすと煙でも眠る。
結構いいもんゲットしました!!回収回収ー!!!
ウロウロしながら草を回収しつつ探索。そしてついに見つけた…見つけたが…
「でかいな…んー…どうやって卵ゲットしよう…」
バ・カーダ
年齢 1歳
特徴 バカ
「うん。鑑定結果なんだけど…名前の通りバカだな。バカなんだけど…どうやって巣から出すか…」
でかいダチョウを想像してもらえばいいだろうか…でもゴブリン倒すって言うから嘴とか爪とかすごい固いんだろうな…
「んー…バカか…バカならゴブリンと同じ手法でいってみるか。 採った眠り草を…ポイっとな」
バ・カーダ鳥の前に眠り草を投げる。
「あー…警戒しとるわ。 当たり前か。 めっちゃキョロキョロしてる…あ、食った…」
うん。 バカだった。草食系なんだろうけど…食うなよ…こいつ普通に痺れ草とか食いそうだな…何故全滅してないんだろう…
「あー…卵ゲットー。ごめんなー貰ってくぞ」
3つ程卵を回収し森を出る。うん。深く考えたら負けなやつだな。
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「んじゃオーブン作りますかなー。ストーンウォール!! よし…薪入れてっと…」
「んー…全然ダメだな…生地の膨らみがダメだ」
「生クリームできたけど…甘味が足りないな…」
思考錯誤する事数十回。何とかケーキが完成。制作工程は秘密だ!
「ケーキだけで…いいだろうか…ぬいぐるみとか作りたいな。ラビットの毛皮で作るか? うーん。」
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そんなこんなで日々が過ぎていき、ついにアリスの誕生日がやってきた。毎日鑑定してたんだな。
アトレイユ・ミュンスター
年齢 4歳
アリスの本名…俺だけが知ってればいい…。あ、ギルドの3人も知ってたわ!
「あーちゃん誕生日おめでとー」
「「おめでとー」」
「うー?」
ギルドの3人に変態隊長達を呼んでアリスの誕生日会だ。ダリスさんはすぐ帰るけどね。ギルドの仕事を受付嬢二人が抜けるといかんだろーって事でちょっとだけ参加だ。
「あーちゃん今日から4歳だよー」
「うー?あーちゃんさんさいだよー?」
「今日から1つ大きくなったんだ」
「あーちゃんよんさいー?」
「そうだよー4歳だよー」
「わーいよんさいー」
「んじゃ、みんな。食物あるし食ってなー。後でケーキもあるから少し腹に余裕持たせといてな」
「からあげは私のよ!マヨネーズも私のよ!」
とはマリアさん。どんだけ唐揚げ好きなんだ…
「ピザ美味しいーいくらでも食べれるー」
ぶっくぶくになるよタバサさん。
「酒が飲みたいな…」
おいダリスさんあんたこの後仕事だろ!
「ソーマ氏は料理が美味いな。知らない料理がいっぱいだ」
「「美味いッスー」」
とは変態隊長達…そろそろ2人の名前を出さないといけないだろうか…
「あーちゃんプレゼントだよ。ぬいぐるみ作ったんだ」
「おにーちゃんにーまりあおねえちゃんにたばさおねーちゃんにーだーちゃん。たいちょーたちもだー」
「あらあら…ほんと器用ね。手作りでぬいぐるみとか」
「可愛いー」
「俺もある…」
「我!我もあるぞ!」
「「俺もあるっす!」」
ワイワイ楽しんでケーキをついに出す!美味いとは思うけど…
「あーちゃん。ケーキだよー食べて食べて。この日の為に頑張ったんだ」
「わーおいしーねーおいしーねー」
「まぁ!美味しいわ!もっとよこしなさい!」
「本当美味しいー」
「美味いな…だが酒には合わんな…」
「これがケーキかソーマ氏。我のお菓子を捨てるぐらいだ…生半可な… んまぁああああああーーい!!」
「「美味いッスー!!」」
こうしてアリスの誕生日会を楽しく過ごしていく。
異世界に来てこんな事するなんて最初は思わなかったな…。
あんま人と関わり合いになるつもりもなかったんだけど…
こんなのも悪くない。
アリス。今日4歳になりました。




