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第ニ話

「そろそろ私のお家に着きますわ。」


彼女がそう言ってから5分程で車が停車した。


「ありがとうございました。」


俺は運転手さんにそうお礼を伝え車を出る。


「ーーマジか。」


俺は到着して早々唖然としていた。前々から西園寺家が相当大きい家という事は聞いていたがまさかここまでとは思ってもいなかった。


門を超えた先には大きな庭があり、まるで海外の豪邸の様だった。


「何をそんなところで突っ立っているんですか?早くいきましょう。」


「あぁ、ごめん、今行くよ。」


彼女の後を追う。


庭を通り玄関に向かっている途中突然横から何か大きなものが突っ込んできた。


ドン!!


突然の衝撃に俺は倒れてしまった。


「っ!! 痛ってて… 」


俺は怪我がないことを確認し起き上がろうとした時だった。


「っは?! く、クマ?!」


突撃してきた者の正体はくまだった。


「すみません!!お怪我はありませんか?」


「ーーえ、あぁ、大丈夫です。」


「そんな事よりこのクマは?」


森の中にいる様な大きなサイズのクマではないが、それでも大型犬と同等、か、それ以外の大きさであるのは間違いなかった。


「えっと、この子は私の家で飼っているナマケグマの『ポンちゃん』です!」


「サイズはあんまり大きくないんですけれどこの大きさがまた可愛いでしょう?」


それよりクマを飼っている事に驚いてるんだけど。そこに疑いは生まれないのか…


「確かに、案外クマを間近でみる機会とかなかったから気がつかなかったけど、クマも結構可愛いとこあるんだな。」


螺良つぶらな瞳とか何気ない行動一つ一つとかも可愛くみえる。


「そう!そうなんです!!さっきはぶつかりに行っちゃいましたけど、遊んで欲しかっただけだと思いますので、許してあげてください!」


「大丈夫ですよ。怒ったりとかしてないですから。それよりもお父さんが待っているんですよね?そろそろ行きましょうか。」


「そうでしたわ!さぁ行きましょうか。」


なんてったってあの大手企業の社長だ、機嫌を損ねたら今後の俺の扱いが悪くなるかもしれない…


「それだけは勘弁だな…」


ーーガチャ…


西園寺さんが鍵を開ける。


「さぁ、どうぞお上りになってください。」


「お邪魔します。」


家の中に入り軽く周りを見渡してみる。


「やっぱ凄く広いな。」


リビングの方を見てみると、スクリーンとも言える様な大きなテレビが置いてある。そしてキッチンは最新のシステムキッチンが導入されている。


「これも西園寺の会社が開発してる奴なのかな?」


俺はそんなことを考えながら彼女に着いて行く。


「ここの部屋にパパ待ってるみたいだけどちょっと待ってて、私が先に入って天童君が来た事伝えてくるから!」


「準備できたら声かけるからそうしたら入って来てください。」


「わかった。」


この待ち時間…なんか面接みたいな空気感でとても緊張するな。


ーー数分待っていると、とうとう声が聞こえた。


「天童君!入っていて良いよ〜」


合図が聞こえた。俺は意を決して入る覚悟を決める。


「緊張するなぁ…」


そう小声呟き、部屋をノックする。


ーーコンコン


「失礼します。」


「やぁ、よく来たね。」


そう言って西園寺さんのお父さんが出迎えた。〜

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