魔法使い現る。
孝は気がついたらポストになっていた。
『いやいや、おかしいだろ! 普通に考えたら、蟻とかリスとかって・・、しりとりしている場合じゃないわ! なんだよ、ポストって。ホスト、ポストになるってなかなかうまいな。って、違うだろう!』
そんなこんな考えているうちにいつの間にか夜になってしまった。
孝がいる場所は、本当に車道が目の前にあるだけの林道。街灯もないので、たまに車が通る時以外は辺りは真っ暗になる。
『はぁー、なんでこんなことに。しかも、このスマートフォンが流行る世の中で手紙やハガキを出すやつなんてほとんどいないだろ。はぁ、退屈だ。』
孝はたまに通る車のナンバー4桁を、足し算しながら時間を潰していた。ただ、足し算している中でなんとなくこの道に懐かしさを感じていた。
『なんだろうなー、見たことがあるようなないような。うーん、思い出せないぞ。まぁ、いいか。』
すると、また向こうから明かりをつけた車がやってきた。
『おし! 次の4桁はなんだ! どんとこい』
が、次の瞬間孝は目を丸くした。なんと、向こうからやってきたのは二頭の馬に引きづられた馬車だったのだ。
?「ストーップ!!」
孝の前で馬車が止まった。
?「いやー、やっと見つけたわ。ごめんなさいね。」
孝は唖然として声も出ない。
?『そっか、急に話しかけたらびっくりするわよね。赤山 孝でしょ、あなた。』
孝「えっ!? あんた、何者?」
?「私はね、魔法使いなのよ。オホホ!」
孝「魔法使い??」
孝は魔法使いと出逢ったのだった。