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【空軍戦争小説】ランウェイ  作者: プーギー
2nd period〜配備〜
17/55

16th flightー語る大臣

基地に戻った俺は、一応形だけのデブリを済ませた後、ビーストの誘いでランニングに向かった。


ウェアに着替えてシューズの紐を結んでいると、ビーストも着替え終えてこちらにきた。


「しかし、あの状況でコブラなんてよく思いつきましたね、もうさすがとしか…」


「ははっ、そう大層なもんじゃないさ。

要は柔軟さだよ。」


「それは、頭のですか?」


「それもある。確かに戦況に応じた機動をするってのは大事な事さ。」


紐を結び終え、基地の外周を走り始めた。


「だがな、俺が言うのはそういうことじゃあない。応じるのは戦況じゃなくて機体の特性さ。機体の特性に応じた機動だよ。」


ゆったりとしたペースで、第一格納庫前を通り過ぎた。


「例えばな、お前、イーグルの特性、挙げてみろ。」


「えーと、加減速のキレが良くて、800キロくらいが1番機動性が良いけど、450キロを切ると極端に機動性が落ちる、とかですかね?」


「そうだな、良い答えだ。

イーグルは450キロを切ると不利になる。もし相手が、低速域、例えば300キロを切ってもぐんぐん動ける性能を持っていたらどうする?」


「旋回戦に持ち込まれると、いずれ不利になります。だから、できるだけドッグファイトには持ち込まれたくないかも…」


「うむ、今回も、俺はイーグルと40の特徴の違いを使ったんだ。今回の戦い、40は、加減速の性能ではお前が今回乗っていたイーグルに劣るよな?それはわかってるだろう。」


格納庫群の前を通り終え、広大な滑走路を見渡せる道に出た。


「コブラを決める前、俺が速度を落としたのには気づいたか?」


「はい、だから自分は、オーバーシュートと勘違いしました。」


「そう。俺はあの時、速度を落とせばお前は一気に詰めてくると踏んだんだ。そのタイミングでコブラを掛ける。思いつきだったけどな。」


頭上を、ゴォォォォォォォォ、と音を立てて2機のイーグルが飛んで行った。多分訓練の入っていた第6分隊の連中だろう。


「あれを思いつきでもかませるなんて、さすが元特戦飛行隊長ですね。」


「いやいや、あんな感じでいろんな技をかけてくる奴はいくらでもいたさ。」


改めて特戦飛行隊の凄さを知った。

おそらくビーストの今日のコブラは、軽い挨拶程度の感覚だろう。

世の中広しだ。自分より腕の良いパイロットなんていくらだっている。


そう思うと、もっと腕を磨きたくてうずうずしてきた。


「ビーストさん、また、俺と格闘やってもらえませんか?」


「ああいいともさ。あと一週間はラインにいられるからな。他の奴らとも飛ぶつもりだが、お前ともまた飛んでみたいね、俺も」


「ぜひ!よろしくお願いします!」


なんだ、戦闘機乗りってこんなにも楽しい仕事だったのか!


嬉しくなった俺は、滑走路前の道をダッシュし始めた。


「あ!待て!このやろう!」


ダダダダダダッとものすごい音を立ててビーストが走ってきた。が、さすがに足の速さまで若い頃のように、とはいかないらしく、みるみる距離が離れていった。


「待ちやがれ!このやろーー!」


俺は3000メートルもある滑走路に沿った道を、ただひたすら走って行った。

人物紹介その4


ノーマン・アディット


タックネーム:レース

年齢:26歳

階級:中尉

役割:第1分隊員

軍歴:8年

誕生日:12月1日

176センチ70キロ

体脂肪率9.0%


操縦学校出のパイロット。

隊内ではお祭り男系のキャラで通っている。

204飛行隊御用達の酒屋で働くフロアスタッフ、リーナちゃんと交際中。

隊員や航空団司令も認める、かなりのイケメン。そのため、空軍の広報誌にもマメに案内人として出演している。

性格は温厚だが、戦闘機に乗るとアツくなる。

リーナちゃんにいつプロポーズするか、タイミングを窺っているが、なかなか機会がなく、焦ったく思っている。

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