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6話「男同士で秘密のオハナシ…?」

五人はシスター達の次の任務先へと向かいます。

その道中、若い女性達に囲まれたせいか銃吾ジュウゴはスッカリ舞い上がってるようで…。


ブウウ〜〜ン………。


ビィイイ~ン………。


静かな、のどかな景色が続く。


やや細い、曲がりくねった道路を一台のジープと一台のバイクが駆けてゆく。


「ここら辺の道は状態がいいんだな。」

銃吾ジュウゴは一人呟いた。

そしてチラッと後部座席をルームミラー越しに見る。


そこには不機嫌そうな顔で車窓から外を眺めている二人のシスターが乗っていた。


「なんで…私はこっちのクルマなんですか…。」

ムスッとした顔で早理華サリカが零すと。


「ジャンケン負けたからでしょ?」

「別にいいじゃん、バイクの後ろよりコッチの方が乗り心地はマシなんだからさ。」


そう、早理華サリカ聖姫キヨメは銃吾の運転するジープの後部座席に乗っていた。

久里亜クリア剣護ケンゴの駆るバイクの後ろ、タンデムシートに二人乗りしていたのだ。


ジープの後ろを走る剣護ケンゴのバイクが車速を上げてジープを追い抜いてゆく。


それは車線中央側の席にいた早理華サリカの目にバッチリ止まった。


何と久里亜クリアはニッコリ笑顔で剣護ケンゴの身体に後ろからベッタリとしがみついていた。


それも思い切り胸を彼の背中に押し付けて…。


(な、ななな…)

(何が?あれの何処が男苦手?)


キリキリと歯軋りする早理華サリカを横目に見る聖姫キヨメ

(あ〜あ、こりゃ泥沼かねえ?)

はあ~…と彼女はため息をついた。


そんな聖姫キヨメ銃吾ジュウゴは話しを振ってきた。

間がいいのか悪いのか…。


「なあ聖姫キヨメさん…だっけ?」


「何か用?」


「この辺りは道路やインフラがしっかりしてるんだな。」


「それがどうかした?」


「いや、メタルファントムのメタロイドが悪さしだしてからここまでインフラ整った地域はあまり見たこと無いから感心してんだ。」


「…ああ、そういう事。」


そうなのだ。

突如として出現し各地で被害を及ぼすメタロイドはメタルファントムという機械人の霊魂の憑依によって発生する。


人間を依り代にする場合もあれば他の生物、もしくは機械に取り憑く事もある。

そしてそれは現時点では全く予測がつかない。


なので出現場所でそれが駆除されたとしても今後の再発生を恐れて一般人も公的機関も誰も寄り付かなくなる。

そのため破壊された地域はそのままとなる場所か多いのだ。


そうなるとその場所までの道路も整備されず路面が荒れたままとなる。


それがこの地に来てからは道路があまりに綺麗な為、銃吾ジュウゴは疑問を持ったのだ。


「私達がここに派遣されてたのは組織の活動の一環てことさ。」


「キミらの…組織?」


ここで早理華サリカもこの会話に加わる。

「あまり詳しくは言えませんけど、私達のメタロイド狩りとインフラ整備は組織活動のセットになってるんです。」


「組織につい私達個人の判断では話せませんけど、私達の仕事は組織活動に組み込まれているという事です。」


「キミら…実際ナニモンなんだ?」


「まあ…機械の霊魂を祓うエクソシスト?」

「メタロイドの侵略から一般人を守る迎撃部隊ってとこかな?」


どちらもマトを得ている答えだった。

「まあそのうちわかるか、キミらに着いてけば。」


「ついてくるんですか?」

「お、下ろしてもらおうかなここらで(汗)!」


「何で嫌がるんだよ…。」

銃吾ジュウゴは傷付いた。


と、ここで先行するバイクの剣護ケンゴから手信号が。


「あ、ここで曲がれってか。」


ジープもそれに付いていった。


………その場所は道の駅だった。


「い、行ってきます!」

久里亜は慌ててヘルメットを脱ぐと建物へと入っていった。


「私もここで!」


「じゃ私も行っとこうかな?」


ジープからもシスター二人が同じ建物へと入っていった。


「まさか…アイツら…。」


「それ以上は言うな、銃吾ジュウゴ。」


「いつの間に近くに来てたんだ剣護(ケンゴ?)


久里亜クリア下ろしてからバイク乗ったままオマエのジープの隣に駐輪したからだ。」


「まあ飯でも食いながら話そうや、丁度あの三人もいない事だしな。」


剣護ケンゴからの意外な誘いを不思議に思った銃吾ジュウゴは彼の本心を考えてみた。

(まさか…アイツあの三人の中に本命でもいるのか?)

(んでもって標的が被らないように事前に打ち合わせするつもりか?)

銃吾ジュウゴは一人納得した。


男二人は道の駅の中へ入る。


中は薄暗い。

ただ、数か所照明が灯っていた。

フードコートらしき一画にも灯りがあり、ジュージューと調理する音や数人が舌鼓みを打ってる様子が見えた。


「どうやら飯は食えそうだな。」


「食券の券売機があるぞ?」


券売機には電気が通ってなかった。


剣護ケンゴは厨房に向かって声をかけた。

「すいませーん、券売機使えないんすけどー?」


すると、トコトコと中からウェイトレスらしき少女がやって来た。


「ゴメンナサイ、今ここは電気通ってる場所限られてまして。」

「ご注文なら私が伺います。」


「あ、いやまだメニュー見てないんだ、急がないから。」


「メニューはテーブルにあるので注文がお決まりになりましたら、こちらの鈴で呼び出して下さい。」

ウェイトレスはテーブルに置いてある鈴をチリンチリン♪と鳴らした。


「てことは、お勘定も?」


「はい、この鈴で。」


「わかりました、また呼びます。」


「かしこまりました。」

ペコッと頭を下げてからウェイトレスは厨房の方へ戻ってゆく。


厨房は年配のコックと若そうなコックが二人で切り盛りしてるようだ。


「かなり寂れてるっぽいけど食堂だけは維持してるらしいな。」


「取り敢えず注文すっか。」


二人はそれぞれラーメンとカレーライスを注文する。


剣護ケンゴはカレーライスを口に運びながら銃吾ジュウゴにこう聞いた。

「…で、あの二人を後席に置いてどんな話ししてたんだ?」


パッパッ、とラーメンに胡椒を振りかけながら銃吾ジュウゴはこう答えた。


「ほほう、やっぱりそのネタか。」

銃吾ジュウゴの顔はニヤニヤしていた。


完全に彼は剣護ケンゴがどのシスターを狙ってるか聞けると思い込んでいたのだった。






銃吾ジュウゴ剣護ケンゴから女の子の話しを持ちかけられたと思い込んでるようですが…?

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