破片×3 (Happy Birthday / 心臓 / 無題)
*Happy Birthday*
君の声のおだやかさ
君の眼差しのやさしさ
繋いだ手の温もり
確かめあう 心臓の音
君の誕生日 ありがとう
生まれて来てくれて
あげられるものは
何もないけど
君の誕生日 ありがとう
そこにいてくれて
*心臓*
心臓が冷たいから
君の手で暖めて
毛布とか
ココアとか
仔猫とか
そういうものじゃ暖まらない
君の体温が欲しいんだ
血が巡っている その体が
生きている証しが
その目で見つめて
その手で触れて
その腕で抱きしめて
君が幻じゃないと理解出来るまで
その髪に触れて
その頬に触れて
その唇に触れて
君の存在を確かめたい
そうしたらきっと
この冷たい心臓が
正しく 動き出すから
*無題*
声
指先
まなざし
息づかいは微かに煙草の匂い
あなたが持っているものすべて
私にちょうだい
私が持っているもの全部
あなたにあげるから
掠れた声で笑って
節くれた指を絡めて
見つめ合って
息がかかるくらいそばにいて
一緒にいられる時間は
ほんのわずかだから
ひとかけらも逃したくないの
Twitterに掲載した、詩らしきもの、3編収録。
1編ずつ投稿したかったのだけど、字数制限に引っかかりました。
1編ずつ投稿したら、タイトルは破片1、破片2……となっていたでしょう。