君に私の降り積もる、
記憶のなかの君はいつだってしんとしている
生きているのにしんとしている
水鏡のような瞳を返す、漣ひとつなさげな君の
心が燃える瞬間がどこにあるのか知りたかった。
私の言葉の君に降り積もる、そんな瞬間を探してみたり、期待をしてみたり、愚かに忙しいこと。
私が死んで、もう物言わぬなにかになって、そしたら君は。
死んでしまうということは、
君を見つめられないことであり、君と話せないことであり、君に忘れられることであり
死の形は無数にあるのだろうと思い至る。
私はだから、君への想いをのみこんでいる
君にどんな影をなげるだろうと、おもうこともあるけれど
死んでしまって、たとえば土になり、君の涙でも染み込んだなら、多分幸せにはなれるよ。