第14話
「ほっ!」
「グギィ!」
相変わらず俺はゴブリンで特訓をしている。大体週に1回か2回のどちらかの頻度だ。南支部の受付嬢のマリアさんとタバサさんが休みの日にアリスと遊んでくれているからこの頻度なんだな。
プリチーアリスにあの二人もメロメロなのだ。
「っと。 次はどうすっかな。 合気道っぽい事をしてみよう。 んだば…こぉーい!ごぶっりぃいいいん!」
ガンなダムを呼び出しそうな掛け声で俺は石を投げる。 石最強!
「ギギー!!」
ゴブリンが腕を振り降ろして来たのを半歩体をずらして躱し、腕をとってゴブリンが振り降ろした腕を更に勢いを増して引っ張る! うん。説明むずいな! したらばゴブリンはそのままコロリと転ぶ…。そしたら俺は…
「十の字固めじゃぁああいい!!あれ?腕菱固めだっけ?…名前は知らん! 逝けゴブ太郎よ!」
そのまま俺はゴブ太郎の腕をポキッと折ってやる。グギャァアア!!とか言ってるが知らん。浄化されろ!
あ、浄化ってのは前に変態隊長と話した時のやつね。そう思うようにしてる。そしたらそんな気がしたしな。
「ふいー。今ので…ちょうど100匹か。そろそろ下の階層に降りてみようかな? 4層がホーンラビットでー…5層がナイフ持ってるゴブリンだったな。…刃物持ちだから油断したら死ぬな…。 あー…時間はーっと…昼か。っし、5層まで行くか!」
ドッタッドッタッ!
サクッと5階層へ。 ホーンラビットが5匹程出てきたが身体強化した石をぶん投げてから仕留めた。 アリス!今日はお肉よ! 毎日肉なんだけどね…犬種か狼種か分からないが肉大好きっこなのだ。
「っし。んじゃまぁ…殺りますか! ナイフ持ってるってもゴブリンだからナビレットのマップに映るようだな。 身体強化!! 石投げじゃぁああーーい!!」
グチャッ!!
「…ぉお…頭がミンチになっとる…良き来世になれよ。なむー。 んー。ゴブリンも強くなってると思うけど身体強化の石投げでは死ぬかー。 あ、ナイフ落ちてる…ボロいけどこれ売れんじゃね?」
そうと決まれば…石投げ祭りじゃあ! 投げ! 投げ! 投げ!
「ぬふふふふ…50匹殺って50本のナイフ。…何処の山賊だ俺は! 今日はこれくらいにして帰ろーっと」
んで、階層を上がって行く。ダンジョンの入口…あ、この場合出口か…を通ったら…
しゅぼーん。
「!! ナイフが消えた!!何故だ!!」
ナイフが消えましたとさ…何故だ!! わからん!
「だりえもーん!」
困った時のダリスさん。一応ギルドマスターだしね。ポンコツだけど。 相乗り馬車でパッカパッカして帰ってギルドに寄ったのだ。
「だれがだりえもんだ!!どうしたソーマ?」
「だりえも…あ、はい。なんでもないです」
睨まれた。怖いジャマイカ。
「そうそう。ダンジョンでゴブリンがナイフ持ってたんでぶっ殺して結構集めたんだけど、出口でナイフが全部消えたんですよー」
「あー…なるほどな。 ダンジョンの魔物が持ってる武器や防具はダンジョンから出ると煙のように消えるんだ」
「え? なんでですか? 魔物の素材…肉とかって消えないのに」
「知らん。 昔からそうだ。 だが、ダンジョンの宝箱などから得た物は消えない。 先に言っておくが何故かは知らん」
「はー。 そういうもんだと思っとけばいい。って事ですか…。 くそー!売って金持ち計画がいきなり破綻したー!」
「はははっ。残念だったな」
なんて話を聞いて帰宅。今日はタバサさんにアリスを見てもらってたのでお礼を言って夕飯に誘う。
今日は唐揚げだ! ホーンラビットの肉は熟成させるので収納からだして置いておく。 ナビレットの収納は時間が止まるいう便利機能なんだけど、熟成や発酵したかったら出しとかなければいけない。
他の人が使ってる収納袋は時間は止まらないらしい。 収納魔法使える人のは時間止まるらしいけどね。
「おいひーねー」
「そっかそっか。俺はあーちゃんの美味しそうに食べる姿見てたらお腹いっぱいだよー」
「あ、じゃあ私が唐揚げもらいますねー」
「食べるし!モリモリ食べるし!」
タバサさんが一緒に夕飯を食べてるから、幸せでお腹いっぱいってのができない!謀ったな!
「むー。 しかしこの唐揚げって美味しいよねー。油で揚げるって見たことなかったよ」
「そうなんですか?」
「油が高いからってのもあるかもだけど、焼く、煮るしか無かったからね。それでも美味しいし」
「あー。魔力含んだ魔物は美味しいって言いますもんね。」
「そうそうそれそれ。でも唐揚げ美味しいわー」
ってな会話しながら夕飯を食べて、タバサさんは帰っていった。
魔力含む魔物は美味いか…強くなったら色んなの狩りに行くのもいいな…あ、売ってるか!!
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
んで次の日。
俺は朝からギルドへ顔をだし、昨日タバサさんが帰った後に作ったフライドポテトを提供する。
「これは何かしら?」
「まぁまぁ、俺が作った料理ですよ。変な物じゃないんでどうぞみんなで食べてください」
マリアさんがこっち来い来いしてくるのでマリアさんにフライドポテトを渡す。
「あら…あらあら美味しいわー。これ良いわね。もっとあるのかしら?」
「はは。結構作ってるんでこれもどーぞ」
って言って渡してたら…
「ソーマ氏!我らにもそれを!なにやら美味しそうな物の予感!」
「「くれくれ!」」
変態隊長達がテーブル席の所に座ってるんだけど、フライドポテトの匂いに釣られたのか声をかけてきた。
「変態隊長達も欲しいんですか?仕方がない…ほい。 ってか働きに行けよ!」
「変態ではなぁあい! ふむ…これは! 美味いではないか!」
「「美味いぞー!」」
「うるさいっ! で、ここで何してんの?」
「それはだな、見守り…」
「そういうの言いから」
「むう…我々は街の外回りの仕事をしているのだが今日は良いのが無いのでコッソリ見守り隊の仕事を…」
「やっぱ変態じゃねーか!」
なんて一幕もありながらアリスと草原へ。
「きゃー」
ずばーん
「きゃーきゃー」
ずばにゅるーん
アリスが大はしゃぎでスライムを狩ってます。
んで一頻り終わった所で森に行き木を伐採。 金溜まったので収納を1000キロまでのに拡張したので多めに伐採。
「俺は! 風呂を作る!!」
ってな訳で帰宅して日曜大工。 ちなみに日曜ではない。
ギーコーギーコー…ズパッ
ギーコーギーコー…ズパッ
ゴブリン殺りまくってたので魔力の総量もそれなりに上がり、身体強化なども練度が上がってるので燃費が良くなってる。
「ふー…木を切ったはいいが…どこに風呂作ろうかな…家の真横にもう一部屋作る感じで小屋も作るか。」
まずは…土魔法で…外枠だけ作って…ぬぐぐぐ! あ、魔力足りん…
「ってな訳で1日経って再開中ー。続きで土魔法で外枠をー。っしできた。 内装は木でいくか? んー…足元だけスノコでいっか。 水が流れるように足元には傾斜つけてーっと…窓は…天窓タイプかな。紐で開け閉めできるようにしておこう。光源は光魔法でいいし…シャワーも欲しいから…上に桶っぽいの置いてお湯入れてー…レバー引いたらお湯流れるようにしとこうか」
あかん…物作りたーのすぃー!!
「風呂桶…んー…そうだ! 木を並べて…土魔法で木と木の間に隙間ができないようにしてーっと…お湯はー鉄パイプっぽいの買ってきてるのを…火魔法で…ぐーるぐる。バネみたいな形にして…これを…風呂桶の横に穴あけて繋げるーっと。
っし。 水漏れ無しかは後で調べようか。 魔導コンロで鉄パイプを熱して水温めるって感じーっで、終わりー!! 水入れてみよう…ウォーター!ウォーター!!…よし!水漏れなし!!!」
ぐふふふふ!念願の風呂完成なりー!さっそく水温めてっと風呂入るぜー!
「あーちゃん!お風呂はいるよー!おいでー!」
「うー?おふろー?」
「そっそっお風呂。布で体拭くだけだとばっちいからね。」
「うー?」
水浴びもしていたけど…風呂には勝てん!頭痒いとか…慣れるまで大変だったんだぞ…うぅ。
「はい。ざっばーん。あー温い…幸せ…」
「わー…ぬくいねー。つめたくないねー。」
「気持ちいいだろー?石鹸ないから…湯船の中でゴシゴシしようねー」
「ごしごしー」
石鹸も作らねば…唐揚げ作った後の油でチャレンジすっかな。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
「おいお前!仲間に加えてやるから俺達の荷物持ちしろよ!」
「そうだ!仲間に加えてやるからそうしろ!」
「私の荷物持たせてあげるわ」
ソーマです。絶賛絡まれ中です。ダンジョンに来て順番待ちしてたらどこぞのガキに…あ、俺より年上だと思う。に絡まれてます… やだー。めんどくさーい。
「はぁ…おかまいなくー」
「なんだと!仲間に加えてやるって言ってんだぞ!」
なんなんだこいつらは…俺のこない日にダンジョン潜り始めたやつらか?
金髪で短髪のやつがリーダーぽいやつで、茶髪の短髪のやつが…二番目に喋ってきたやつでー…金髪の髪の長いちょっとアホそうなワタクシとか言いそうな女… 最近この街に来た奴かな? なんでか知らんがこの街絡む人あんま居ないしな…ダン…最初に絡んで来た奴は多分ツンデレだっただけだし。男のツンデレはいらん!
「めんどくさ…あんたらの荷物持ちになる俺のメリットは? で、あんたら今何階層? 1日の収入は? 無理して下まで潜ってるタイプ?余裕を持って潜るタイプ? 俺の取り分は? 俺が年下で弱そうだから肉壁にしようってか? ん?どうなの?馬鹿なの?死ぬの?」
だんだんイラついてきたので最後の方挑発してしまった…短期は損気!
「なんだと!聞いて驚け!俺たちは10階層だぞ!」
「わーすごーいぱちぱちぱち…で、もういいかな?めんどくせーんだけど」
うわ…金髪のリーダーっぽい奴が顔真っ赤になって怒ってるわ…誰よ怒らせたの。
「ふざけやがって! ボコボコにして子分にしてやる!そしてお前は荷物持ちだ!」
「いや、収納袋買えよお前。ばかか?」
「買えるわけないだろ!メチャクチャ高いんだぞ! …違う!そうじゃない!こうなったら勝負だ!俺が勝ったら荷物持ちしろよ!」
「なにがこうなったら!だよ…後どんだけ荷物持ちほしーんだよ…しかも何故俺に絡むんだ…他の人は?」
「みんな断られた!」
「俺も断ったのに!!理不尽!!」
「だからなんとしてもお前を手に入れる! 行くぞ二人共!」
「告白に聞こえる! って3人がかりかよ! 待て待て待て!衛兵に連行されるぞ!戦うにしても…確認してこい」
「く!仕方ない!聞いてくるから待ってろ!逃げるなよ!」
5分後…
「いいって言ってたぞ!」
「なぜだ! 何故止めない衛兵よ! あっ!いつの間にか周りに人が! 賭けとかやってやがる!」
止めろよ衛兵よ!楽しそうに周りの人と一緒に見てんじゃねーよ!
「ソーマ!勝てよ!お前に賭けてんだからよ!」
はい、最初に絡んできたダンさん居ましたー何してんのあの人…
「はぁ…わかった。わかりまーしたっ。で、勝敗は? 殺し合いか? 気絶までか? 降参ありか? お前が勝ったら俺は荷物もち。 俺が勝ったら?」
「勝敗は気絶か降参だ! 殺し合いしたらお前が荷物持てないだろうが! 俺が勝ったらお前は俺達の荷物持ち!お前が勝ったらあきらめてやる!」
「どこのジャイアン!? あー…勝つ気満々だな…あーわかった!俺が勝ったら…お前らの持ち金全部もらう。装備はいらん。」
「わかった!それでいい!勝つのは俺達だからな!」
「へいへい。んじゃ3人がかりの卑怯者さん…」
相手の武器…金髪は木刀だ。見物客が投げてよこしたのだ。茶髪のやつは自前の大盾に木刀。女の方は…変わらんから…魔法使いか? 魔法だと死んじゃうかもしれないじゃん!ばか!
俺はカンフー映画よろしく自作の木の槍をクルクル回した後、槍を右の脇に入れ、左手は前。んで足を前後に大きく開いて左手で、くいっくいってした。んで、
「かかってこい!!」
はい決まったー!俺カッコいい!今の俺はイケメンフェイスだからな!どーよ!俺カッコいいだろ! チラリと目線だけ動かして周りを見る。 はい無反応ー!!
「行くぞ!」
そう言ってリーダーっぽいやつが走って俺に向かってくる。大盾持ったやつは女の魔法使い?…魔法使いにしておこう。を守ってる。 女はその内に詠唱してる。魔法使いだったな。 詠唱とか…かなりの威力の魔法使う気か?殺し合いじゃないのよバカー!
リーダーっぽい奴が上段から木刀を振り下ろす。 ゴブリンで散々見とるわいボケが!
「おらぁあ!!」
「ふっ!」
なんなく躱す俺。ゴブリンソルジャーより弱いなコイツ。10階層って言ってたけど…こんなもんなのか?
「よけんな!っらあ!」
「ほいっ」
なぎ払いをバックステップで躱す。リーダーっぽい奴を魔法使いの射線上にしてるから魔法使いも魔法が放てない。
「っく!ちょこまかと!」
「わーこわーい」
棒読みで挑発しつつ躱す。回避の練習にいいな。 んでまた上段からの振り降ろしをしようとしたので、振りかぶった時に相手の手に木の槍を添えてやる。 はははは!振り降ろせまい!たーのしー!
「ぐ!卑怯だぞ!」
「はぁ?何がだよ。頭沸いてんのかお前。3人で掛かって来てるのによく言えるな。イラッとしたからお前は最後にしてやるよ!」
イラッとした。短期はダメ!絶対に!先に大盾のやつやってやんよ!
身体強化をして速攻でリーダーを振り切り大盾の奴に迫る! 魔法使いは大盾の後ろに居るからなんもできない。居る意味あんの?あの女。
「おら!」
カツン!
槍で突いてガードさせる。 ガードさせてすぐに近寄り、大盾の上の淵を手で持ち手前に引っ張り、大盾の下部分を思いっきり蹴る! 大盾を持っていた手を支点にグリンと回る! もっとしっかり持っとけ!
大盾が茶髪君の足を直撃し呻いてる所を…顎に膝蹴り! 飛び膝げりだな!
「がっ!!」
「まず一人! どうした!3人だから油断したか!? 次はお前だ!」
そう言って女に駆けるが魔法を放たれた!
「ファイアボール!!」
「詠唱してそれかよ!!アクアボール!!」
ジュワ!
と音が鳴って水が火を打ち消しその場で散らばる。
「なによ!詠唱ないとか卑怯よ!ズルいわ!」
「はぁー!?初級で長々詠唱してるとか…お前よくダンジョンで死ななかったな! っとお前は締め落とす!」
「ひっ! お…おおお…女の子に手をだすつもり!?最低よ!」
「アホかお前。 それなら冒険者ならずに家で大人しくしとけや!!男だろうが女だろうが関係ねー!」
女だから手をだすな?馬鹿かコイツ。マジ頭沸いてんなこいつら。
女がワタワタしながら杖を振り降ろしてきたので難なく躱し、後ろへ回って首に腕を回し締め落として気絶させる。
ゴブリンとの特訓が生きてるな。 俺やったよゴブ太郎!
「!! 二人とも!! お前ぇええ!!」
リーダーが二人やられてプッツンしたのかこっちに向かって猛ダッシュ! 今度はダッシュからのなぎ払い!
これもバックステップで躱して…リーダーの木刀を振り切った手を槍で押してやる。 はい転けた!
「ぐわっ」
「転けたらすぐ起きろばかが! 魔物戦だったらすぐ死ぬぞお前!」
そう言って俺はリーダーの足を掴み…逆エビ固め!!これをする為に他の二人を先に倒したのだ!
「あ゛ぁあああ!!」
「ははは!痛かろう!関節技初めてかいお客さん! ほら!もっと痛くしてやろう!」
「あ゛ぁあああ…や゛…や゛め…」
「ギブ!?ギブすんの!? あ、ギブってわかんねー?降参か?って言ってんの!あー…これ本気でやったら背骨折れて死ぬからなー。」
「あ゛ぁぁあ…ご…こうさんだー!」
その言葉を聞いて俺はリーダーっぽいやつから離れて…勝利の演舞をする。
頭の上で槍をクルクル回して正面でもクルクル回して最後に戦う前にしていたポーズをして…
「この槍使いに勝るもの無し!」
とかキメ顔したら「槍使ってねーじゃねーか!」って声がチラホラ聞こえたが盛り上がったらしく歓声が上がった。
んで絡んで来た3バカから持ち金を回収した。1万マニしかなかった!少ないな!使った後だったか!!ちくしょう!
さて、アホな事があったけど…ダンジョン行きますか!って思ってたら声かけられた。リーダーっぽいやつだ。
「俺達の完敗だ」
でしょうね。ボコボコやん。
「負けたけど…名前教えてくれないか」
あれ?こいつ負けて丸くなった?俺と戦って悪意がなくなったか!おのれ魔物め!!
冗談は置いといて面倒臭いから俺はこう言ってやった。
「ふっ。名乗る程の者ではない。ちなみに俺の最高到達点は5層だ。」
3バカが「5層であれかよ…」とか言ってたけど。
名乗る程の者ではない…カッコつけたんじゃない…面倒臭かったんだ!
「ソーマー!お前やるじゃねーか! いやー儲けた儲けた!お前に賭けて正解だったぜー!」
とか前に絡んで来たダンが言いながら近寄ってきた。
名乗らなかったのに台無しだよコノヤロウ!!




