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ストーカー探し   作者: 甘百寧
序章
2/4

西野結衣

「ストーカーとは……ですか。ストーカーと聞くと怖さしか感じないですね。よく事件になったりもしますから。私が住んでいる地域にも何年か前に事件がありましたよ。小学生が誘拐されるって事件が。犯人はその小学生を毎日のようにつけていたらしいです。

 ――でも、私は思うんです。ストーカーを非現実的なことだとは思ってはいけない。誰でもストーカーになったりするんです。自分は絶対しないって思ってる人に限って……」



朝、俺は高校に通学していた。いつもどうり嫌な視線を感じながら…




「俺は最初、シスコンというものの意味がわからなかったんだ。だって妹を大切にしてなにが悪い。妹とは愛でるものだろ! 咲は俺の妹だ!愛でてなにが悪い!それを社会ではタブーのように扱うなんて……もうこの世界を壊すしか……」


「蓮斗……朝っぱらから何言ってるの?」


「あ、すまんすまん。自分の世界に入ってたわ……」


 俺が妹について熱く語っているとき、幼馴染みの西野結衣にしのゆいが冷たい目をして俺を見つめてきた。怖い……結衣のゴミを見るような目は一部の男子に熱狂的に愛されているのだ。



「蓮斗って咲ちゃんのことになるとテンションがすごく変わるよね…。ホントシスコンなんだから。…あと10日で咲ちゃんも退院だね」


 結衣はその長く綺麗な黒髪をなびかせながら言った。咲は階段から突き落とされ、隣町の病院に8日前から入院している。病院の先生は咲に18日間の入院を言い渡したのだ。中途半端なのは仕方ない。あの先生は適当にやってるだけだからな。


「あと10日もあるんだぞ! 10日も待てるわけないじゃねーか!しかもあのエセ医者め!!入院中の面会はご遠慮しますだと?ふざけるな!」


「落ち着いてよ…。あと10日なんだから。その間私が構ってあげるからさ♪」


「いや、いいっすよ。遠慮するわ」


「も~!!」


 毎朝駅に一緒に向かう。これが俺と結衣の日課だ。だが、その日課はいつ崩壊するかわからない。


 結衣はモテる。顔は幼馴染みの俺から見たらかなり可愛い。そして持ちまえの明るさから人気も高い。今は彼氏もいないがいずれは出来るだろう。そうなれば結衣は彼氏と一緒に行くだろう。


 そんなことを考えたらなにかこう…イライラするのだ。もしそんなことがあれば俺は自我を失うだろう

 ――胸の奥が黒い闇に覆われるような感覚…。

 その感覚はちゃくちゃくと俺の理性を蝕んでいた。


 




 そんなことを考えていると俺達は駅に着いた。



「じゃあね蓮斗♪ また明日~!」


 結衣と俺は通っている高校が違う。結衣の学校と俺の学校は違う方向にあるのだ。


「おう、またな」


 ――


 ――


 ……行った。

 朝からずっとだったのだが、俺は朝から毎日のように視線を感じている。たぶん、ストーカーの視線なんだろう。その視線は俺が女の子と二人っきりになるといつも生まれてくる。

 嫌悪感しか感じない視線…

 結衣と離れたことによりその視線も消えた。憎悪にかられたその視線を――









序章は1000文字程度。


本章は1500文字以上を予定しております。

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