第四話
「--主な内容聞いていいですか?」
急に付き人になれとか言われてもそんな職聞いた事あってもどんなものか全然わからないからな。
「そうだな、まず学校面では花蓮と一緒に登下校をしてもらう。」
あのカレンさんと登下校できるなんてクラスの男共にどんな目でみられるんだよ。
まあ、それくらいなら全然マシか。
「そして花蓮の私生活時のサポート役としても動いてもらう。」
「私生活面のサポート…ですか?」
「そうだ。」
は?私生活面でのサポートって事は彼女の身の回りの世話をするって事だろ?
そんなの娘と同い年の男の子にさせる事じゃないだろ。
「部屋の掃除や洗濯など、基本今家で雇っているメイド達が行っていることを君にはやって貰いたい。」
「まあ、簡単に言うと家では執事として。学校では付き人として振る舞ってほしいんだ。」
「だが、君は執事としてはまだ何もわからないだろう。だから今日から君はこの家に住み、ここで働いているメイドや執事さん達から色々学ぶといい。」
元々覚悟を決めてここに来てはいたがまさかこんな風な展開になるとは思ってもみなかった。
少し考えてみたけど確かに悪い話でもなさそうだしな。ここは受け入れてみるか。
「分かりました。しかし、今日からですか?こんな事になるとは思っていなくって、着替えとか持ってきてないんですか。」
「そちらの心配いらない。この家にいる時は執事の制服着てもらう事になるからね。」
この家では執事服で学校に行くときは学校の制服だもんな。これはもうしばらく私服を着る事はなさそうだな。
「確か後一週間程で夏休みだったね、それまでは執事の仕事はお休みだ。今のうちにやりたい事はやっておいた方がいい。」
「では今後の予定も伝えておくとする。まずは明日から夏休みまでの一週間だが、耀介君は花蓮の付き人として行動を始めてくれ。」
明日からもう西園寺さんとの生活が始まるのか。付き人っていっても違うクラスだしな、どんな事するんだろ。
「そして夏休みに入ってからは執事としての練習をしてもらう。」
これは過去一辛い夏休みが始まるのかもしれん。
「そして夏休み明けはいよいよ花蓮の一人暮らしのスタートだ。君はそこから執事としての本番が始まると思っていてくれたまえ。」
「分かりました。」
そう答えるとしげるさんはソファーから立ち上がり西園寺さんに言った。
「花蓮、耀介君が今後生活する家を案内してあげなさい。私はそろそろ仕事場に戻るから。」
「わかったわ、パパ、気をつけてね。」
西園寺さんは部屋から出ていくしげるさんを手を振って見送っていた。
「さぁ、天童君、この家を案内しますのでついてきてください。」
俺は西園寺さんに言われるままについていった。