2. 「空き地」「勇者への依頼」「Sense」「釣り」「空の飛び方」
「空き地」
海に近い空き地に、彼は静かに立っていた。穏やかな潮風の吹いてくる向こうを、ただじっと見つめている。足元には、名も知らぬ花が、春の到来を告げていた。また今年も来たのだな、と私は思う。きっと来年も再来年も、来るのだろう。過去と現在と未来を、誰かと一緒に語らうために。 #twnovel
「勇者への依頼」
「お~い、助けてくれ!僕は魔王によってツイートにされてしまったんだ。勇者となって魔王を倒してくれ」「いいけど、どうやって魔王を倒すの?」「奴は甘いものに弱い。コンビニの期間限定アイスを買ってくるんだ!」「それならお母さんがお説教の前に食べてたよ、お父さん」 #twnovel
「Sense」
曇り空、街の落書き、失敗した苦い思い出。目を閉じれば、そんなものは眼に映らない。陰口、罵倒、気に入らない奴の言葉。耳を塞げば、そんなものは聞こえない。本音、弱み、自分の馬鹿さ加減。口を閉じれば、そんなことは言わなくていい。そんなあなたは、ただの石ころ。 #twnovel
「釣り」
今日も釣れないな。ちぇっ、ついてないぜ。でも、また明日挑戦してみよう。諦めるために始めた訳ではないからね。そうだ、明日はアレを使ってみよう。アレならうまくいくかもしれない。だって僕の大好物だもん。これは大漁の予感!明日が楽しみだね。 #twnovel
「空の飛び方」
ウサギは空を飛べないなんて、誰が言ったんだい? できないって決めつけたら、なんにもできなくなっちゃうさ。まずはやってみることだよ。見てご覧。今まで知らなかった世界が、こうして目の前に広がっているじゃないか。どうやって降りるかは別としてね。 #twnovel
お読み頂きありがとうございます。
久しぶりの更新です。
「空き地」は3・11に寄せて。
「勇者への依頼」は、ほのぼのとした感じで。
「Sense」は、なんとなくその時の気分を文字にした気がします。
「釣り」は、先に絵のインスピレーションがあったので、そこから書いてみました。
「空の飛び方」は、少しベタかも。
ウサギシリーズは、また気が向いたら書きます。
それでは。
葦沢




