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ライドンの宿屋、アクイースより

はじめまして。

もう知ってると思うけどぼくの名前はきなこ。

名字は……別にいいよね。

異世界にいるといっても、やっぱり身バレとかはちょっと困る。

何かの拍子で元の世界に戻ることだってあるかもしれないし。

もう分かってる人もいるかもだけど、今日は自動更新じゃない。

ぼくがノートパソコンを使って書いている。

おまけというか、なんだろう。

よく分からないや。

初めてだからなんだかどきどきしてる。

何か変なところとかがあったら教えてほしいかな。

書いてる場所は宿屋。

さっきニャルティさんの歓迎会が終わったところだ。

といっても3人はそのまま別の店に行った。

みんな酔っ払っていて、陽気な感じになっている。

とても仲良しそうに見えてぼくは嬉しいと思う。

ぼくは疲れたし、1人早く宿屋へ移動した。

ノートパソコンを開いて最初に自動で書かれているものを読んでみた。

ついさっきのことが書いてあったのは本当に驚いた。

あとどうやらこっちとそちらの世界では時間の流れ方が違うんだとも分かった。

自分の話を読んでみると、やっぱりなんだか恥ずかしい。

本当にそのまま書かれているから。

特に自分が思ったこととか、どうなってるんだろうと不思議になったぐらいだ。

今度、女神様に会う機会があったら聞いてみたいと思った。

こんな風に書いていくとどんどん横道にそれていくよね。

でも今書いてるものに横道じゃない道があるとは思えないけど。

ぼくが今こんな文章を書いているのは、たぶん興奮しているからだと思う。

この興奮を誰かに伝えたいからだと思う。

ちょっとぼくの話をしてもいいかな?

ぼくも自分語りとかあんまり好きじゃないんだけどね。

だけど書く方はみんな好きだと思う。

ぼくは小さい頃から心臓の病気で体が弱くて体育もまともに参加したことがない。

体育と言ったらみんなが楽しそうにしているのを見てるって感じ。

だからこの異世界に来て一番嬉しかったのは、自由に走り回れることだったりする。

ほとんど同じだけれど別の体になっているのか、心臓の病気がなくなっていた。

もし異世界に来てなかったら、今もずっとベッドの上だったと思う。

女神様は帰ってもいいって言ってくれた。

でもぼくは残念なステータスだけれども、この世界にいることを選んだ。

そしてそれは正解だった思う。

後悔があるとすれば数少ない知り合いに別れの挨拶ができなかったことぐらいかな。

だからもしぼくのことが分かる人がいたら、みんなに知らせてほしい。

きなこは元気にやってるって。

この世界に来てまだ2日しかたっていない。

でも本当に色々なことがあったと思う。どれも嬉しいことばかり。

そして明日からも同じような日々にしたいと思ってる。

そういえば今日の月は緑色をしている。

全部で7色。規則性はなくてランダムに変わっていくってコルネットさんに教えてもらった。

ぼくはまだ青色と緑色しか見ていない。

だから他の色がどんな感じなのかもうわくわくしている。

それは他のことについても同じ。

ぼくはまだこの異世界についてほとんど知らない。

だからきっと毎日が発見なんだろうって思う。

そしてそれらをクイーカさん、コルネットさん、ニャルティさんの3人と冒険できるのはとても楽しみだ。

ぼくが違うステータスだったら、もし他の移住者みたいに強いステータスで高スキル持ちだったら仲間になることはなかったと思う。

だからぼくは自分のステータスが気に入っていたりする。

このステータスのおかげで結界がへっちゃらってことも分かったしね。

なんだかまとまりがない文章になってきた。

読んでても多分、面白くないかもしれない。

そろそろ今回は終わらせたいと思う。

実はリュートさんが来ていてぼくの横にいる。

そしてぼくがこれを書いているのを興味深そうに見ている。

なんだか恥ずかしい。

そういえばぼくは異世界物のネット小説を読んでこの世界に来た。

だからぼくの小説でもアンケートが出てくるかもしれない。

そしたらこれを読んでるあなたもこの世界に来るかもしれないね。

絶対にぼくより強いし、活躍できると思う。

だからもしぼくとこっちの世界で会ったら声をかけてほしいな。

そして一緒に冒険をしたいと思う。

ぼくの特徴はなんだろう……。

えっと古ぼけたリュックサックが目印になると思う。

その横に修道服を着た女性がいて、おまけに手を繋いでいたら間違いないといっていいはず。

それかアンクルンさんに言うのもいいかもしれない。

もちろん、今の世界の方が元の世界より優れているとは思わない。

いい人も、楽しかったこともたくさんあった。

ただぼくにはこっちの世界の方が合ってるっていうだけの話。

心臓の病気がなかったらきっととても迷っていたと思うし、あなたもそうなると思う。

その時にぼくの冒険が決めるのに役に立ってくれたら嬉しい。

それじゃ今日はこのへんで。

次に書くのはいつになるのか分からない。

ぼくがあんまり文章書くのが得意じゃないって分かったし、いつもの自動のの方が面白いはずだしね。

でもいつか書くかもしれないから、その時は読んでほしいな。

それじゃ、また。


きなこ

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