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第七話 月を見てきたふくろう

森は

すっかり

夜になっていました。


昼とは違う

静かな森です。


風が

葉っぱを

やさしく揺らします。


その中を

ベウルが

ゆっくり歩いていました。


今日は

ベリーの森ではなく


大きな木のある場所へ

向かっています。


ベウルの大木です。


ベウルは

その木の下まで来ると


ふと


立ち止まりました。


そして


月を見上げます。


まんまるの

大きなお月さま。


森を

やさしく照らしています。


そのとき


ふわり。


静かで軽やかな羽音が

聞こえました。


ベウルが

顔を上げます。


木の上の枝に

一羽の

ふくろうがとまっていました。


じぃじです。


じぃじは

目を細めて

月を見ながら言いました。


「今夜は静かじゃな」


じぃじは

しばらくの間

楽しそうな顔で

ベウルを見ていました。


そして


ふと


ベウルのしっぽに

目を向けます。


月の光を受けて


銀青のしっぽが

静かに揺れていました。


じぃじは

目を細めます。


「……あやつの血じゃな」


ベウルは

きょとんとしました。


「え?」


じぃじは

くすっと笑います。


「なんでもない」


そして

ベウルを見つめました。


「じゃが」


風が

木の葉を揺らします。


「優しい狼になったのう」


ベウルは

少し照れたように笑いました。


「みんなが

いてくれるから…」


じぃじは

ゆっくりうなずきます。


遠くの森。


群れの仲間たち。


ベリーの森の

小さなお友だち。


それらを

思い浮かべるように


じぃじは

ぽつりと言いました。


「うむ」


「もう大丈夫じゃな」


そして

月を見上げます。


「……ここから始まるのう」


じぃじは

羽を広げました。


ふわり。


そして

月の方へ


静かに

飛んでいきました。


じぃじの姿は

月の向こうへ

消えていきました。


森は

また

静かになります。


ベウルは

しばらく

月を見上げていました。


まんまるの

大きなお月さま。


子狼ちゃんが言っていた

「おっきなパンケーキ」を

思い出して


ベウルは

くすっと笑いました。


「……明日は」


何をしようか。


どんな一日になるだろう。


そう考えると

なんだか


楽しくなります。


ベウルは

ゆっくりと

歩きだしました。


月の光の中で

銀青のしっぽが


ほわっ


ほわっ


と揺れました。

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