表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/27

4話「現れたメタルファントム」

早理華サリカを吹き飛ばしたヤツの正体は…?

そして彼女らのピンチに剣護ケンゴ銃吾ジュウゴは…。


三人のシスターの視線の先にいたのは、

「ケッ、あの用心棒…コイツらも始末せんと何をやっとんじゃ…」


「あ、貴方さっきの金貸し?!」

久里亜クリアが驚きの声を挙げた。


「アンタさっき逃げ帰ったんじゃなかったのかよ?」

聖姫キヨメ早理華サリカから離れて前に出る。


「みんな気を付けて下さい、何かこの人おかしいです。」

早理華サリカはその男を睨み付けた。

「あなた、さっき何かの力を使いましたね?アレは何なんですか?」


「力…コレか?」

男がヒョイと腕を動かすと、再び突風が襲った。

「うっ?」「ぐっ」「んっ!」

三人は飛ばされないよう足を踏ん張って耐えた。


「普通の人間じゃない…さっきオメオメと逃げ帰った人とは別人みたいね。」


「別人?違うな。」

男は小瓶を出した。

「ちょいとコイツを飲んでたのさ」

「効果が出るまで少し時間がかかったもんでな。」


「効果?」


「そう…コレがその効果だ!」

男の身体が放電を始めた。


「いけない、離れて!」

久里亜クリアが叫ぶ。

三人は建物から離れる。


「アイツの狙いは私達、迂闊に孤児院に近付けば中の子供達が危険だわ!」

「そうだね先輩」


「でも、何故私達を?」


男は肉体が逞しく変化するや、無骨な装甲に覆われ始めた。


「な、何なのよソレは?」


『グブブブ…感じる、感じるぞ〜、素晴らしき力を!』


「嘘…身長が、1m50cm程度だったのに、ゆうに2 mはあるよアレ?」


『どうだ、驚いたかワシの変身!』


「はっ?悪趣味なそのミテクレに呆れただけだよバケモノ!」

聖姫キヨメは聖衣から鞭を取り出した。

「くらいな!」


ビシッ!

だがその鞭は分厚い装甲に弾かれた。

『ふん、そんなオモチャが効くと思ったか?』


「ならこれはどうです?」

久里亜クリアは聖水入りの試験管を修道服から取り出し投げつける。


パリン!シュアアア…

『…なんだコレは?』


「聖水が効かない…悪霊の類では無さそうですね。」


『オマエラの攻撃はこんなものか?』


「まだまだ…これならどう?」

早理華サリカが修道服のスカート部分のスリットから太腿を顕にすると、そこに仕込んでいたハンドガンを取り出す。

「ちょ、ちょっと早理華サリカ、それは流石に…」

聖姫キヨメが慌てて制止するが時遅し。


「喰らいなさい!」

パン、パンパンパアン!


ああ、撃ってしまった。


だが。


かゆい。』

早理華サリカのハンドガンから放たれた弾丸は男の胸板の装甲に当たり、潰れて落ちた。


「ウソ?少しもめり込んでないなんて?」


「霊的な聖水も物理的なハンドガンの弾丸も受けつけない…打つ手無しね。」


「冷静に分析してる場合かよ先輩?てかアタシの鞭を判断材料に入れてないのなんで?!」


「そんな事言ってる場合ですか聖姫キヨメさん?!」


ワチャワチャ喚いている三人めがけてビュオッ!と突風の塊が再び襲う。


しかし三人は読んでいたのかバック転してこれを躱す。


その瞬間、三人の白い生足がモロ見えになった。


特に早理華サリカは太腿にガンホルダーを装着していたから余計にセクシーに見えた。


それが見えたバケモノ?は顎を擦りながらいやらしそうにこう言った。

『フフン、良く見ると殺すには惜しい美貌だな。』


「何見てんのよエッチ!」

早理華サリカが憤慨した。


「落ち着け、コイツを倒せば見てたヤツはいなくなる。」


『笑わせるな!…それと。』

『見ていたのはワシだけじゃないぞ?』


「「へっ?」」

早理華サリカ聖姫キヨメは抜けた声で聞き返した。


「あの…早理華サリカちゃん、聖姫キヨメちゃん…」

申し訳無さそうに、それでいて涙ぐみながら久里亜クリアが二人へ話しかけた。

「その、見られちゃってたみたい、そのバケモノ以外にも…」

二人が久里亜クリアが指差す方を見ると。


「………。」「…………。」


なんと、離れた所から真っ赤な顔でコチラを見ている二人の男が。


「ち、違う見てない…というよりチラ見えしただけだ、ホンの一瞬だけな?」


「う、うむ…ワザとじゃないぞコレは事故だ!」


剣護ケンゴ銃吾ジュウゴは顔を逸らした。


「〜〜〜!!」

早理華サリカがハンドガンの銃口を二人に向けようとしたので聖姫キヨメは慌てて制止した。

「ば、バカバカ!生身の一般人撃っちゃダメだって、死んじゃうだろ?」


「殺しませんよ〜、アレが最後の光景となるように目を潰すだけです、二度と見れなくする為に!」


「お前、それマジで言ってるだろ?」


「待て待て、撃ち合いしたくてもまだ私は弾丸拾わねば…」

「おい、何で撃ち合いになる?」


「抜かせ、お前こそその剣であの女のハンドガンに対抗する気か?」

「だから何で戦う事になる!」


パンパン!と早理華サリカは空に向けて威嚇発砲した。

「あーうるさい!当てやしないわよ別に!」


「そ、そうか。」


「…て。それより!」

「そうだな」


剣護ケンゴ銃吾ジュウゴは三人に駆け寄ってきた。

「な、何ですか、やる気ですか?」

ファイティングポーズで久里亜クリアは身構えた。


「ド、どうどう、落ち着いて!」

聖姫キヨメは今度は久里亜クリアの方を制止した。


「なんかアンタ一番喧嘩っ早そうに見えたのに意外に苦労人みたいだな。」

剣護ケンゴは意外そうな目で聖姫キヨメを見た。


「そ、そんなんじゃないよ?ただこの二人が暴走気味なだけだよ!」

聖姫キヨメはちょっと照れたのかソッポを向いた。


『何だ仕事放り出しておいて今度は邪魔する気か?』


「その声…金くれた金貸しか。」

「すまんな、バケモノからの依頼と美人の窮地を見たら後者を取るのが普通だ。」


「言うじゃん。」

剣護ケンゴはニヤッとした。


二人は武器を構える。

「…お前、弾丸無かったんじゃ?」


「うむ…忘れてた。」

そそくさと銃吾ジュウゴは教会の中に隠れた。

「ではこの場をヨロシク。」


「…のヤロー!」


「仕方ない、援護お願いしますよ?」


「そっちこそ邪魔するなよ?」


「私達の生足見たんだから主導権はコッチが貰います!」


「ここでソレ持ち出すのかよ。」


『痴話喧嘩ならあの世でしろ!』


再び突風の塊を発射するバケモノ。


「おっと!」


ズサッと後方へ避ける剣護ケンゴ


「さっきから撃つばかりでロクに動かないな、テメェは図体と硬さしか取り柄が無さそうだな!」


『うるさい、自分の長所を利用してるだけだ!』


「だがその攻撃、これまで戦ってきたメタルファントムの中じゃ最低ラングだ!」


『何だとー?』


久里亜クリア剣護ケンゴの言い放った名前に反応した。

「メタルファントム…やはりそうでしたか。」


「メタルファントム?」

早理華サリカが聞き返した。


「メタルファントムとは機械人の霊が憑依し異形の機械生命体へと変わったモノ、悪霊の類とは違うから聖水では何も反応しないのよ。」


「ああ、早理華サリカはまだ知らなかっただろうけど実は私達は、ソイツらからみんなを守るための組織から派遣されたんだ。」


「組織?」

今度は剣護ケンゴ聖姫キヨメの言葉に反応した。


「そう、今こそ私達の本来の力を開放する時ですよ、二人とも。」


「ああ、早理華サリカもわかってるね?」


「あ、アレですか…!」

三人はすうっと深呼吸してから横に並ぶ。


「では…覚悟なさいメタルファントム!」


三人はロザリオを胸に当てた。

次の瞬間、三人のシスターの全身は光り輝いた。



メタルファントムというバケモノになった金貸し。

本来の力とやらを開放した三人のシスター達、そして剣護ケンゴはこれを撃退出来るのか?

…そして弾丸切れでコソコソ隠れた銃吾ジュウゴはどの面下げて四人に弁解する気なのか(笑)?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ