throw the spear
「投げやりって怖い」
「いきなりどうした松岡君」
俺はしがない珈琲屋の店長、遠藤安信。
「実は、例のインスパイア事件の時のインスパイア元の小説と、一時期月間四半期間ランキングを争っていた小説があるんですよ」
「ほうほう」
「その小説が、最近更新再開して、遂に完結したんですよ」
「よかったじゃん」
「よくないですよ。その終わりかたが酷いもので。例えるならば、昨年話題になった某アニメ映画のラストで、あの二人がそれぞれ何の脈絡もないモブと恋仲になる感じですよ」
「それはひどいな」
「だから俺は思うんですよ。小説の作者は、物語の筋を大切にするべきだと。例え時間がかかったとしても。一度張った伏線を大切に扱ったり、初めに思い描いた構成を貫く、とか」
「うんうん」
「話の筋を無視して適当に終わらせるなんて、エタらせるよりも読者の失望を買うと思いますよ。まあ、この願望は、俺のエゴかもしれませんが」
「確かにね。物語の行く末は作者が決めることだからね。ところで君は大丈夫かい?」
「はい。まあ、俺は前から小説書く目的はゲームシナリオづくりなので、どんな悪評をもらってもぶれないので心配しなくても大丈夫ですよ」
「じゃあ、頑張れよ」
「そして、お前も頑張れよ」
そう言うと松岡君は隣の背中をポンと叩いた。プラスチックを叩いたような軽い音が響いた。
「……ん?」
『うケケ。そうイうなら、オれ、がンバるよ』
「なんでてめえがいるんだ!?」
「読者には読む権利があるのと同じように、作者にも書く権利がある。権利であって、義務ではない」という意見を聞きますが、確かにその通りだと思います。同様に、「作者は物語の結末を如何様にもできる権利」を持つ、と思います。
しかし、だからといって、適当に終わらせてしまったら、読者は失望し、それによって悪評が散々書き込まれ、結果として作者も傷つくことになる。
これって、悲しいことだと思いませんか?
じゃあ、作者が物語を書き続けるモチベーションを保つために、読者は何が出来るか。
簡単なことです。
ブックマーク登録をして、続きを見守る意思表示をしましょう。
評価ポイントをつけましょう。自分が感じた通りに。
面白かった、と、感想を書きましょう。
そして、面白かった体験を、レビューで共有しましょう。
文章が下手だから無理?
拙くてもいいんです。気持ちを伝えることが大切です。
俺は、ずっとそうしてきました。
これが広がれば、本当の良作が、正当に評価される、と、思います。
そして、作者のモチベーションは上がり、読者の期待に応える、いや、期待以上に、さらに面白い作品を書いてくださるでしょう。
いや、きっと書いてくれる、そう信じましょう。




