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強すぎるおねえちゃんと一緒!~立てば剣聖 振るうは魔剣 共に行くのは俺の姉~  作者: ランドリ
第三章 救国の新婚旅行・勇者の行進 ~奪われた空~
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【証拠隠滅】商船の姉

 波に少し揺れる船内に植木まで有る中庭が整備されていて、それを眺めることが出来る部屋で俺達は寛いでいる。

 

 イーグルが着陸したのはその中庭だったみたいで、今は散策したりこちらをのぞき込んだりして自由にしている。

 あんなに大きなお客様に他の客は大丈夫なのかと思ったら、花の騎士の効力が発揮されて、この中庭の一角が貸し切りになっているらしい。

 

 中庭の反対側は船からせり出したベランダになっていて、そこから見える湖がオレンジの夕日に美しく照らされて、魔樹に覆われていない為か久し振りの赤黒くない夕日に安心感を覚える。

 

 ベランダには椅子と背の低い机が備え付けられていて、椅子に座る才女は相変わらず金の髪を紐で縛りデザインノートに湖をスケッチしていて、おねえちゃんも顔を肩に乗せ桃の髪を絡ませて眺めているので、備え付けの茶を淹れドライフルーツを山盛りにされている皿と共に木の板に乗せて、それを手土産に俺も見物に行く。


「お茶とドライフルーツ持ってきたけど要る?」

「ありがとう、そこの机に置いておいて」

「ありがとう~クロ!貰うよ~」


 ベランダにある背の低い机に板から下したお茶とドライフルーツ山盛り皿を置くと、おねえちゃんがドライフルーツをひょいひょい摘まんでは自分とローズの口に入れるので、脇に板を挟んだ俺も描くのを眺めながら茶を飲む。


 何だか高そうなお茶だったのでベクターに途中で聞いた、茶葉を蒸すという手法を取り入れてみたけど簡易茶との違いはあまりわからない。

 どこかで失敗したのかもしれない、待ち時間が短かったかな?


 オーヴァシーはマダイジュと印象の違う国だ。


 木製の橋に木製の船、今までと同じ木製ばかりだけど降り注ぐ太陽の光のお陰で印象が全く違う。


 湖のお陰で魔樹の森に在って、魔樹の影から切り離された場所なんだ。



 輝く水面を書き切ったローズがノートを閉じて俺たちを見回し笑う。

「悪くないわ、良い旅路ね!」


「色々な所に行けて楽しいね~!」

「海外旅行が出来てるね、おねえちゃん」

この旅路には満足しているので一緒になって笑っていると、部屋の魔道具から俺たちに提案が出される。


=勇者一行の皆様方、商店船に来てもらったので良ければお買い物をどうぞ。


 顔を見合わせて中庭に出ると、先に出ていたアルテたちと合流して、折角なので来てもらったという商店船とやらの様子を見に行く。


 俺達が乗船した時の浮き橋の先は大きな橋では無く、巨大な看板のついた大きな船に変わっていて余りの景色の変化に驚いてしまう。


「いらっしゃいませ!当店では買取も承っておりますのでお気軽にどうぞ!」

 橋のすぐ近くに待っていた女性店員の言葉に才女がニヤリと笑う。


「こういうものが有るのだけど、いくら出す?」

「これは…!」

 ダンジョンブレイクした時の宝石だ!

 店員さんの反応は悪くないけど、どの位になるものなのだろうか?


「この場では判断しかねるので、お預かりして鑑定させていただいてもよろしいでしょうか?」

「急いでもいないし、この国に滞在中は構わないわ」

 頭を下げると宝石を抱えた店員さんは下がっていった。


「物凄い大きさの宝石だよ!?」

「あの大きさの宝石だから、大型魔道具のコアレベルよ?いい値段になるはずだわ」


 ベクターの反応にニコリと返すローズに楽天エルフが俯き、笑いを押し殺している。


「何か面白いものがないか見て来るよ」

 ちょっと俺は居た堪れなくなってしまったので、一声掛けて店内に向かうおねえちゃんを追うと笑いを漏らす楽天エルフもついてきた。

「クク……!流石の僕も黙ってるけど、面の皮が厚いと言うか……」


 もう過ぎてしまったものは仕方ないけど、帝国内で悪事を働いた後、まさかの帝国影騎士の加入に目前での証拠隠滅を笑ってするローズは流石だ。


「う〜ん、どれが良いかな?」

 おねえちゃんは机の上に並べられた大きな木の皿を見比べて唸っている。

 近づいて皿に巻かれている値札を見ると皿1つに銅貨10枚とあって、パン一つで銅貨1枚なので中々のお値段だけど、どれも丈夫そうな厚い作りで旅の供に良さそうだ。


 最近、金銭感覚の吹き飛ぶ話ばかりなのでほっこりしていると後ろから来たローズに窘められる。


「常識だけど銅貨10枚はガルト王国市民の日給よ。ほっこりするような値段では無いと思うけど?」

 才女のジョーシキ語りに愕然とする俺の金銭感覚はもうボロボロだった。

初日から金貨を得て、次の日には全額使い切っていたし金庫番はローズに任せておいたほうが良さそうだ。


「縋るような顔をしない!戦士として在るにはお金が要るのも常識よ。だから稼げば良いわ!」

才女の金銭感覚も、怪しいかもしれない……。


戦士とは……ジョーシキとは……。


「全員分買えば良いかな~?」

 おねえちゃん!?

「大皿は1枚で良いんだよ?」

 ベクターは俺たちの財布の救世主だったのかもしれない。

 もう少し、お茶の道具を増やして歓待しよう。


 色々と購入して、俺達の買い物は結局、金貨払いになった。


大きな船を持ってるだけあって商売上手だ!


 商店船から橋を渡ればすぐに宿、船で作られた国ならではの歓迎を楽しみながら俺達は宿に帰る。

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