言い訳
俺は遠藤安信。このこじんまりした珈琲屋で店長をしている。
珈琲を飲んでいる客と他愛もない世間話をするのが趣味だ。
「店長こんにちは〜」
おや、客が来たようだ。彼は松岡浩児。店の常連の浪人生だ。何やら小説を書いているらしい。彼はいつものAパターンを頼むと、カウンターに腰掛け、
「ちょっと店長聞いてください〜」
と、話を始めた。
「先週の日曜のことなんですけど」
「ほうほう」
「気晴らしにゲーセンに行ったら財布忘れたんですよ。気づいたのは先週水曜のことで」
「何やってんだ君は。何故気づかないんだ」
「昼飯はおサイフケータイで会計してたから」
「なるほど。んでどうなったの財布は」
「翌日店に行ったら店に落とし物で届いてました」
「あったんだ」
「紙切れに個人情報色々かいて受け取りました。だけどお札レシートの中に隠れてた諭吉を除いてなくなってました。約ニ万」
「それは災難だね」
「なので金曜警察に行って色々話してきました。そのお陰で空き時間に巨乳書こうと思ってたのが潰れましたよ」
「あらま。んで、結果は?」
「防犯カメラの位置が悪くて決定的な証拠は掴めなかったみたいです。進展あったら連絡来るそうですが、もう諦めてます。元々俺が悪いので」
「お疲れ様。無くなったお金どう埋めるの?」
「カップ麺で節約」
「生活習慣病なっても知らないよ」
「本当は米が食いたいんですけどおにぎり高いっす。名店ラーメンのカップ麺なら200円台ですし。」
「大変だねえ」
「大変ですよ〜」
その後彼とは他愛もない話をして、彼はまた予備校に向かったようだ。
これがフィクションかノンフィクションかどうかはご想像にお任せします。
こんな風に字数とか小説ルールとか関係なくただメタい話やそうでない話やぎりぎりを突く批判やパロディーをするシリーズなので過度な期待はせず肩の力を抜いてお楽しみ下さい。