[第2話]民主政治の始り
登場人物
天神和輝・・・某高校2年生
マナ・・・超毒舌の、不思議生物
フェリシア・・・どこぞの国の女王
マリナ・・・どこぞの国の為政者
マナ「はい皆さんこんにちは!今日も元気に公民解説のお時間なのですよ!」
和輝「司会者の天神和輝です!」
マナ「さてさて、今日のお題は何なのです?」
和輝「えーと、今日は……民主政治か」
マナ「はい、徴発者決定!本日の補修者はどこぞの暴君フェリシアさんとマリナさんなのですよ♪」
フェリシア&マリナ「「意義あり!」」
和輝&マナ「「却下」」
マナ「いやいや!何で私たち補修受けなきゃいけないんですか!?」
フェリシア「私たち普通に善政敷いてますわよ!?」
和輝「ほぉ?じゃあ国家の3要件言ってみ?まずはマリナから」
マリナ「何当然のこと聞いてるんですか?財力権力軍事力に決まっているでしょう!」
和輝「……はい、フェリシア」
フェリシア「当然ながら忠誠心と技術力に決まっていますわ!」
和輝「……お二人さん、その心は?」
マリナ「え?財力権力軍事力揃えば大抵のことは上手くいきますよ?」
フェリシア「忠誠心と技術力さえあれば何でもできますわよ?」
マナ「というようなことを平気で考えているから狂王だのまな板だの言われるのですよー♪」
マリナ「まな板は関係ありませんよね!?てかそんなこといってるやつは斬首じゃぁ!」
和輝「アホな法律作りに行く前に、補修受けような?」
マリナ「ぐ、ぐぅぅ……は、離れない……」
マナ「さてと対脱走者用の拘束も終わったところで本題なのですよ!」
和輝「まずは中世の支配体制から!中世より前の世界では、王や皇帝はなぜ支配権を得ることができたのか、はいフェリシア」
フェリシア「簡単ですわ。神の御名において支配をお任せになられたからですわよね?」
和輝「正解。さすが頭が中世のポンコツは回答が速い」
フェリシア「どういう意味ですの!?」
和輝「さて、さっき言っていたように、神によって支配権を得たといつ考えかたを王権神授説と言います。ホッブズとかいうフランスの学者が『万人の万人による闘争』を避けるために、この説を正当化したんだ」
マナ「王権は神から得たのだから、王の言葉は神の言葉に等しいと考える人間はいつになっても愚かなのですよー♪」
和輝「うん、そう言いながらさらりとマンガ読み始めるのは止めてね?」
マナ「……チッ。バレたのです」
和輝「さて、王権神授説が発展して国王至上主義、即ち絶対王政になったわけだけど。この時の支配体制は何?はい、これはマリナ」
マリナ「確か……市民階級、でしたっけ?」
和輝「はい正解。さすがここら辺はよく分かってるなー」
マナ「市民階級、別名ブルジョワジーによってどこぞの狂王のように気分で処刑できたりしたのですが……!」
マナ「とうとう起こった革命なのです!魂に刻み付けておくといいのですよ♪」
和輝「はいそこー、必死に聞こえないふりしない」
マナ「まずは世界の革命からなのですよ!」
マナ「革命と言えばイギリスとフランスが代表的なのですが、今回はイギリスを見ていくのです」
和輝「まず最初はマグナ=カルタ、別名大憲章から!」
マナ「イギリスプランタジネット朝の国王だった失地王ジョンがキリスト教の教皇と対立して負けるわ、ヨーロッパの大陸部分に持っていた領土を全部失って減った税収を補おうと増税するわ、最後にはフランスと戦って負けた世紀の愚王に対する絶縁状なのですよ♪」
和輝「うん、間違ってはいないんだけど……まぁいいや。確かに受け入れなけりゃ反乱起こって王朝潰されただろうしな」
マリナ「それで、マグナ=カルタって何なんですか?」
和輝「えーと、主には2つ。法の支配と議会政治の原則……って、お前ら何露骨に嫌そうな顔してやがる」
フェリシア「いえ、面倒な政治だと思っただけですわだけですわよ?」
マリナ「はい、生産性を無視した愚行だと思います」
マナ「だからあなた方の国で毎日革命起こるのですよー♪」
フェリシア「そんなもの、片端から潰してやればいいだけですわ!」
和輝「うん、ちゃんと民主主義を勉強しようなー」
マナ「では最初の法の支配からなのですよ♪」
和輝「法の支配っていうと、国王だろうが平民だろうが平等に個人として扱い、等しく刑罰を与える原則なんだけど、はいそこ耳塞がなーい」
マリナ「いやー!平等に仕事回されるのいやー!」
フェリシア「自由にさせてー!」
和輝「……一回こいつら書類の山にでも埋めてやろうか」
マリナ&フェリシア「「ホントすいませんした!真面目に聞きますんでお許しください!」」
マナ「おー、さすがなのです」
和輝「……釈然としねぇが続けるぞ。マグナ=カルタでは、国王の徴税権……まぁ勝手な課税だな。これと不当逮捕を禁止したわけだ」
マナ「あなた方にぜひとも勉強していただきたい概念なのですよ♪」
和輝「それで1265年に身分制議会が開かれたんだけど……まぁこっちはどうでもいいや」
フェリシア「あ、でも身分制議会って良さそうですわね」
和輝「そうそう、身分制議会って言ったらフランスの模範議会が有名なんだけど、まぁこっちは今度な」
フェリシア「今度も呼ばれる予定ありますの!?」
和輝「あるに決まってんだろ☆」
フェリシア&マリナ「「いぃぃやぁぁー!!お家帰るー!」」
和輝「マナ、拘束」
マナ「はーい♪」
和輝「はい、それじゃあ大人しくなったところで1642年、清教徒革命!」
マナ「当事あった議会派、革命勢力の指導者クロムウェルが王党派、用は国王に対して喧嘩売って勝った革命のことなのですよ♪」
和輝「ちなみに当事の国王チャールズ1世は処刑な」
マリナ「こ、国王を処刑……?」
フェリシア「どれだけ人心荒んでたんですの……?」
和輝「さぁ?国王も、とりあえず公開処刑場に人が殺到するくらいの人望あったみたいだよ」
マナ「で、めでたく共和制になったと思ったら……!」
和輝「クロムウェルが独裁政治やっちゃったから、すぐに王政に戻ったとさ」
マナ「最後、1689年の名誉革命なのです!」
和輝「これは、1滴の血も流れなかった革命として有名だな。さっき言ってた王政に戻ったとき後に即位した国王の2代目、ジェームズ2世が議会で廃位……国王を首になって国外逃亡したから新しくジェームズ2世の娘メアリと夫のオランダ総督ウィリアム3世を国王に迎えたんだ」
マナ「で、その時に議会が認めさせたのが権利の章典なのですよ♪」
和輝「代表的なのに、国王権限で法律の効力、執行停止することを禁止するってのがあるな」
マリナ「は?何のための国王なんですか?」
和輝「……お飾り?」
フェリシア「……凄い複雑な気分になりますわね」
マナ「そうそう、抵抗権とかいうのも出てきたのですよ♪」
和輝「あー、イギリスの学者ロックが言ってたやつね。政府が権力を行使するのは国民の信託によるものであるとし、もし政府が国民の意思に反して声明、財産や自由を奪うことがあれば抵抗(革命)権をもって政府を変更することができる、ってやつか」
マリナ「げ……そんなこと認めたら毎日政府変わるじゃないですか」
和輝「うん、だから革命権が認められたことはないんだ」
マナ「でも、割とテスト、入試に出やすいので覚えておくのですよー♪」
和輝「さてと、次に行きたいところだけど……」
マナ「そろそろ時間が来たのですよ♪」
フェリシア&マリナ「「やぁっと終わったぁー!」」
和輝「はぁ、頼むから今日の処刑人数の桁増やすなよ」
マリナ「き、気分で殺人するほど狂ってませんからね!?」
フェリシア「そ、そうですわよ!」
マナ「さて、これで公民で泣き叫ぶ者我を崇めよ奉れ!第2話を終わります!次もちゃんと読むのですよー♪」
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