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【空軍戦争小説】ランウェイ  作者: プーギー
1st period〜部隊〜
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5th flightー訓練と機付長

「本日の訓練課目は、スクランブルだ。

第一陣アンノウン役、1分隊、メイ!レース!リーダーはメイ!第一陣要撃隊、ガル、2分隊、バロー!」


全員が集まったブリーフィングルームで、隊長のジンが訓練課目とメンバーをハキハキと発表していく。

次いで、気象隊から天候の発表があった。


「訓練空域の西に、雲が広がっていますが、訓練空域の北、東は快晴です。しかし時期が時期なので、急な積乱雲等に注意が必要です!」


これまたハキハキとした声で、気象隊員が天候を発表していった。


「よし、エレメント(二機編隊)ごとにプリブリーフィング!」


俺は僚機のレースと、今日の飛行経路を確認した。


今日は、訓練空域の北側から、アンノウン(国籍不明機)役として俺とレースが飛行する。

対して要撃隊のガル、2分隊の新入りのバローは、スクランブル発進してアンノウンに飛行経路変更の勧告、場合によっては要撃をする。


近年、ガルーダ帝国との緊迫した情勢のせいで、スクランブル発進が一気に増えている。

ガルーダの航空機が、エルガン空軍の領空際を飛行するのだ。一応、公海上空なので法の上では問題はないのだが、陸からたった70キロしかない領空を侵犯されてから発進していては手遅れになりかねない。だから領空に異常に接近した時に、スクランブル発進をする。


そのため、訓練課目もスクランブルが増やされてきた。


「アンノウン役、0845離陸後、空域に向かえ!」


「了解!」


締まった雰囲気でプリブリーフィングが終わり、それぞれがそれぞれの仕事を始めた。


俺とレースは、地図にペンで経路を書き入れ、再度確認した。


「よし、行こうか。」


そう言って立ち上がると、レースも「はい!」と返事をして立ち上がった。



204飛行隊のハンガー(格納庫)に入ると、整備検査隊の、俺の機体の機付長の三等兵曹が話しかけてきた。


「メイさん、今日もバリバリ吹いちゃって下さいよ!」


吹く、とはアフターバーナーの事だ。

機付長はいつも飛行前に必ずそう話しかけてくる。


「はい!行ってきます!」


階級こそ俺よりいくつも下だが、俺はこの人の整備する機体に乗るのが好きだった。


例えばシート1つにしても、ベルトが締めやすい様に少し配置が変えてある。

パイロットの気持ちになってくれる人だ。


だから、階級に関わらず俺はつい敬語を使ってしまう。


機に乗り込むと、整備員の兵長がベルトを締めてくれた。


これから、今日一発目のフライトだ。


はやる気持ちを抑え、俺はエンジンを始動させた

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