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【空軍戦争小説】ランウェイ  作者: プーギー
2nd period〜配備〜
12/55

11th flightー酒と酒と酒と結婚

「いやぁ、新型機やっぱ凄えな!」


初飛行の日の夜、5人に隊長を合わせた面々は、204飛行隊御用達の飲み屋、その名も「lucky」に来ていた。


「そうか、俺も乗りたかったなぁ」


「もうすぐ乗れますわよ、早く実動許可下りないかしらぁ」


部隊に配備されたと言っても、即実戦ではない。

ある程度の、「慣れ」の期間として、試用期間が設けられている。確かひと月半とのことだった気がするのだが…


「そうだな、これから順次各隊員を交代で乗せて行くよ」


「しかし本当に滑らかな飛行でした。シミュレータとは全然違いますね。」


「へいへいタイタン、物言いが硬いんだよ、お前はいつも方に力が入ってるな!」


「ちょ、やめてくださいガルさんそんなに飲めない…ぐぇっっ」


ガルがタイタンのグラスに無理やりビールをなみなみと注ぎ、タイタンの口にこれまた無理やり流し込んだ。

全員から笑いが起こる中、タイタンだけは死にそうな目で俺にすがってきた。


「あー大丈夫かお前、弱いんだから無理すんなよー」


といって俺は奴に水のグラスー本当は焼酎だがーを渡した。


「おおすまん………ブフォッ!」


全員、焼酎であることを知ってたらしく、勢いよく飲み込んだタイタンにまたも爆笑が起きた。

タイタンからしたら死活問題だが、まぁ放っておこう。


「はいはいみなさん、そうタイタンをいじちゃいけませんよ」


とは言いながらもブリッジも笑いが止まらないようだ。


「失礼します、ご注文のお品をお持ち致しました。」


「おー、リーナちゃん、久しぶりだな!」


この店の看板娘のリーナは、今年で25歳だったか…。小柄だが整った丸顔で、客から人気者だった。


「ごめんなさいねぇ、今日はレース来てないのよ」


「あっいえいえっ、そのっ、し、失礼しますッ」


そう、彼女こそ、レースの交際相手なのだ。


「けーっ、照れて行っちまったぜ、若ぇのは良いねぇ」


「ガルもあんな時期があったかと思うと…その…」


「あぁ?はっきり言えよメイ!なんだ!」


「背筋凍るなぁと思いましてー」


「るせぇ!こう見えて俺は昔はモテまくったんだよ!」


「へぇーーーーーーーーー」


ガル以外の全員が怪しげな目を向けた。


「マリアちゃん、元気かなぁ」


「メアリーちゃんも、元気ですかねぇ」


「ナナちゃんも、元気かしらねぇ」


「チカちゃんも、元気っすかねぇ」


「おぇっ…ゲホッゲホッ…ウウウッ」


「るせぇぇ!古い話を持ち出すなぁ!タイタンに至っては何言ってるかわからんわ!」


今上がった4人の女性は、今までガルがアタックして、ことごとく断られまくった子達だ。


なんだか強烈に哀れに思えてきた。けど俺も交際はしばらくしていない。


「お前らもなぁ、早く結婚しろよー」


「結婚は良いですよー、毎日が潤いますからねぇ」


「うっっ、既婚組がぁ…」


「俺はこの子と結婚しますからねー!」


ガルが酒瓶を抱きしめた。哀れすぎる39歳だ。

ジンとブリッジは、基地内でも有名な超愛妻家である。

ブリッジに至っては毎日、昼食は愛妻弁当で、周りから羨ましがられている。


「さて、そろそろお開きとするか!」


ジンの一言で、飲み会もお開きとなった。



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