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異世界へ自分探しの旅  作者: 二枚重ね
パルジャスカ王国
3/7

新しい世界1

「・・・い・・・お・・い・・・ろ・・・か」


「そろそろ起きんか!」


ガブッ!

頭に激痛が走る。


「あだあああああああああああ!」

「ようやく起きたか。着いたぞえ。」


頭が痛い。これは噛み付かれたものか。

軽く目眩もする。そしてとても眩しい。

やさしい風を感じる。ここはどこだ?


「ここがワシの国パルジャスカ王国の城じゃ。」


ようやく目が慣れてきた時、まるでゲームの世界にでも入ってしまったかの様な光景が飛び込んできた。


空は綺麗な青

遠くには緑が茂った山

視点を右にずらすと青い海

さらに右へいくと紅く色づく山

さらに右へいくと岩肌が見えたごつごつとした山

さらに右へいくと雪化粧されている山

そして下には町が見える

その町を覆う様に配置されている城壁

一定感覚で見張り台の様な物も見える

丁度自分が居る城がこの国の中心になっている様に見えた


「どうじゃ?綺麗な国じゃろ?」

「すごいな!ゲームの中に入ったみたいだ。」

「気に入ってもらえたみたいじゃのう。では姫様へ挨拶と行こうかのう。」

「姫様?」

「そうじゃ。ついて参れ。」


言われるがままカロルへついて行き階段を降りようとした時異変に気がついた。


「ちょ!手すりとかないの!」

「手すり?いいからはよついてくるのじゃ。」


階段は壁から伸びており螺旋状になっているが手すりがなく中心が吹き抜けとなっていた。

ちなみに俺は高所恐怖症である。


(下見たら死ぬ。下見たら死ぬ。)


ひざをガクガクさせながらなんとか階段を降りきった。


「だらしないのう。ほれ、姫様へご挨拶じゃ。」


俺は苦手なジェットコースターに3回連続乗った後くらいな疲労感に襲われながら

カロルに引っ張られながら遠目からでも分かるとても綺麗な女性が座る王座の前まで来た。


「ようこそ、パルジャスカ王国へ。起こし頂けた事を国民を代表して歓迎させて頂きます。」


俺は目を奪われた。

綺麗なブロンドの髪

澄んだ青い目

白い肌

豪華な白いドレス

すごいプレッシャーというか神々しいオーラを感じる

THE姫様という感じだ。


姫様に圧倒され口を開けマヌケな顔をして立っていると


「ほれ!頭が高い。ひざをつかんか!」

「・・・はっ!す、すいやしぇん!」


急に緊張して噛んでしまった。


「大丈夫ですよ。急に他の世界へいらしたのですからお疲れでしょう。お部屋を用意しておりますのでそちらへ・・・」

「だ、だ、だ、だいじょぶれす!」


また噛んだ。死にたい。


「クレリー、こやつ舞い上がってるだけじゃから形式だけ済ませれば良いじゃろう。」

「分かりました。私はクレリー。パルジャスカ王国の代表を務めさせて頂いております。」

「そしてあなたをお連れしたカロルは私の幼馴染でこの国一番の陣の使い手なのですよ。」

「一番はお前じゃろうて。」

「私はこの地を守る事しか出来ません。カロルは色々な陣を使えるではないですか。あの時だって・・・」

「それは後で良いじゃろう。今は挨拶の儀を進めてしまうのじゃ。」

「そうですね。失礼しました。えっと・・・失礼ですがお名前は?」

「しもうた!ワシも聞くのを忘れておったわい。」


そういえばカロルにも名乗っていなかった。

段々と落ち着いてきたのでもう大丈夫そうだ。


「佐伯悠斗と申します。」

「さ・・え・・・。申し訳御座いません。私達の国では覚えにくいお名前ですね。ですがユートは我が国に伝わるお名前です。」

「ではユートとお呼び頂ければ。」

「ユート・・・私に考えが御座いますのでまた後ほどお呼び立てても構いませんか?」

「はい!姫様のお呼びとあらばいつでも。」

「ではカロル、ユート様をお部屋までご案内してあげて。」

「では行くぞい。ユート。」


姫様に一礼し、カロルに連れられ部屋から退出した。


「ふーっ。すごい人だった。」

「そうじゃろ?クレリーは品もあるが力が強いのじゃ。」


緊張がとれ、汗がどっと出てきた。

階段の件と姫様との謁見の緊張とで周りが見えていなかったが

白を基調とした内装で豪華なシャンデリアや赤いカーペットが敷かれている。

天井も高く窓も大きく外の光が十分に取り込まれとても明るい。

建築の技術は中々高そうだ。

向こうでは建築のアルバイトが日給も高く休みの融通も良く利いたので

長い事やっていたので自然と目がいった。


長い廊下を歩き階段をまた降りるらしい。

やはりここにも手すりがない。


「カロル、この世界の階段には手すりというものが存在しないのか?」

「そんなもの必要か?」

「落ちたりする人いないの?」

「んー。壁側を歩けばいいだけじゃろう。そんな事気にもしたことはないのう。」


技術は高いのに変な所が抜けている世界だなぁ。

気合でなんとか階段を降り、廊下に出るとおそらく客室に着いた、


「ここじゃ。入るがよい。」


赤い豪華な大きい扉を開けると

ここもとても豪華な内装となっている。

でかいベッド

豪華な木製のテーブルと椅子

壁は薄い茶色で落ち着きを出そうとしていると思うが

庶民の俺にはむしろ落ち着かない。


「暫くここで休んでいるがよい。後ほどクレリーから呼ばれるじゃろうて。」

「お前はどうするんだ?」

「星間転移の陣で腹が減ったからのう。食事をしてくるわい。」

「何かあればそこにあるベルを鳴らすといい。使用人が来るからのう。」


テーブルの上に振って鳴らすベルがある。


「ああ、分かった。少し休ませてもらうよ。緊張しっぱなしだったし。」

「うむ、では食事が終わったらまた来るからのう。」


そう言ってカロルは部屋を出て行った。


一度この世界について整理してみよう。


ざっと見た感じファンタジー物のRPGの世界みたいだ。

四季が偏った山があったけど季節はどうなっているんだろう。

海も近くにあったみたいだし鉱山みたいな山も見えた。

立地的にはこの国は恵まれてそうだな。

城も立派だしおそらくこの国は豊かなのだろう。

俺はこの世界で何が出来るのだろうか。

カロルは素質があると言っていたがまずはこの世界の状況の把握かな。

勉強とか嫌いなんだけどなぁ・・・


考え事をしているとウトウトしてきてそのまま意識がなくなった。

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