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テオドール  作者: 織風 羊
14/23

誘い

よろしくお願いします。

誘い


道に迷っている

既に林道は無くなり

方向さえも分からなくなった


すると向こうから人が歩いて来るではないか

私は道を尋ねようと思ったが

ふと気がついて躊躇った

どうも男の服装が山歩きにそぐわないのだ


訝し気に佇んでいる私を気にせずに

男はこちらへと歩いて来る

笑みさえ浮かべて


そして男が言う


道に迷われたようですね


私は答える


どうも其のようです


男は言う


私の歩いてきた方向へ進んでいくと林道に出れますよ


私はお礼を言うが

はて何処かで会ったような気がする

知っているように思えてならない


私の思いが分かったのか男が喋り出す


でも貴方

折角ですからお話しでもしませんか

いえいえ時間は取らせませんよ

そうですとも私は確かに貴方の知人ですよ

だからこそ貴方が道に迷っているのではないかと

私がいるのは其の為なのですよ

そうそう分かっていますとも

貴方は既に私が誰かを思いだされたようですね

その通りです

そんなに怖い顔をしないで聞いてください

私は人助けが好きなことをご存知ですよね

苦しんでいるときには

その苦しみから逃れさせてあげた

悲しんでいるときには

その悲しみを取り除いてあげた

なのにどうして貴方は私を嫌うのですか

貴方が信じている其の人は

苦しみや悲しみに悩んでいる時

何かの答えをくれましたか

私なら解決してあげられますよ

いえいえとんでもない

お礼の言葉なんて必要ありませんよ

私は人助けが好きなだけですから

さあ私と共に歩きましょう


そう言うと彼は片手を差し伸べてきた


私は彼の手を無視して

胸の前で十字を切った


男は残念そうな顔を浮かべて消えていった


私は男に感謝している

確かに彼の来た方向へ進んでいくと林道に出て

山を降りることができたからだ

憎悪渦巻く街に帰って来れたのだから

ありがとうございました。

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