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異世界へ自分探しの旅  作者: 二枚重ね
パルジャスカ王国
6/7

異世界で目標を見つける

「んっ・・・もう朝か・・・」


日当たりが悪いとは言っても薄暗い程度には光が入っている。

そうか、もう日本ではないんだよな。

今日は何からやるかな。そう思っていた矢先ドアが開く。


ギーッ


「お、もう起きておったか。」

「ああ、ついさっき起きた。」

「今日は何をするのじゃ?」

「そうだなー。先に必要な物を揃えたいな。ランプとか。」

「そうか、では商売街へ行くかのう。」


カロルと共に商売街へと向かった。


商売街


「そうだカロル、昨日受付のお姉さんが使ってたランプってやっぱ陣が使えないと使えないの?」

「そういえばそうじゃな。では陣が使えない者専用の店に行くかのう。」

「みんなが使えるって訳じゃないのか?」

「そうじゃなあ。国民の3割程度が力の大小あれど使える者の大体の割合じゃな。」

「へー、そうなのか。」


陣が使えない人が多いというのは

俺にとってとても有利な情報だろう。

国民全員が使える場合は陣を使えない俺にとって

ランクアップしていくには絶望的な状況になりかねないからだ。


「そうじゃ。お、ここじゃ。入るぞい。」


案内されるがままに店へと入る。


店内をざっと見てみると小物や食器、日用品や雑貨等が置いてある。

店内はお世辞にも広いとは言えないが商品が所狭しと置いてあり

例えるならば小さい本屋の様か。


「ユート、あったぞい。」


カロルが持ってきたランプはろうそくに火を点けるタイプだ。

これなら俺でも使えそうだ。

ランプ25パル予備のろうそく10本入り5パルを購入した。

とりあえずこれで灯りは確保した。


「後はどうするかえ?」

「とりあえずこの国を案内してくれ。見て回りたい。」

「じゃあついてくるのじゃ。」


俺はカロルの案内でこの国を見て回る事にした。


まずこの国の配置だが、城を中心に東西南北に

城壁に備え付けてある城門まで真っ直ぐに大きな道が伸びている。

城のすぐ外側は住居の区画となっているが

ここは騎士以上の階級を持っている人が中心に住んでいるらしい。

この区画の外側は商売街となっている。

この商売街の外側が平民中心の住居街。

その外側はこの国を囲む様に城壁で覆われている。

そして東西南北にある城門と城門の間くらいに見張り台の様な塔がある。

さながら城郭都市と言った所か。


この国を一日かけて見て回り、家に着く頃には日が暮れていた。


「だあああああ!さすがに疲れた。」

「この程度で軟弱じゃのう。」

「見慣れない世界を一日歩いたら疲れるだろ。」

「それでどうじゃ?やれそうな事は見つかったかのう?」


一日この国を見て回ったがまったく見つからない。

どうするかと考えていると。


「そうじゃ!らあめんじゃ。」

「ラーメンがどうした?」

「あれほど美味な物はこの世界でも中々ないぞ。作ってみてはどうじゃ?」

「ラーメンか・・・」


一応ラーメン屋でも1年半ほどバイト経験はあるが

スープは仕込みを少し触らせてもらった事があるが麺は製麺所に頼んでいたからよく分からない。

そもそもこの世界の食材で作れるのだろうか。


「お主に食わせてもらったらあめんはあんなに短時間で出来たじゃろ。」

「あれはインスタントって言ってこの世界じゃ難しすぎるからダメだ。」

「もう一度食べたいのう・・・」


待てよ。こいつは見た目ただの幼女だが一応所謂貴族ではあるんだよな。

その貴族がインスタントラーメンでここまで言うくらいだから

作れれば売れるかもしれない。

うまくいけば稼げる様になってこの世界で生きていける可能性も見出せる。


「やってみるか。」

「お、やる気になったか。はやく食いたいから頑張るんじゃぞ。」

「まったく、ラーメン作りは明日からだな。とりあえず今日はもう寝るぞ。」

「そうか。」


そう言うとなぜかカロルは背中から布団一式を出し始めた。


「ちょ!なんでそんなもんが背中から・・・。ってか城に帰らないのか?」

「そういえば言っておらんかったか。クレリーに当分はユートと住み込みで手伝えと言われてしまってのう。」

「おま!そういう事はもっと早くに・・・」

「仕方ないじゃろ。昨日城へ帰ったら『我が国へ来て頂いたユート様をお一人には出来ません!』と言い出したからのう。」

「あやつは一度言い出したら聞かないからのう。まあ今日は寝るぞい。」

「そ、そうか。じゃあおやすみ。」


正直、一人の時間も欲しかったんだが仕方ないか。

俺には幼女の趣味もないし何も起こらないだろう。

とりあえず当面の目標は出来た。

正直色々な不安はあったが具体的な目標が出来たので

どこまでやれるのか楽しみな自分がいる。

そしてカロルの顔を見ていると不安とか考えるのがどうでもよくなる気がする。

不思議な奴だなぁと思って寝顔を見ていると俺も意識がもうろうとしてきた。

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