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第11話


 ゴブリンソルジャーを何とか倒してシルバードの街へ帰還した俺はタバサさんに預かってもらったアリスを迎えに行く前にギルドへと向かった。 



「うんうんなるほど。ゴブリンソルジャーねぇ…よく生きて帰ってきたわ。でも…無理しちゃダメって前に言ったわよね?」

「いや…あの…気付いたら森の奥に行っちゃってて…ゴブリンソルジャーに見つかって…それで逃げられなくて…仕方なしに…」



 俺は今絶賛正座中だ。ギルドへ入るとズボンが切れているのをマリアさんに見られ、こっちこいこいとばかりに受付に行かされた…ダリスさんの所へ行く予定だったのに!



「はぁ…そうやって死んでいく人が何人いると思ってるのかしら? ソーマ君が死んだら悲しむ人が居るのよ? それにアリスちゃんはどうなるの?」

「…すいません…」

「今日は疲れてるだろうから明日の朝ギルドへ顔出しなさい。 今のソーマ君の実力見てあげるわ。…ダリスさんが。」



 少し離れた場所でダリスさんが「俺ぇ!?」とか言ってるが…仕事しろ! あ、人こないのか…南無ー。



 こうして俺はギルドから足を引きずりながら出た…正座で痺れてんだよ。

 ちなみにゴブリンソルジャーは5万マニだった。 耳でわかったらしい…他のゴブリンと合わせて10万マニ近く稼げたが…命かかってるから高いのか安いのかわかったもんじゃない。


 ギルドを出てすぐ。ギルドから出て来たやつらに俺は絡まれた。…絡まれたんだろう…きっと。



「待ちたまえ。君は…確か薬草王子…もといソーマ君だったね。マリアさんの事で話がある」

「!? なんですか? あれ?ギルドでいつもボケーっとしている人達ですよね?」

「失礼な! 我々はボーっとしているのではない。マリアさんを見ているのだ!」

「「うんうん」」



 …なんだこれ? 10人程のむさくるしい男に囲まれている俺…やだ怖い!



「な…なんなんですか? こんな事して!こんな事してたらマリアさんに嫌われますよ!」

「おっと落ち着きたまえ。君に手を上げようとかそういう事ではないよ。マリアさんやタバサちゃんが君を弟みたいに見ているのはよく知っているからね」

「…ならなんなんですか。帰りたいんですけど…」

「そうだな。私達の自己紹介をしようか。…お前ら!」

「「おう!!」」


 え?なに始まんの!?帰りたい!切実に!


「我ら」

「「マリアさんに!」」

「踏まれたい」

「「見下されたい!」」

「なじられたい」

「「殴られたい」」

「そんな我らの名前はー」

「「マリアさん見守り隊!」」



「見守ってねーよ!!欲望ダダ漏れだよ!見守り隊じゃなくてタダの変隊に変えろよ!」



 帰りたい。切実に…帰りたい…



「ふぅー。我々はマリアさんを見守り隊だ。しかしなじられたい。踏まれたいのも正直ある」

「あ、俺タバサちゃん見守り隊にも入ってるッス」

「あ、俺も俺もー」


「黙れ変態共め…」


「んん。 …そこでだ。君は最近マリアさんによく怒られているな? ハッキリ言おう。 羨ましいのだ!」

「「そうだそうだー羨ましいぞー」」


「やだ!真性の変態じゃないですか!」


「そこでだな。怒られるコツを伝授してもらいたいのだよ。見下してもらえるのも可だ」

「「そうだそうだー教えろ教えろー」」


「あんたら素で見下されてもおかしくねーよ!」


「そこで同士のソーマ君。教えてもらえないだろうか?」

「「しゃっすお願いしゃっす!」」


「同士じゃねぇよ! あー…たぶん願いの1つ叶うんじゃないかなー?」


「なにを…しているのかしら? なにを?しているのかしら?」



 ゴゴゴゴゴ!と聞こえそうな程のプレッシャーを撒き散らしながらマリアさんがやってきた…。そりゃギルドの目の前でこんなに騒いでたらなー…まてよ!これがやつらの狙いだと言うのか!? 最初に俺に話かけてきたやつ…震えてるが…たぶん歓喜で震えてんぞ! 



「あ…なんかの魔法か? 人がゴミの様に吹き飛んでく…。 あいつらめっちゃ笑顔やんけ…こわっ」

「はぁー。大丈夫?ソーマ君。最近大人しいと思ってたんだけど…はぁ。」

「大丈夫じゃないけど…大丈夫です。 大変ですね…マリアさん…。」

「あはは…なんであんな変態どもしかよってこないんだろ…ふぅ…。 あぁ、あいつら変態だけど実害ないから大丈夫よ。BランクやCランクの冒険者で腕はいいんだけど…はぁ。 じゃあソーマ君。気を付けて帰るのよ?」

「お騒がせしました…本当に…。」



 帰るか…帰ってアリスで癒されよう。そうしよう。



「ま…まつのだソーマ君…いや、ソーマ同士よ…」

「!! やめて!マジで勘弁して!」

「こ…これを…受け取ってほしい…ガクッ」


 

 帰ろうと思ってたら隊長らしき人が俺にカードらしきものを渡してきた…




 マリアを見守り隊

 会員番号 666

 備考 会員の皆様は集合をかけたら集合する事。




「いらねーよ!!番号も不吉だなオイ!!つか多いわ!!」




 家に帰ってアリスをもみくちゃにして癒された事は言うまでもあるまい。あー可愛いっ。タバサさんには今度なんか作ってお礼せねばな。







☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆




 次の日俺はアリスを連れてギルドへ。朝に来いって言ってたしな。



「おはよーございます」

「ござーます」

「おう。ソーマ来たか。アリスちゃんもよく来たな。 んじゃこっちだ。ついてこい。」


 ダリスさんに付いて行く俺達。着いた場所はギルドの裏の修練場。ここで型稽古や弓の練習などをするらしいが来たことはない。サッカーグラウンドくらいある。


「んじゃ、ソーマの武器は…槍か?俺は木刀でいくからお前は自分の得物でかかってこい」

「え? あぶないですよ。いくら実力差があるって言っても刃物だし。あーちゃんあっちのマリアおねーちゃんの所行っててねー」


 マリアさんも見に来てるのでアリスを預けておく。 


「いいからこい。心配いらん。ソーマの実力見るだけだしな。」

「はぁ。ケガしても文句言わないでくださいよ?」



 俺は槍でダリスさんを攻撃する。横からのなぎ払いだ。危ないからゆっくりね。



「おりゃ」



 !!え!?防御しようともしない!何してんのダリスさん!



 ゴッ!



「なっ! 当たって…ない!? 体から10cmくらいの所で槍が止まってる!」

「な? 大丈夫だろ?いいからドンドン打ち込んでこい。 本気でな。」

「ぐっ!知りませんよどうなっても!」



 俺は槍で突く払うを繰り返すが全て壁みたいな物に弾かれた…なんなんだ一体。



「それだけか?魔法使えるなら使っていいぞ。どうせ効かないしな。」

「はぁ…はぁ…くそ!ウィンドスワロー!」



 魔法を撃ち込むがそれも雲散する。 これは…ゴブリンソルジャーの時と同じ状況!?魔力の障壁か?



「風系の魔法か…威力は弱めだな。終わりか?」

「まだだ! ファイアスワロー!!」



 ダリスさんの腹に向けて火の魔法を撃つ! が、これも消える!なんなんだよ!



「くっそー!アクアボール!」


 これもダメか!


「ならこれだ!ピットフォール!」


 ダリスさんの足元に落とし穴を開けようとしたが…ダリスさんが足をトンッ!ってしたら魔力が雲散された。邪魔されたのか!?


「素晴らしいな…4属性も使えるのか…だが威力が致命的に低いな」


 ダリスさんが何か言ってるが関係ない!やれるだけやってやる!


「目くらましだ!!フラッシュ!!」


 ダリスさんの目の前で光るが効果があったように見えない…


「ダークカーテン!!!」


「ははっ…全属性使えるか…素晴らしい。素晴らしいが…ダメだな」


 くっそー!! 何にも効かないじゃないかよ!化物かよ!…とっておきだ!ゴブリンソルジャー倒して魔力吸収したから…いけるはず!



「炎の化身よ世界を越えその美しく気高き姿を現世に降臨せよ!」


 詠唱はもちろん適当だ!言ってる間に魔力を練る!残りの魔力全部ぶっこんでやる!ダメだダメだ言われたら悔しいじゃないか!


「その姿をもって怨敵を包み込みたまえ! 鳳凰の羽ばたき!」


 言ってって恥ずかしい詠唱ちゃん! 最後の言葉だけでいいんだけど魔力貯める時間必要なのよ!



「いっっけぇええええ!!! 火のぉおお鳥ぃぃいいいいい!!!」



 ぴるるるる!!って鳴いているような音を出しながら2m程の鳥が羽ばたきダリスさんに向かっていく! いや、イメージ鳳凰なんですけどね! うん!羽ばたいた時に炎の羽が飛び散る感じ…カッコいい! 

 ダリスさんは目を見開いて驚いておるわ!!あ…クラクラする…魔力カラだ…



 シュウゥウウ…




「うわ…これも雲散とか…どんだけたよ…あーもう無理…」






☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★




 俺の実力を見るために行われた模擬戦は…あれ?模擬戦か? 違うか…まぁどうでもいいか…それは全く攻撃を当てる事もできずに終わった。意識なくなったのね。

 んで、目が覚めました。 膝枕!かと思いきや訓練場の隅っこに寝かされているという悲しさ…



「あら。起きたかしら? ソーマ君全属性使えたのね。すごいじゃない。なかなかいないわよ。」

「うぅ…。あーボーっとする…。あーマリアさんおはようございます。仕事はいいんですか?全属性…珍しいんですかね?」


 アリスはマリアさんに抱えられて寝ている。おっぱい枕…


「ダリスさんやタバサの他にも職員は居るから少しくらい抜けてても大丈夫よ。全属性は珍しいけどある程度居るわね。 ただ…均等に魔法の修練する為か…何かに特化する事もない…器用貧乏って感じね。」

「あー…そうですね。分散するより1つを極めたほうがすごくなりますよね。飽き性なのが属性に現れたかな?はははー」

「1本に特化させた方がすごいわね。でも全属性は何にでも対応できる万能適正よ。弱点はないけど強みもない…使い方しだいね」

「でもダリスさんにかすりキズ1つつけれませんでしたよ。なんか壁みたいなので物理も魔法も防がれるし」

「あーあれね。あれは…ランク上げたらわかるわ。使えないと高ランクになれないしね。冒険者の一つの壁ね。」

「ランク上げてないんで何とも言えないですね」

「うふふ…それより、ソーマ君が魔力使いすぎて倒れた時アリスちゃんが飛び出していってダリスさんポカポカ叩いてたわよ。 可愛かったわー。 ダリスさんオロオロしてたしね」

「アリスが…心配させちゃったな…はぁ。ダメ兄ですね」

「うふふ…まぁ無理せずにコツコツね。焦ったらだめよ。」



 なんて事やそんな事、色々な話をしてギルドから帰った。 今日はのんびりしようかな。そうそう。アリスが起きてからビタっとくっついて離れないのだ…ったく。可愛いやつめ。



「あーちゃん大丈夫だよー。なでなで」

「やー。くっつくー」

「おっふ。…嬉しいじゃないか」

「だーちゃんおにーちゃんいじめるからきらーい」



 そう言って頭をグリグリ押し付けてくる。 マジ天使! ダーちゃん…ダリスさんか?きらいだって…目の前で聞かせてやろう…ふふふふふ。



 しかし…魔法雲散とか…物理効かないとか…どうなってんだよ…マリアさんが言うには高ランクだとできないとダメとかかんとか…

 魔力をどうにかしてるんだろうけど…身体強化?ではないのかな?魔力雲散とか関係なさそうだし…

 はー。あんなんいっぱいいるんだろうなー…悪い奴が使えたら…抗えないまま好きなようにされてしまう…




「強く…強くならなきゃな。」




 俺はもっと強くなる事を決意しこの日はアリスとたっぷり遊んだ。





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