第1話
ど素人の駄文です。生暖かい目で見てやってください。
パタン…
「フゥ…やるか…」
俺はノートパソコンを閉じ覚悟を決めた。最近流行りの異世界転生。俺はそれに全てをかける。
ネットで徹底的に調べた。トラック転生だ…これしかない。
車道に飛び出た子供を助ければ高確率で異世界転生できる…。高校を卒業して早12年!自宅を警備しない警備員を続け、食っちゃ寝食っちゃ寝繰り返し100キロ超す巨体…あぁもちろん童貞さ!
だがしかし!異世界に転生して子供からやり直せば…ハーレム!ハーレム!イケメン僕の考えた最強の魔法を地でいけるはずだ!
「いくぞっいくぞっブフフフ!」
さて。そうと決まれば車道に飛び出た子供を探さねば…テクテクテク。あぁ。てくてく鳴っている音は俺の脳内変換だ。リアルに聴こえるのはドスドスドスだ。ふふふ。すでに脳内は異世界でイケメンになるって決まってるのだからいいだろう?子供の頃はきっと天使のように可愛い俺。俺カッコいい。
ややや!?歩きはじめる事30分…車道に飛び出る子供がいるではないですか!まさかこんなに早く見つかるとは!神も俺に異世界に行けと言ってるのだろう!まってろそこの子供!今いくぞ!
ドッドッドッドッ!
「そこの子供!あぶなぁああいぶぅうう!」
俺は駆ける!さぁ!トラックよきたまえ!
ややや!?そこな子供!普通に歩道に戻っていきおって!しかもこっち見てツバ吐きやがった!デブがきたぁあ!だと?ふんっ!
仕方がない!少し成功率は下がると言われている単体でのトラックアタックへ変えるか。
待つこと5分。きたぞ…きたぞ!どでかいトラックが!
体が震える…怖いが…いくぞぉおお!
「うぉおおおおお!!!!」
パッパァアアアアア!!
トラックの目の前で飛び出した俺は…そこで意識を失った…
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俺の名は西城大樹。歳は34歳。絶賛ニートだ。ニート歴3年目に突入してしまった。
造船関係の仕事をしていたのだが人間関係に疲れてしまって会社を辞めた。そこからズルズルとニートライフを楽しんでいたんだが…いかんね。だんだん働く気がなくなってくる。
まぁそんなこんなで日が過ぎ今トラックに乗っている。なぜかって?イトコのお手伝いさ!たまーに働かないと金ももたんしな!
「やっぱ目線の高い車は気持ちいいねー」
事故は怖いがこのどでかい車に乗るのは気持ちいい。走るー走るーっと。
そんなこんなで走る事1時間。俺…ピンチです。急にデブが車道に飛び出してきました。速攻でクラクション鳴らしたけど…退きません。こっちはトラックです。スピード出ているのです。急には止まれないのです。飛び出したの撥ねてもこっちが悪いのです。クソ法律めが!!ってな事を一瞬で考えてたら…やりました…くそ!!
あれ?ドンっていう衝撃がこない?なぜ?っつぅかこの光はなんだ!?そして俺は謎の光に包まれ意識を失った。
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「はっ!人を撥ねたと思ったが夢か!助かったー」
「いいえ。夢ではありませんよ」
な…なんか聞こえるが無視だ。
「しかし車で撥ねるとか…撥ねた方の人生も終わりだよな」
「もしもし」
無視だ!
「正夢になったら嫌だし気をつけて運転せねば」
「西城大樹さん!!」
あー無視できんか…
「なんすか…ってここどこですかね?真っ白い景色に金髪美人のネーチャン。病院…ではなさそうだし」
「ここは神界。神の住まう世界です。美人ですか…ありがとうございます。」
あー…どっきりか?しかしこんな真っ白な空間…どう見てもおかしい。ってか美人に反応すんのね。
「で、女神様でいいんですかね?どうして俺はここに?人撥ねたから地獄行きですかね?」
「あまり動揺しないのですね?はい。女神アルテナと申します。どうしてここに来たのかはこれから説明いたします。それと地獄行きではありませんので安心してください」
「動揺は…んー。まだ夢なんじゃないかと思って動揺してないっつーかって所ですかね。あー説明お願いします」
とにかく聞かない事には何にもわからないしな。
「それでは説明しますね。昨今トラックに轢かれる方が多くなっているのはご存知でしょうか?地球の日本でトラックに轢かれたら異世界に転生できる。そう思ってトラック自殺される方が増えているのです」
「あー…って言うと俺の運転するトラックに飛び出てきたデブ…人はそのトラック転生ってのを狙って飛び出してきたって事ですか…」
「そういう事ですね」
おぉう…なんてこった。
「わかりました。でも撥ねた俺がここに居るのはなぜですか?」
「それはですね。運転手の方々が人を撥ねてしまった事により精神を壊して自殺する方が多いので神会議でトラック転生を狙って飛び出した方を地獄へ、撥ねてしまった方にはもう一度違う世界で違う人生を送ってみませんか?という事でこちらの神界にきてもらってるのです。」
「転生を断ったらどうなるんでしょう?」
「断った場合は撥ねる瞬間に戻りますのでオススメできません。殺人者となり仕事はできなくなり生きにくい人生を送る事になるでしょう」
あー…くそっ。戻っても最悪の人生しかまってないか…
「わかりました。転生の方向でお願いします。戻っても…牢獄生活になるだろうし…」
「はい。その方がいいでしょうね。それでは転生する特典を説明しますね。こちらをご覧下さい。」
これは…タブレットか?
「これはナビレットと言いまして、鑑定、収納、地図表示などの機能を有料で使う事ができます。ちなみにこのナビレットは登録者にしか見えませんので街中で使っても安心ですね。あ、空中にも浮かす事ができますよ。」
「有料かよ!!っとすいません…」
「すいません有料なんですよ…神会議で『最初からチートとか舐めプ一直線だよねー』って事でそういう風に決まりました」
なにしてんの他の神様!?転生してすぐ死んだらどうすんのよ!ってかナビレットって何なのよ!タブレットじゃん!空中に浮く他人に見えないタブレットじゃん!
「ま…まぁわかりました。しかし有料といいましたがどうやってお金を払うんですか?」
「このナビレットにお金をチャージするって念じながら押し込んでください。こんな風に」
おぉ!にゅいーんて吸い込まれていったぞ!つかあれは硬貨か?
「こんな感じでチャージしていってくださいね。ちなみに転生先では銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白銀貨があります。銅貨10枚で大銅貨という感じですね」
「わかりました。あっ。そういえば転生先ってどんな所なんでしょうか?」
「そうでした忘れてました…転生先は剣と魔法の中世ファンタジーな世界です。魔物あり、冒険あり。魔族ありの世界です。他の転生した方も似たりよったりな世界へ行ってますよ」
「魔物…魔族…ん?似たりよったり?」
「ええ。転生者の為に1000の世界を作って同じ世界に転生しないようにしています。」
「マジすか…まぁ…転生者揃ったらロクでもないことしそうですしね…チート使って世界征服とか。あ、チートは金いるのか」
「ウフフ♪世界征服してもいいんですよ。自由に生きてくださって結構ですので。」
うわぁ…世界征服ありなんだ…ってもする気ないけど。自由か…なにしよ?ハーレム?ないな。ぜってぇめんどくせぇ。剣のある世界だから世界一の剣豪…痛そうだしな…つか切られた死ぬわ!魔法か…適当に魔法覚えてぶらぶらすっかなー。
「それではそろそろ時間「まーつぶー!!」です…」
なんだ!?この豚のような鳴き声は!
「ちょっと待つぶー!転生するのはトラックに撥ねられた俺ぶー!異世界転生ケモ耳ハスハス♪イケメンチーレムは俺のもんぶー!」
「いいえ。あなたはトラックに飛び出し自分の都合で運転手を不幸にするので地獄行きが決まりました。さっき言いましたよね?」
「ふんっ!そんなの知らないぶー!さっさと俺を異世界に転生するぶー!転生する為にネットで調べてトラック転生選んで撥ねられた俺が転生できないとはおかしいぶー」
「ネットで煽った愚か者も亡くなったら地獄行きが決まってます。どれだけいらない仕事が増えた事か…」
あー…こいつ俺のトラックに突っ込んできたデブか…つかなんで居るの?こいつのせいで異世界転生か…ありがとうございます。お礼の言葉をかけなきゃな。こいつのおかげで魔法な世界へ行けるし…
「おいそこのデブ。俺が異世界満喫するから任せとけ。後死ぬなら首つりでもしとけやボケが!撥ねた人に迷惑かかんだろうが!トラック運転してた会社が潰れんぞ。マスゴミがあること無いこと書きまくるだろうしな。あー…俺お前のおかげで楽しそうな世界へ行けることになったんで、ありがとな」
「ふっ…ふざけるなぶー!撥ねられた俺が異世界へ行「では地獄へ行ってらっしゃいポチッとな」あぁあぁあああぁあああぁ」
女神様がポチっとなって言ってスイッチらしきものを押すとデブの足元にポッカリ穴が空いて吸い込まれて行った。あれで地獄行きか…こえぇぇええええ!!
「んんっ…それではあなたも転生しましょうか…ポチッとな」
「えぇええ!!なにそのついでみたいな感…あぁあぁああああああ!!」
「それではよい異世界ライフを」
こうして俺は異世界へと旅立った。
「あっ…年齢や容姿が変わる事言い忘れました。というか色々言うの忘れました…テへ☆」