クッキー
字でのらず短文やで。
早いとこ夏休みの決にけつにいかんと、この形式短文だと全然進まないやね。
どうせ人気取りは捨てているで自由に行くか。
一日真が終わたらちょっと間をっ飛ぶ予定で、
「苦い……」
そういって、オレンジジュースを一口。
口内の苦みを洗い流します。
そのお味はたけし少年のようなお子様には少々辛い苦みの強い大人味。
「失敗しちゃった……ごめんねたけ君」
「でも、食べられなくないよ」
しゅんとするメグに、たけし少年は笑いかけ、次々にクッキーを口へ放り込む。
咀嚼するたびに口いっぱいに広がる苦み。
あわててオレンジジュースで流し込むも、苦みでつぱった口内はそう簡単に戻らないのでございます。
この気遣いをたけし少年は、無意志的にやっているですから、将来は有望だったのでございましょう。
クッキーを食べ終わるころには、しょんとしたメグの表情には笑顔と言う花さき。
さらにたけし少年への視線の熱をあげご案悦のご様子。
やはり、想い人に手料理をふるまい食してもらうというのはメスなら誰でも喜ぶというモノ。
メスの手料理を完食するという気遣いはモテるオスの甲斐性でありますから、それを自然とできるたけし少年にメグが心惹かれるのは自然のなりゆきでございましょう。
「どうだった私の手作りクッキー」
「今度は甘くしてほしいな……」
口に残る苦みの余韻を覚えつつ、差しさわりのない返答を返すあたり、よくメスの心情をわかってごらしゃる。
そんなおべっかをメグは満面の笑みで受け取ります。
「わかった! 今度は砂糖とハチミツたっぷり入れるね!」
わかりやすいフラグといった所でしょう。
そのフラグを回収するか否かは、たけし少年行動しだいでございます。
「ところでまだタク君来ないね」
「もうすぐくるんじゃないの?」
「そうだね!」
「メグちゃん!たけちゃん! あーそぼ!」
玄関から聞こえてくる拓人少年の声。
二人は玄関に向かいます。
「「うん! あそぼ!」」