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妾の十回目の転生人生録  作者: なか
9/10

変態は幼女に会った③



僕が夕食を作るのに悪戦苦闘しているとジェーンが手伝うと言い出した。


お母さんからの手紙には、料理や家事はできないと書いてあったし、7歳の幼女に僕だってそこまで期待してるわけじゃないから、断った。


台所は旧式で子供には使いにくい勝手になっているから、やめておこう、そう僕が言えば、


「お言葉ですが、神父さまが作るよりは早く、美味しく作る自信はあります。それにこれ以上神父さまが作ると、食べる物がなくなってしまいますよ。」

「いや、確かにそうだけど、幼…子供に刃物をもたす訳には…。」


するとジェーンは、僕の言葉を聞かず包丁を持って野菜を切り始めた。

普通の未婚男は、こういう子供が言うことを聞かないと苛々するんだろう。しかし僕は(幼女に限り)こんな我が儘も可愛くみえる。


大人に認めて欲しいんだよね。“もう私、お姉さんだからできるもん!”そう彼女に言ってほしい。ぜひ。

料理ができるとかじゃなくても、オトナの階段は他にあるのにね。そのうち僕が教えてあげるよ。楽しみだなぁ。



思ったより、いやずっと、ジェーンは料理が上手かった。

もし怪我でもしたら、治癒魔法を使おうと思っていたが、全く心配ない。背中を見ていると、何故か母親や祖母が料理をしてる姿を思い出した。そのくらい手慣れていた。

ジェーンのお母さんは、謙遜してたのだろうか。でもこんなに上手いなら、自慢してもいいと思うけど。



僕は、この教会に来て一週間、初めてまともな食事をした。


ジャガイモほくほくだー!!この肉美味しすぎる!!


ジェーンを誉めちぎると、照れた笑顔でも返ってくると思ったのだが、返事は冷たいものだった。

食卓が静まり返る。

おかしいな。こんな空気になるとは予想外だ…。



ジェーンという幼女は、普通の幼女とは違う、そう感じ始めた。

まず、僕に対してずっと敬語を使っている。家の躾がいいのかもしれないが、普通の7歳児ならそろそろ口調が幼くなるはずだ。

それに、言葉遣いも子供のものじゃあない。すごく丁寧で、大人と喋っている気分だ。

作ってくれた料理を見ても、大人向けの料理。栄養バランスもいいと思う。



こ、こんなことできる幼女なんて

もはや僕が好きな、『幼女』じゃない。





まるで、




嫁じゃないか!!!!



(…こ、これぞ、本当の幼妻…)


そう思うと、ニヤニヤしてしまう。僕、一生結婚はしないと決めていたけど、この子となら…!


そう思って、ジェーンの方に顔を向けると、彼女は妖艶な笑みを浮かべていた。


「ジェーン…?」


幼女ができるような表情じゃない。しかし、僕はそんな表情にすら興奮してしまう。

顔に出さないように、我慢していると


「何でしょう、神父さま。」

と、先ほどの表情とはうって変わって、凍えるような冷たい目で僕を見てきた。今まで、こんな冷たい視線を幼女から浴びたことはない…!

神学校時代は、同級生はもちろん先生からもビシビシ浴びていたが、それとは全く違う。むしろ快感だ。


…快感?

僕は、この子の冷たい視線、冷たい態度に快感を覚えているのか??



そう認識した途端、顔が赤くなるのを感じた。

食事もし終わったので、ジェーンにはお祈りをしてくる、と言ってから急いで教会に向かう。神の前に跪き、お祈りをしていると気持ちも鎮まってきた。



主よ、やはりこれは試練なのでしょうか。

今まで感じたことのない気持ちに戸惑っています。

幼女に冷たくされて、快感だなんて、僕は変態なのでしょうか…。

しかし、仮に変態だとしても、この気持ちは止められません。初めてなんです。

幼女と一線を越えていい、なんて思えるのは。

あの子となら、結婚してもいいとも思えます。

(ただ、15歳を超えたらどうなるかは解りませんが…)

主よ、もしこの僕の気持ちを応援してくれるのならば、証をください。

彼女を5分以内に、僕の元に遣わしてください。

そうすれば、僕は頑張れます。



僕は時間を数え始めた。

すると、10秒もしないうちに、裏口の門がゆっくりと開く音がした。まさか、と思いこっそりと目を開けて音がした方向を見てみる。



彼女だった。彼女は、僕の様子をそっと伺っている。



ああ、ああ!!!神さま!!

僕を応援してくださるんですね!!10秒でジェーンが来るなんて 、どんだけ応援してるんですか!!

そうと決まれば、もう遠慮はしません!!


あの、冷たくて大人な幼女を必ず僕は手に入れてみせる!!

そしてお風呂に一緒に入って、一緒のベッドで寝て、〇〇〇〇〇〇だってしてやる!!!


背中に向けられていた、彼女の蔑んだ視線がいつの間にか消えているのに気づいた。もっと見てくれていいのに。



これから彼女と僕の、愛に溢れた生活がはじまるのだ!!





変態編、おわりました(*^^*)

ある一言を言わせたくて、書かせていただきました。ww



次話は

20日に更新します!

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