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強すぎるおねえちゃんと一緒!~立てば剣聖 振るうは魔剣 共に行くのは俺の姉~  作者: ランドリ
第三章 救国の新婚旅行・勇者の行進 ~奪われた空~
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【炎上国家】襲撃の姉

 道代わりに架かる橋を道しるべに、魔樹の森の木々をすり抜けるイーグルのコンテナに乗って、俺たちは次の国であるクレイドル目指して飛んでいる。


 狭いが上の開いたコンテナ内では、慣れてきた皆で好きなことをしている。

「乗ってるだけだから楽だ!偶にはこういう旅行も良いね!」

 楽天エルフはまだ残っていたらしい魔樹の新芽を咥え、コンテナの内側に寄りかかって両手を頭の後ろにやり、ほとんどが魔樹の枝にさえぎられた空を見つめている。


 おねえちゃんはイーグルに勧められた、しみゅれーたーとやらで、ローズと一緒に機械槍の射撃訓練に熱中していて、次々と新しい内容を突破して首を後ろに曲げてコンテナの壁にしみゅれーたーを映しているイーグルを驚かせている。

 □またハイスコア更新だ! 凄い二人だ□

 俺を含めて他の二人はその様子を見ていて、映されている本物の町そっくりな場所に出てくるターゲットを弾の入ってない機械槍で次々と撃ち抜いていく様は本当に戦っているみたいだ。


 そんな調子で順調にクレイドルに向かっていたんだが、急にイーグルが警告の声を上げて前を向く。


 □巨大な熱源を探知! これは……広範囲が燃えています! □


「……ドラゴンだね。高く上がって! こちらに引き付けるよ!! 面白くなってきた!!! 」

 専門家のアルテが黒い弓に弦を繋げてイーグルに言うと、おねえちゃんも頷き許可を出す。

 三人で魔導鎧の起動を開始する。

 □行くよ! 気をつけて! □

 大きなカゴを背負った銀の鳥は俺達が落ちないように、螺旋状の飛行で魔樹の森の天を覆う葉っぱと枝製の厚いカーテンを抜け、空高く舞い上がった!


 森の上から見える地平は緑で覆われていて、もう元の位置は判らず、目印としては遠くに湖のオーヴァシーと、少し先に巨大な黒煙が判別できるだけだ。

 急に空を飛び出した銀の鳥に挑みかかるモノが黒煙から次々と飛び出してくる。


「ギャオウ! 」

 それらは翼を含めると7メトル程で大きい!


 頭部から小さな白い角を二本生やし、黄色い目をランランと丸くしていて、全身には赤い鱗を身に纏い翼を忙しく動かす龍の雛、ドラゴンパピーだ!


 こちらへ翼をバタつかせて近づきながら、燃え盛る液を次々と吐きかけてくる。 タダの唾に見えるが、実質はドラゴンブレスの連発だ!


 □こんな攻撃は当たってあげれないよ!□


 それをイーグルは明らかにハンデな魔導鎧起動中の俺達を乗せて軽々と回避していく、と矢を番えたアルテがギュルリと弓を引き絞る。


『行け』

「ギャアッ!」

 発動句と共に撃ち放たれた矢は、龍の目に吸い込まれて反対の目から飛び出し、アルテの指先が宙を撫でると次の犠牲者へ突き刺さる。


『爆ぜよ』

「ゴアァッ!」

 再びの発動句に突き刺さった矢が輝き炸裂して一射で二体の子龍が緑の海に沈んでいく。


「ドロップは良いからどんどん撃ち落とすよ! アテナの撃墜祭りみたいだな!! ここにはシールド君が居ないから祭りどころじゃないけど!!!」


 流石はドラゴンキラー、狩り慣れているなんてレベルじゃない!

 こちらもドラゴンに慣れているエテルナは、コンテナに足をかけると一言添えて飛び降りる。


「手負いは危険だから、とどめを刺してくるのだ」


 俺達の魔導鎧の起動が終了してアクティブになったのでエテルナと共に飛び立つと黒煙から次々とドラゴンパピーが突っ込んでくる。


「常識として知ってはいるけど、本当に何も考えずに突っ込んでくるわね!」


 ローズが文句を言いながらも、撃ち放つ機械槍は正確で容赦がない。

 次々に両目の弾けたドラゴンパピーを量産していて、龍の流星群に森の木々が倒壊していって、目の見えないパピーたちがルール無用のデスマッチを繰り広げるリングが出来てしまった。


 そんなリングの中で暴れまわるのが、勇者の額当ての身体強化で光り輝くおねえちゃんで、蒼い剣の斬撃の激流を一つの剣のように扱い、盲目のパピーの首を刎ねたと思えば盲撃ちのブレスを切り払い、反撃に魔樹ごと両断して討ち取っていく。


 激しい戦闘に森の上である此処にまで樹液の甘い匂いが届くが、それを楽しむ時間は無い。


 俺は黒いジャベリンレインの消耗が激しいのが分かっているので、温存してユラユラと飛び回り、パピーの気を引く事で圧力を減らしてアシストだ。

 しつこく迫って接近戦を挑んでくるパピーにはナイフを振り回して掠らせる事で追撃を発生させて威嚇、怯ませて動きを止めることで狙撃の的を作成する。


 ベクターは全体を把握して、今までは用が無かった魔導鎧の搭載無線機越しに戦況を知らせてくれる。


 =こちら ベクター、パピーは減ってきたけど大物が来るから、気を付けるんだよ!


 新たに黒煙からこちらに向かって来るのは、今までとは格の違う本物のドラゴン!

 パピーとは違って角は禍々しく捻じれ、黄色い眼は鋭くこちらを観察している。

 その鱗の一枚一枚が硬質に輝いていて、まるで全身に小楯を張り付けたみたいだ!

 翼の動かし方もパピーがバタついていたのとは違い、羽ばたきが空気を掴んでいて、洗練されて優雅に感じる。

 これがドラゴン……人間から空を奪った生き物。


「ギャアアア!ガァッ!」

 真のドラゴンとの戦いはドラゴンの先制ブレスから始まった。


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