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第12話

 

 強くなろうと決めた翌日。俺は木を切っていた。

 いや、前にブランコ作るって言ったじゃん?


「ピットフォール!! ふぅ…自分で穴掘る事考えたら…ゾッとするな…この穴にさっき切った木を収納して…出す!重機いらず! さて…困ったぞ。支柱1本で木がなくなったぞオイ。 前切って回収できなかったやつ取りに行くか。 取りに行くだけだからアリス連れて行っても大丈夫だろ。 あーちゃんお外行くよー」

「おっそとっおっそとっ」

「天使草原に降臨! はっ! 可愛すぎてトリップしてたわ。異世界トリップならぬ溺愛トリップ」

「あーちゃんねーすらいむをねーばびゅーんってするのー」

「うんうん。美女と野獣ならぬ、天使と汚水ですね。わかります。 んじゃあーちゃん行くよー」

「はぁーい」



 そんな訳で草原に来て薬草採りつつアリスのスライム退治を見る。べちんべちん叩いてるなー。凶暴な女の子にならない様に注意しとかなくては。


 

 べちーん。にゅるーん。べちーん。にゅるーん。



 うん。すごい。スライムがゴミのようだぁああ。



「きゃーきゃー」



 べちーん。にゅるーん。べちーん。にゅるーん。



 憐れスライム…




「お兄ちゃんも負けないぞー。 しゅぅううううううっっっとぉおおお!!!」



 ナイスキック俺! スライム愛好会あったらぶっ飛ばされんな…




 んでんで、森まで行ってササッと木を回収し、自宅へ帰った。



「よし、続きでもやるかな。 アリスははしゃいで疲れて眠ったし今の内に完成させて驚かせてやろう」

 

 

 ギーゴーギーコー…時間かかるなー。

 ダリスさんが魔力を身に纏う?みたいな事やってたし…できないかな…よし。やってみよう。



「まずは…いつも魔力を練る感じで体全体にグルグルする感じで木を切ってみよう」



 ギーコーギーコー



「なんも変わらんな…んー。んー。 あー確か攻撃した時体の表面で槍が止まってたな…つーことは体から魔力?をだしたのか? ぐぬぬぬ…難しい…魔法使うとはまた違った感じだな…体の表面に魔力を行き渡らせる感じに! あー上手くいかん!」



 ギーコーギーコー



「1時間かけて…1分くらい前から体の表面に魔力を纏う事はできた…身体強化になるのか? 力の入り方とか全然違うな…燃費くそわりーけど…1分くらいでカラになりそうだわ…そして木全然切れてない…ノコギリ同じだから当たり前か!うかつっ!あーもう無理! 休憩じゃー!」



 身体強化?は何とかできた。俺すげくね!?高ランクの壁なんだろこれ! ここで器用貧乏が生きたか!…ん?覚えやすいが伸びにくいって事だよな? やだっ!一長一短! 地道にやればそこそこいけるか…たぶん。



「んで、30分程休憩した訳ですがー…ノコギリ切れない。魔力をノコギリまで伸ばすってのを休憩中に考えたわけで…今から為しまーす!一人で寂しいから声出して確認してまーす! んだば…はぁああああ!!!」



 はぁあ!って言った方ができる気がしたので言ってみた!はぁあああ!!



 ズムムムム!



「はぁああ!!おーいけるんじゃねー!?…あっ…」



 ここで俺は意識を失った。纏わせるのは燃費が悪い…体で悪かったのにノコギリにまでやったんだからぶっ倒れますな…



「…ーん。おにーちゃん」

「んん…んあ? 意識失ってたか…。 あーちゃん起こしに来てくれたのかなー?おにーちゃん寝ちゃってたよ」

「こんこんなるよー?めっだよー」

「ごめんごめん…あー。日が暮れかけてんな…よっし!あーちゃんご飯作ろっか。何食べたいー?」

「あーちゃんおにくたべるのー」

「そっかそっか。んー…昨日ゴブリンソルジャーだけで5万マニ入ったし…奮発すっかな。油買おう。 あーちゃん買い物行こうか。鳥さんのお肉買おうねー」

「わーいわーいおにくー」



 肉食女子アリス!何食べたいか聞くと、おにくーとしか言いません! 


 まぁ…なんでもいいよー。あ、んじゃラーメン行こうか。ラーメンいやー。んじゃー寿司行こうか。寿司はー先週食べたしー。とか言う子じゃないからいいけど!でも野菜も食べてねアリス!



 んで、肉と油を買ってきて調理の時間です。

 肉を切ってー小麦粉につけてー油にー…どぉおおおん!! 


 スッ…ジュワァアア!


 どぉおん!とかやったら火事になるわい!



 180度で二度揚げ!なんてやってない。だって魔導コンロ火が一定なんですもの。んでも二度揚げはしました。んだば実食!



「あーちゃん美味しいかい?」

「おいしーねー。もぐもぐ」

「そっかそっか。俺はあーちゃんの幸せそうな顔見るだけでお腹いっぱいだぞー?」

「たべないのー?もぐもぐ」

「食べるよー」


  

 食べるんかい!とかツッコミが欲しいがアリスにはまだ無理だ…そんなこんなで夜が更けていきましたとさ。






★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆





「ふぅ…完成だ…ふふふふ。 ちょっと自分で乗ってみよう。安全確認しないとな。」



 翌日ブランコを完成させた俺は久々にブランコに乗る。うん。いい感じだ。支柱も倒れないし無事完成!

 仕事に疲れきった大人が勝手にブランコに乗らないように気をつけねばな!

 よし!アリスを呼びにいっくぞー!



「あーちゃんおいでおいでーお兄ちゃんと楽しいことしよー」



 危ない人が聞いたら勘違いしそうなセリフだな…



「なーにー?」

「ブランコって物作ったんだ。一緒に遊ぼう」

「いくー」



「んじゃお兄ちゃんが先に乗るから、あーちゃん俺の膝の上に乗って、ロープ持っててな。どういう風に使うか一緒に体験だー」

「はーい。んしょ…んしょ。のったよー」

「しっかり捕まってろよー。…そーれっ!」

「きゃーきゃーすごーい」



 ふふふふふ。きゃーきゃー言って楽しんでくれてるなー。作ってよかったー!

 そうしてアリスと一緒に飽きるまで遊んだ。






☆★☆★☆★☆★☆★☆




 そうこうして1週間程たったが最近家で変わったことが起きた。



「なぁなぁ兄ちゃん今日も乗っていいかー?」

「あー…いいけどケガするなよ?後、ちゃんと交代するように。守らなかったら使わせないからな」

「わかった。 いいってよー」

「「わーい」」



 うん。近所の子がブランコ見つけて…遊びに来るようになったんだ。公園にブランコとかないのか?見たことないな…




 んで俺とアリスは草原で薬草狩りとスライム狩り。いやね…あんま日にちたってないのにアリスったら足が速くなってるんですわ…スライムしか狩ってないのに…俺自身なくすわぁ…元からないけど。




 そんな平和な日々を送り俺はダンジョンへとやってきた。階層は3階層だ。何も持ってないゴブリンで特訓中なのだ。



「ゴブー…」


「またつまらん物を切った…」


 とかやってゴブリンを狩ってる。魔力吸収しなきゃね。んでんで、家で身体強化とかの練習してたんだけど実践ではまだ使ってない。 それも今日試してみるのだ!



「ふー…んじゃ次のやつで試してみるかな。っとこっちに居るな」


 さっそく見つけたので身体強化からだ!練る練習したから少しは使用時間伸びたぞ!少しね…。石投げてこっちにこさそう…ポイっとな。 ごぉおお!!


「ギィイイ!!」


「うわ…めっちゃ怒ってる…。っし。身体強化実践だ!…はぁあ!!」


 石投げたらゴブリン怒ってるよ…短期は損気だぞ! 


「うらぁああ!!死ねぇええぼけぇええ!!」


「ゴブゥウウウウウウウウー……!!!」


 

 ぉお…身体強化すげーわ…ゴブリン突っ込んで来たから思いっきりなぎ払いしたら吹っ飛んでった…


「短期は損気だぞっ!」



 んじゃあ今度は槍に魔力を纏わせますか…まだ身体強化にしか使ってないから大丈夫だと思うけど…

 またゴブリン見つけたので石をポイっとな。 ごぉおおおお!!



「グギィイイ!!」


「っし!くらえや!!」


 ドシュッ!!


 失敗しました…ゴブリンは倒したんだけど…槍に魔力を纏う前に槍が当たった感じかな。素人だから槍に魔力を纏うまで時間かかるのを失念してたわ…先に身体強化しとくか…

 んじゃ次のゴブリンへ…見つけた。石をポイっとな。 ずごぉおおおお!!!



「ギャッ…」


「…身体強化して石投げたら…ゴブリン死んじゃった…。んん!もう1匹だもう1匹!」



 すぐさま次のゴブリンを探して石を投げる。 優しくね優しく。 ポイっとな。 ごぉおお!!



「ギィイイ!!」


「身体強化して投げなかったから怒るだけで済みましたっと。…はぁああ!!!」



 ドッ!!!



「ぉお…サクッと刺さったぞ…すげーな武器に魔力纏わせるの…サクッと魔力減ったけどな…今日は帰るか…」


 ダンジョンをササッと脱出して換金所でゴブリンの魔石を売却。安いちくしょう!パッカパッカと相乗り馬車へ乗って南ギルドへ行きアリスを受け取る。抱っこしてクンカクンカしました…あ、やべ、南支店の変態冒険者のが移ったか!?

 んで家に帰る。



「おおーい暗くなる前に帰れよー」

「「はーい」」


 すっかり近所の子供の遊び場になった我が家…他にも何か作ったろかな?



「あーちゃんマリアおねーちゃんとタバサおねーちゃんによくしてもらったかい?」

「んー。いっぱいなでなでしてもらったのー」

「そっかそっかよかったねー。なでなで」

「ダーちゃんにきらーいっていったらねーしゅんってしてたのー」

「そっかそっかーもっと言ってあげなさーい」



 とかなんとか言って仲つつまじく会話を楽しむ。憐れダリスさん。






☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆




「第335回マリアさんを見守り隊の集会を始める。静粛に」

「それでは新人のソーマ氏…挨拶を!」

「あー…いやー…どうもー」

「ごほん。緊張しているようなので私が代わりに。会員番号666番のソーマ氏だ。マリアさんとタバサさんの弟的ポジションを持っているうらやましーい人物だ」

「「うらやましいぞー」」



 俺はその晩に変態同好会に拉致られてしまった。 アリスが寝て少し時間がたった時玄関を叩く音がして出てみれば拉致られたのだ… なお家の前で不審人物がこないか警護してくれているらしい。

 お前らが不審人物だよ! あーちゃん起きて俺いなくて泣いてたら怒るぞ!ったく。



「あー…妹が寝てるんで抜け出して集会とか勘弁してほしーんですけど…まだ小さいんで…」

「ソーマ氏そこは抜かりは無いのだよ。家の前で会員番号680番が警備しているから安心したまえ。彼は自宅警備をして10年のベテランだ」

「会員増えてる!! そして不安しかねーよ!!それ何てニート!?」

「ニート? うむ。なんでも部屋を死守する事10年。何びと足りとも侵入を許してないと言っていたぞ」

「いやいやいやそれダメなヤツだからね!? 不安すぎてダメだ!帰る!あんたらがマリアさん達を大事にしてるように俺は妹がすげー大事なの!!」

「ややや…仕方あるまい…今日の所は顔合わせだけで良しとしよう」

「ちゃんと事前に俺に許可とってからにしてくれよ!妹泣いてたら許さねーからな!」

「それは…本当にすまなかった…この通りだ…。みんなも誤ってくれ!」

「「ごめんなさーい!」」


 みんなで頭を下げて謝る…変態だけど礼儀正しいとかどんなけだよ!変態紳士とか誰とくだよ!!

 そんな事よりダッシュで帰る。 ふーアリスは起きてなかったか…よかった。




 変態に目を付けられた俺はこの先不安になるのであった。まる。



 ちなみに会員番号680番の自宅警備のベテランさんはしっかり警備していた…あれ?マジ警備うめーのかこの人!?なんか敬礼とかしてきたし…はぁ…



 こうして俺の変な1日は終わった…もうやだぁあああ!!




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