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続 第六話

「ねぇ…なにしてるの?」


俺は声がした方に顔を向けてみると、そこには小さい女の子が立っていた。


「あ、あぁ。さっきお風呂に入ってたんだけど服を部屋に忘れてしまってね。取ってきてもらう事ができる人もいなかったから仕方なく取りに来たんだ。」


「ふぅ〜ん。そう言えばお兄さん誰?新しい執事の人?」


彼女は不思議そうな顔をしてこちらを見ている。


「僕は君のお父さんに雇われてね、この家で花蓮さんの付き人として働く事になったんだ。」


「そうなんだ。私、玲奈れなっていうの。お兄さん、お名前は?」


結構色々言われると思ってたけど軽めに流してくれたな。玲奈ちゃんか、背丈からして西園寺さんの妹さんだよな。


「僕は天童耀介、玲奈ちゃんのお姉さんと同い年の17歳で同じ学校に通ってるんだ。玲奈ちゃん、年はいくつ?」


見た目からしてまだ小学生くらいだと思うけど。


「私?私11歳!小学五年生なんだ♪そんなことより耀君って呼んでいい?」


やっぱそれくらいだよな。この子も西園寺さんに似て美人だな、西園寺家の血筋は美女しかいないのか?


「好きに呼んでもらって構わないよ。俺も玲奈ちゃんって呼んでいいかな?」


「うん、いーよー そんな事より早く服取りに行かなくていいの?」


そうでした、今俺ほぼ全裸でした。


「あぁ!そうだった!!今着替えてくるからちょっと待っててね。」


玲奈ちゃんにそう言ってドアノブに手をかけた時だった。


ガチャ……


右の部屋のドアが開いた音が聞こえた。


「ーーなにを……してます、の?」


ドアノブに手をかけたまま、西園寺さんと目が合った。


「いや、そ、その〜別に悪いことしようとしてたわけじゃないんですよ。な、なぁ玲奈ちゃん?」


頼むここは変な誤解を生む前に俺を助けてくれ!!


「お姉ちゃん、耀君はお風呂の後着る服を置いてきちゃったから取りに来たんだって〜それで2階に上がった時私出会ったから少しおしゃべりしてたんだ〜」


「そう!そうなんだ!!西園寺さん。寝巻きを部屋に忘れちゃってさ、その時誰も助けてくれる人がいなかったから自分で取りに来たんだ。」


西園寺さんに俺が変質者ではないこと必死に伝えた。


「そ、そうでしたの。と、とりあえず、着替えてきてくれると助かるのですが…」


俺は弁明に夢中で自分が今どんな格好でいるかを忘れていた。


「ちょ、ちょっとだけ待っててください二人とも!すぐ着替えてきます!!」


俺はそう伝えると自分の部屋に入った。


「それにしても玲奈、もう天童君のこと耀君って呼んでるのね?」


「うん!さっき許可貰った〜あのお兄さん面白い人だね。お姉ちゃんの執事になるの?」


ニコニコと笑いながらそう聞いてきた。


「えぇ、その予定だけど、将来は……」


「え〜いいなぁお姉ちゃん、私もあんな人がいい!お姉ちゃん譲ってよ〜」


「ダメよ、私が先に決めたんだから。玲奈にも良い人がそのうちみつかるわよ。」


流石私の妹ねやっぱり観る目があるみたい。耀介君の魅力に気づくなんて。


それにしても、天童君の裸見れちゃったな…結構良い体付きしてたけど何かスポーツとかしてるのかしら?


天童君の前では話せない会話をしていると、ドアが開いた。


「お待たせしました。西園寺さん、玲奈ちゃん」


俺は部屋に入るとバッグから寝巻きを取り出してすぐさま着替えた。


「でも、変な誤解されなくて本当に良かった。学校でそんな噂流されたら俺もう、生きてけなくなっちゃう…」


でもほんと無事なんとかなって良かった〜


会話は部屋から出てきた所にもどる。


「着替え終わりましたか、天童君。でしたら次は私からがお風呂に入ってきますわ。」


「今日は色々あって疲れたと思いますのでもう、寝室の方に行ってしまわれても結構ですよ?」


「ありがとう、西園寺さん。けど、もう少しだけ玲奈ちゃんと話してから寝る事にするよ。」


せっかく出会ったからにはもう少し友好的にしたい。あの姿が第一印象は非常に良くない。


「分かりましたわ。では、お休みなさい、天童君。そしてこれからよろしくお願いいたします。」


「お休みなさい西園寺さん、こちらこそよろしくお願いします。」


互いに挨拶を終えると西園寺さんはお風呂場に向かった。


「ねぇねぇ。」


「どうしたの?」


「なんでお姉ちゃんとはあんな硬い感じで話してるの?」

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