13th flightー降臨する大臣
「それじゃあ、明日の大臣の飛行の随伴機要員を発表する!」
朝のブリーフィング、隊長が随伴のパイロットについて話していた。
「随伴は………メイ!」
「はっっっい!」
驚きのあまり「は」と「い」の間に変なタメができてしまった。
「な、なぜ自分なんでしょうか…?」
「ん?あー、大臣がな、できれば生きのいい若い奴にしてくれよって、昨日電話きてな。」
「しかし、自分には荷が重すぎるのでは…?」
「けぇぇぇ!つべこべ言わずに受けとけや!お前はなんでそうもいつもいつも謙虚すぎるんだぁ?」
ガルが口を挟んできた。
「わかりました、引き受けます」
「おう、頼むぞい」
一応随伴はF−15に乗るのだが、問題は機体ではない。
「まぁ、いい機会だしやっとくか」
独りごちながら解散となり皆退室したブリーフィングルームに1人残っていると、急に目の前が真っ暗になった。
「だぁぁぁれだ」
ぼそりと腹に響く重い声で耳元で囁かれ、咄嗟に手を払い振り向くとそこには…
「だ、大臣!?」
「おうっ!君が随伴だとさっきジンから聞いたよ、よろしく頼むぜ!メイ!」
「は、はい!」
としか言いようがないのだが、それよりも何故大臣がここにいるのかさっぱりわからなかった。
「なんでお前がここにいるって顔してんなぁ」
「あ、いえ、そんな…」
「昨日からこっそり来ててね。いやぁF−40に乗れるなんて楽しみすぎて、寝れなかったよ」
「そうですか、明日はよろしくお願いします。」
「なぁに、気軽に行こうぜナル!俺のタックはビーストだ。よろしくな!」
なるほどビーストとは上手いこと言ったもので、確かに体格もいいし腕毛も濃い。多分身長は190、200はあるだろう。
そういえばアインか誰かが、大臣室にはなぜかベンチプレスマシンと30キロのダンベルが常備されているらしい、と言っていた気がする。その時はさすがに嘘だろ、と思っていたけど、多分本当の話だろう。
「メイよ、景気付けにジムでも行こうや!」
「え、ジムですか!?」
「おう、調整の為さ、暇だろ?」
「今日はフライトは午後からなので大丈夫ですけど…」
「なんだ、大臣の頼みを聞けねぇってか?」
「いえ!喜んで!」
こうして俺は、ジムに行くことになってしまった。
今回から、人物紹介を入れていきます。
ナル・バース
タックネーム:メイ
年齢:31歳
階級:大尉
役割:第一分隊長
軍歴:13年
誕生日:5月11日
178センチ76キロ
体脂肪率7.5%
一応この話の主人公
彼女いない歴2年
ちなみに告白されたことは3回くらいしかない。
時々短気だが誠実、真面目でノリはいい。
酒はほどほどにいける。
両親健在、妹が1人いる。
実家は建設会社。