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【空軍戦争小説】ランウェイ  作者: プーギー
4th period〜劣勢〜
28/55

27th flightー成長と停滞

「ラインタワー、リゲル01、ラジオチェック」


『リゲル01、ラインタワー、ボイスクリア』


「リゲル01ラジャー、リクエストトゥタクシー、トゥランウェイ25」


『リゲル01、ラインタワー、クリアドフォータキシング。』


管制塔と交信を取りつつ、僚機であるアインをチラと見た。


奴もすでにタキシングを始めており、バイザーの上がったヘルメットを被った顔は真剣そのものだった。


俺はふと、アインが配属されて対領空侵犯措置資格取得後初のスクランブルの、俺の僚機となって飛んだ時のことを思い出した。


整った顔なのに脂汗いっぱいで、エプロンを走った時なんか盛大に転んでたっけ…


滑走路端のラストチャンスエリアに入り、機体の最終チェックを終えた。


『リゲル01、ラインタワー、ウィンド、090アット5。ランウェイ25、クリアドフォーテイクオフ』


「ラジャー。行くぞアイン、しっかりついてこいよ」


『了解。』


ピレッツ島での死線を潜り抜けて生還した奴は、声色さえも既に凄まじい落ち着きぶりを感じさせるものだった。


この操縦学校出の戦闘機乗りは、仲間の行方不明さえも己の経験に変えて強くなったと言うのか…


だが俺はどうだ?


まだまだ引きずって…


何一つ受け入れていない…


ただ呆然としているだけだ…


何も成長していない…


「ふざけるな!!」


心で留めた筈の並々ならぬ己への怒気は、声となって無線に吸い込また。


『リゲル01、どうした?』


「っ!?いや、何でもない。すまない、離陸する。」


俺は踏んでいたブレーキを離すと同時に、スロットルレバーをアフターバーナーの位置まで押し込んで、離陸を開始した。

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