「貴女を愛することはない」宣言からのハッピーエンド
「貴女を愛することはない」
ああ──遂に、言ってしまった。もう後戻りはできない。
ラルヴァネル辺境伯ロッシュは、一度瞳を伏せてから顔を上げた。未だ23の若輩者ではあるが、背負うべき責任から逃げる気はない。本当に逃げ出したいのは──否、逃げる資格があるにも関わらず、逃げずにしっかりとこちらに向き合う彼女から目をそらすような、情けない人間にはなりたくないので。
今辺境伯家の応接室で、ロッシュの正面に座っているのはナターレン公爵令嬢・ヴィヴィアナだ。何でも王太子の婚約者であったが嫉妬に狂い、学院で王太子の側にいた男爵家の令嬢を虐めた罪で婚約を破棄されて王都を追放され、王命によりロッシュとの婚約を強制的に結ばされたとか。
経緯を聞いた辺境伯家では、皆一斉に首をひねったものだ。
まず、王太子の側にいた男爵令嬢ってなんだ。婚約者がいるにも関わらず、嫉妬されるほど側に置くのは倫理的にも政略的にもどうなんだ。仮に本当に潔白で、ヴィヴィアナが過剰に反応しているだけというなら誤解されないよう距離を取れば解決するのでは。ヴィヴィアナがいなくなったあと、王太子と男爵令嬢が婚約したと聞いてますます首を傾げた。それでは潔白でも何でもない。完全に黒ではないか。先に非があったのは王太子なのに、ヴィヴィアナだけを一方的に処罰したのもどうかと思う。
次、公爵令嬢であるヴィヴィアナが虐めた──しかも容易く露見するようなものを、という点である。片や国でも有数の公爵家、片や十把一絡げの男爵家。わざわざ人に目撃されるような稚拙な虐めをヴィヴィアナ自身がせずとも、一言「困った方ね」と呟けばその手のものが証拠も残さず男爵令嬢を消すだろう。
最後、追放からの自分との婚約だ。これがいちばん分からない。ロッシュの治める領地は国の端にあり、魔獣がうようよわいて出る森と接しているから、一部の貴族から“魔境”と蔑まれていることは知っている。あっ、だからか。確かに華やかな王都に慣れた令嬢からすれば、恐ろしいだけで退屈な土地だろう。最後の点は納得できた。
不可解な点は多少あれど、ヴィヴィアナは噂に聞くような人物ではなかった。いや、“生ける宝石”と称えられる美貌は真実で、違っていたのは悪評の方である。
贅沢好きの浪費家と聞いていたのに、辺境に連れてきたのは侍女一人。荷物も、鞄一つにおさまる程度。辺境伯家の使用人に当たり散らすようなことはなく、性格は凛としていながらも温厚。使用人の中には、「奥様と呼んでお仕えできないのが、残念でなりません」と涙ぐむ者さえいる。これだけでも、いかに貴族の噂があてにならないか実感する。彼女がここに来た状況も、もしかしたら尾びれ背びれ胸びれがついて原型を留めていなかったのかもしれない。ロッシュ自身、辺境伯でありながら自ら剣をとって魔獣を狩るので“血みどろ辺境伯”と忌避され、古傷だらけの熊のような大男と勝手なことを言われていた。実際のロッシュは、見た目は優男だ。王子様のような外見で武骨な大剣を扱い、また顔に似合わず口下手で気の利いたことが言えないので、気心知れた部下たちからは“顔だけ王子”とからかわれている。
ともあれ。
使用人たちの所感を聞いたり、少ないながら自身もヴィヴィアナと接したロッシュは──罪悪感に襲われた。いっそ本当に、ヴィヴィアナが悪女であったら良かったのに。
「理由をうかがってもよろしくて?」
鈴を振るような可憐な声に、ロッシュは我に返った。そして居住まいを正す。
「もちろん。少し長い話になるから、楽にしてくれ」
彼女は頷いた。些細な仕草ひとつとっても品があり、こんな辺境に埋もれさせるのはもったいないと思わせる。束の間でも、こんな素敵な人が自分の婚約者だったのは幸運だった。内心噛み締めながら、ロッシュは語った。
「ラルヴァネル辺境伯家は、まもなく没落する」
十数年前、魔獣の大量発生があった。辺境伯家の騎士たちが死力を尽くしたお陰で、何とか魔獣を討伐できたものの、被害は甚大だった。ロッシュの両親はじめとする多数の死者が出て、領地は荒廃した。それを立て直すため、若いうちからロッシュは辺境伯として尽力してきたが、如何せん知識も経験も欠けていた。大量ではないものの定期的に魔獣は発生するため、王都にある貴族学院に行く暇もない。また執務を共にする使用人たちで、熟練の者のほとんどがロッシュの両親と運命を共にしていたので、内政についても手探り状態。辺境伯家の人間は魔物相手では百戦錬磨だが経済方面ではずぶの素人で、領地の復興や騎士団の維持のため財産はどんどん目減りしていき──とうとう、爵位を返上しなければどうにもならない所まで来てしまった。
「国に援助は求められなかったのですか?」
「求めたが、断られたんだ」
何度か使者を送っても、“国庫に余裕がない”の一点張り。腑に落ちないながらも「大変でしょうがこちらも手一杯で」とすげなく返され、支援は諦めざるを得なかった。
そして孤軍奮闘の中騙し騙しやってきたが、とうとう二進も三進もいかなくなってしまったのである。
「全ては俺、いや私の不徳のいたすところだ」
ロッシュはヴィヴィアナに向かって頭を下げた。何の足しにもならないが、せめて誠意は伝わるようにと深々と。
「貴女を娶ったとしても、早晩辺境伯家はなくなる。なのでこのまま婚姻はせず、公爵令嬢の身分を維持した方がいいだろう。貴女には、二度も婚約がなくなった方という不名誉を与えてしまって申し訳ないが──」
「閣下」
「何だ?」
「貴方は、爵位を返上してからどうされますの?」
「私が自信を持って振るえるのは、剣くらいなものだから──次の領主にでも、雇ってもらおうと思っている」
代々続く辺境伯家を断絶させてしまうことに忸怩たる思いはあるが、見栄で人々は守れない。命を賭して両親が守ったこの地を、ロッシュも形は変わるが守っていきたいと思う。
ロッシュの話を、ヴィヴィアナは静かに聞いていた。彼女の海原を映したような瞳には深い知性が宿り、気性が荒くて短慮、という噂がまたひとつ嘘であることを認識する。
「閣下」
ややあって、ヴィヴィアナは口を開いた。ロッシュは密かに腹に力を込める。苦情も恨み言も泣き言も、全て受け止めるつもりで、ロッシュはヴィヴィアナの言葉を待った。
「辺境伯家を立て直しましょう」
「……………………はあ!?」
ヴィヴィアナの突拍子もない申し出に、ロッシュはうっかり素で声を上げてしまった。騎士たちから“王子顔にあるまじき胴間声”と評され、気の弱い女性なら気絶するかもと囁かれる叫びを前にしても、ヴィヴィアナは笑みを深くしただけだった。繊細な美貌に似合わず、かなり肝が据わっている。
「そうすれば貴方もずっとこの地を守れますし、わたくしも不名誉を受けずに済みます」
「そ、それはそうだが」
「ひとまず、帳簿などを拝見しても?」
ロッシュは、背後に控えていた家令を振り返った。あまりにも荒唐無稽な提案すぎて、咄嗟に答えられない。家令の表情にも動揺の色があったが、ロッシュとヴィヴィアナから注目されるとすましたものに戻った。
「元より財政悪化による爵位返上だと説明するため、書類をまとめております」
ではそれを、と指示してからのヴィヴィアナの行動は早かった。
半日ほどで書類に目を通したヴィヴィアナは、なるほどと頷く。
「閣下」
「どうした? いや、やはり辺境伯家の立て直しなどむずかし」
「三日ほどお時間をいただけますか?」
「三日? 構わないが、何をするんだ?」
「とりあえず、辺境伯家の借金を返します」
「は、……はあ!?」
あんぐりと口を開けたロッシュだったが、はっと我に返る。
「む、無理だ! 三日でわが家の借金を帳消しにするような額を稼ぐなんて!」
ロッシュの訴えに、ヴィヴィアナはにこりと笑った。成人したての18歳でありながら完璧な淑女であった彼女がそうすると、ぐっと親しみがわく。これが貴族、と本来自身もそうであるのを棚においてロッシュは感心した。
「ええ、三日で稼ぐのはさすがに無理でしょうね」
「だ、だろう?」
下手は下手なりに、ロッシュたち辺境伯家の面々は一致団結してがんばってきて、どうにもならなかったのだ。未来の王太子妃として高等教育を受けてきたであろうヴィヴィアナといえど、一朝一夕で何とかなるものではない。
「辺境伯家の没落は、もう決まったことだ。それを覆すためとはいえ、貴女に無理をしてほしくない。そう思ってくれただけで、十分だ」
嘘偽りない本心を告げれば、彼女の目が見開かれる。それから花の蕾がほころぶように、ゆるりと頬がゆるめられた。それは、今までの淑女という仮面が取られた、はじめて彼女の心の内をそのまま映したかのような表情だった。
ロッシュが見惚れている間に、ヴィヴィアナは事も無げに告げる。
「三日は、わたくしが保有している個人資産が届くまでの時間です」
今度こそ二の句が継げなくなったロッシュをよそに、ヴィヴィアナは便箋を用意させると、猛烈な勢いでペンを走らせた。宛先は、とても一令嬢が築いた人脈とは思えないほど幅広い。
以降の日々は、怒涛である。
「閣下は魔獣の対処をお願いします。そちらに関しては、わたくしはお役に立てないので」と送り出してくれたヴィヴィアナに従い、普段通り魔獣を狩っていたらどんどん辺境伯家の財政は回復していった。森から帰るたび、辺境伯領に目に見えて活気が戻ってきているくらいである。借金の支払いから解放され、魔獣から取れる魔石などをヴィヴィアナから紹介された商人に売り(今までの取引では安値で買い叩かれていたらしい)、儲かった分を騎士団の装備や城下町の守備に使い、残った分を貯蓄に回す。装備が整えば騎士たちの怪我も減り、街の守備が強固なら後顧の憂いなく戦える。ヴィヴィアナが来て一年も経つ頃には、辺境伯領は在りし日の面影をすっかり取り戻していた。
「貴女には、感謝してもしきれない」
以前は掃除が行き届かず、微妙に黴臭いところもあった城も今や隅から隅まで清められ、実務的でありながら威厳のある姿となっていた。一年前は考えもしなかった綺麗に剪定された庭で茶を飲みつつ、ロッシュは何度目か分からない礼を言う。
「いいえ、縁あって嫁ぐ先ですもの。尽力するのは当然のことですわ」
「ナターレン公爵令嬢」
「はい?」
「実は、前々から、……その、うっすらと考えていたのだが」
「はい」
ロッシュの煮え切らない口ぶりにも、ヴィヴィアナは急かしたりせず、穏やかに相槌をうってくれる。
だから悩みつつも、ロッシュは続きを口にした。
「貴女の為人からして、噂のようなことをする人には思えない。それに、貴女ならば悪評なんてすぐに払拭できたんじゃないか?」
ロッシュの決定的な言葉にも、ヴィヴィアナの清楚な微笑みは揺らがなかった。
「ええ、その通りですわ。悪評は事実無根で、あえて流れるにまかせていました」
「なぜ、そんなことを? 聞いていて気持は良くないだろう?」
「それは──少し長い話になりますが、よろしくて?」
ヴィヴィアナは優雅な仕草で紅茶に口をつけてから、ロッシュに向き直る。たおやかな容姿にはいささか不釣り合いな凄みが、そこには感じられた。
「わたくしは、この辺境伯家が存続に足るか否か、見極めに参りましたの」
現王家は、権威を笠に着る態度や度重なる失策から求心力を失いつつある。王太子がヴィヴィアナに濡れ衣を着せて強引に婚約を破棄しても、罰することもなく野放しにする始末。このままでは、遅かれ早かれ暴動が起きてしまう。数代前の王弟が興した家であるナターレン公爵家は、いざとなれば王家を追い落とし君臨することも視野に入れて精力的に動き始めた。
そこで問題となるのが、他の貴族の立ち位置だ。中央の主だった貴族への根回しは済んでいるが、地方にも無視できない相手はいる。長期に渡って魔獣の侵攻を食い止めてきたラルヴァネル辺境伯家も、その一つだ。辺境伯家がどのような思想を持っているか調べるため、王太子の幼稚な策にあえてはまった振りをしてヴィヴィアナは辺境伯家に潜入したという訳だ。
「なんと……」
絶句したロッシュに構わず、ヴィヴィアナは続ける。
「噂を真に受けてわたくしを冷遇するようでしたら、そのまま没落していただこうと思いましたが……貴方がたは、悪評まみれのわたくしにも丁重に接してくださいました」
「いや、それは当然では? 貴女は公爵令嬢であるのだし」
「それができていないのが、今の王家ですの」
元婚約者への情は一切感じられない、さっぱりとした口調でヴィヴィアナは断定した。
「この一年ここで過ごさせていただいて、あえて聞くまでもないですが……ラルヴァネル辺境伯家は、現王家に忠誠を誓いますか?」
「まさか」
食い気味にロッシュは答える。
「ラルヴァネル辺境伯領を救ってくれたのは、貴女だ」
血も涙もない断り文句ひとつでほとんど無視した王家と、天秤にかけるまでもない。
ロッシュの答えに、ヴィヴィアナのまとう雰囲気が柔らかくなった。彼女は微笑みながら、とんでもないことをさらりと言ってのける。
「良かった。もし辺境伯家が王家を選び、わたくしを反逆者として害するようなことがありましたら、それを口実に公爵家が攻め入る予定でしたから。……わたくし、この地がすっかり気に入ってしまいましたので、本当にそうならなくて良かったです」
ヴィヴィアナの口調には安堵が滲んでいたが、それよりも聞き捨てならないことがある。思わずロッシュは声を荒らげていた。
「それは結果論だろう! 貴女を敵だらけのところに向かわせるなんて、ひどいじゃないか!」
「はい?」
目を丸くしたヴィヴィアナに、ロッシュは感情のまままくしたてる。
「しかも貴女についてきたのは、護衛を兼ねた侍女一人だ! もし、最悪の事態となっていたら……」
「あら? わたくしが連れてきた侍女が護衛も兼ねていること、気付いていらしたの?」
ヴィヴィアナが水を向けると、心得た侍女は話す。
「閣下は、一目で私の実力を看破しておいでです。閣下と本気で対峙するとなると、私程度では良くて相討ちかと」
「あらまあ」
全くもって笑えないことを聞いたのに、ヴィヴィアナに緊張感はまるでない。
「ナターレン公爵令嬢!」
「はい?」
「貴女は確かに、か弱くはない。政治力や経済力、人を見る目など俺は到底及ばないことがたくさんある。今回も、貴女は十分勝機を見出したからこそ実行されたのだろう。だが、身体的には一人の女性なのだ。貴女の貴族としての矜持にけちをつける気はないが──もっと自分を大事にしてほしい」
しばし、ヴィヴィアナは無言だった。しまった、不快な思いをさせてしまったかとロッシュが焦り始めたところで、ヴィヴィアナは口を開く。
「閣下」
「は」
「いえ、ロッシュ様」
「はい?」
「愛のない結婚は承知の上ですので、わたくしを娶ってくださいませんか?」
「えっ俺は、貴女を愛したいと思っているが!?」
「貴女を愛することはない、とおっしゃったのに?」
「あれは事情が──って、貴女はもうご存知だろう!?」
先ほどまで、真面目な空気が流れていたと思ったのに、何だか急にしっちゃかめっちゃかになってしまった。ロッシュの脳は混乱から少し遅れて、ヴィヴィアナの発言をかみくだく。つまりは、自分たちは相思相愛ということではなかろうか。
理解するや否や、ロッシュの体温は急上昇し、心臓が爆音で鳴りはじめる。ごくりと唾を飲んでから、ロッシュは慎重に口を開いた。
「俺は貴女以外考えられないが、貴女は俺でいいのか?」
気のせいでなければ、ヴィヴィアナのまなざしが優しい。
「わたくし、物心つく頃には貴族として生きる覚悟を決めていました。幸いなことに、能力や運も味方して、名実ともにそれなりの貴族であると自負しております。故にわたくしならば大事ないと、信用されて難題に向かわされることもありました。それは別に嫌ではありませんが、普通に心配される女性が羨ましく思うこともあります。かといって、儚げな見た目だけで猫可愛がりされるのは、違うのです」
見間違いではなく、ヴィヴィアナの顔も赤い。
「わたくしを、わたくしのまま認め、心配してくださる貴方が良いのです」
「俺と結婚してください、ヴィヴィアナ嬢!!」
勢いあまった何の飾り気もない求婚に、ヴィヴィアナはしっかりと頷いた。その可憐さを、ロッシュは一生忘れないだろう。
半年後、ヴィヴィアナの兄が王位についた。ナターレン公爵家──もとい王家はラルヴァネル辺境伯家をヴィヴィアナを通じてよく知っていたが、中央貴族の中にはその力を疑問視する声もあった。
そのため、ロッシュは中央に呼び出され、貴族たちが観覧する前で魔獣を討伐することになった。貴族の遊興に付き合う必要などない、と渋るヴィヴィアナが王妹となって更に引く手数多となったのを、ロッシュは耳にしていた。ここで有用性を示さねば、離縁もあり得るかもしれない。何せヴィヴィアナの実家は、必要とあらばほぼ単身でヴィヴィアナを敵地かもしれない辺境伯家に送り込んだ実績がある。今や、ロッシュにとってヴィヴィアナは無くてはならない存在だ。諸々を危惧していたロッシュは、一も二も無く頷いた。
討伐対象として引き出された魔獣は、拍子抜けするほど小型だった。辺境なら、子供並みだ。仮にも妹の夫が大怪我をしないよう、配慮してくれたのかもしれない(後で礼を言えば、変な顔をされたあと「こちらでは大きめの個体なんだが」とぶつぶつ呟かれた)。と同時に、それでも油断なく本気で挑む。開始の合図と共にロッシュは遠慮容赦なく吠え、魔獣が怯んだ隙に一撃でその首を落とした。余談だが、武骨な鎧であっても容姿は王子様のようなロッシュに、観覧していた女性たちは色めき立っていたが、ロッシュの大声で何人か失神した。以後辺境伯領には毎年筋のいい騎士が修行として派遣され、国内の騎士たちの力量もめきめき上がったそうだ。
「素敵ですわ、旦那様」
気絶することなく一世一代の戦いを終えたロッシュを出迎え、ヴィヴィアナは悠然と微笑んだ。ラルヴァネル辺境伯夫妻は、お互いを補い合う仲睦まじい夫婦として長く語られたという。




