第一話
初めて描いた小説になりますので多めに見てくれると助かります。それでも良いよって方は楽しんでってください!
俺、天童耀介はどこにでもある一般的な家庭で生まれ普通に育った。
天童耀が普通に育つことができたのは真面目で優しい母親がいたからである。
そんな母親の事が耀も大好きでいた。
しかし、父親は違った。急に海外に行ったと思えば、訳のわからない壺やら像などを押し売られて帰ってくる。そんなダメ親父であったのである。
夏休みも近づいてもう中間テスト最終日の帰り道、耀に一本の電話がきた。
「もしもし〜耀介か?げんきにしてるかい?」
突然の電話の正体は父親からであった。
「何?今学校の帰り道だけど、どうしたの?」
「いや〜急ですまないんだけどさ、お前売られる事になったからさ。よろしく〜」
「ーーはっ?どう言う事だよ、おい!親父!!」
プツッと電話は切れてしまっていた。この時耀介は訳が分からず混乱していたが、とりあえず家に帰る事にした。
「ただいま〜 ねぇ母さんさっき父さんから電話があって訳わからない事言ってたんだけどさ、なんか聞いてない?」
「あら、父さん何も説明しなかったのかしら?」
「うん、突然お前売られる事になったからとしか聞いてない。」
この時点で悪い予感がしていた。
「父さんね、海外のカジノで負けて知り合いに借金作っちゃったらしくてね〜その返済がどうにも間に合わなくなったらしいのよ〜」
「そう、それで耀君がその家に執事として買われることで借金をチャラになるって提案がでたそうよ?」
「それで父さんはそれを承諾したと?」
母は首を縦に振って頷いていた。
俺はその話を聞いて怒りを通り越して呆れていた。まあ。父さんのことはなんとも思ってないけど、このままでいたら母さんにも迷惑被るだろうしな、こうなったらしかたないか……
「はぁ……理解したくないけど、理解したわ。それで、俺は誰の家に買われたの?」
「日本有数の大手開発メーカーの西園寺グループの社長に買われたみたいよ?」
「ーーーーマジで?」
俺はこれから一体どうなるんだ?!
「それでいつから俺は西園寺家に行けばいいの?」
「あら、もう外に迎えの車が来てるわよ、さあ準備してらっしゃい!」
いくらなんでも早すぎるだろ。
耀が部屋で準備をしていると、玄関のインターホンが鳴った。
ピーンポーン
「はーい、今出ます!」
恐る恐るドアを開けてみる。
ガチャ……
「ーーーー西園寺さん?」
扉を開けてみると同じ学校に通っている西園寺さんが待っていた。
「はい!どうもこんにちは!天童耀介君ですよね?」
「ーーそうですけど、もしかして俺を買った西園寺家って言うのは……」
「そうです!私のお家になります!」
マジかぁ……俺の高校生活がたった今終わったのかもしれない。
「準備はできましたか? できたならさぁこちらの車に乗ってください!」
家の前に停まっていた車は、黒色のよくパリピが車内でパーティーをするときに使用する車、そう俗に言うリムジンが停まっていた。
「リムジンか、少し緊張する。」
俺は恐る恐る乗車した。
「失礼します……」
車は俺と西園寺さんを乗せると発進したが、しばらく車の中では沈黙が発生した。
そしてしばらくすると、
「私、西園寺花蓮(西園寺カレン)と申します、これからよろしくお願い致します。」
急に挨拶かよ!これは無視する訳にはいかないのでこちらも返す。
「俺、天童耀介って言います。よろしくお願いします。」
「知っています!同じ学校に通ってらっしゃいますもんね?」
「はい、クラスは違うんですけど同じ雛菊高校に通わせて貰ってます。
西園寺花蓮さんか〜クラス違うからあんまり話したことないんだけど、うちの学年ではトップの可愛さで有名なんだっけ。
確か容姿端麗でスポーツ万能で勉強の成績もそれなりに良い完璧超人とか言われてたな。
これは関わり方に気をつけないとだな。
「あの〜これから俺はどうなるのかって聞いても大丈夫ですかね?」
「そうですわね〜これから私のお父様に会って貰います。その後に軽く説明がありますので、とりあえずはこのままで大丈夫ですよ?」
ーーこれから西園寺グループの社長に会うのか、なんか緊張して来たな。
「そろそろ私のお家に着きますわ。」