聖女道、最終奥義、ダキア夫人の城壁のダンス!
トルーサが立ち上がった。
「ゴホゴホ、させないわ」
「ならば、我を止めてみせい!聖女パンチ!」
「聖女防御型、フランソワの華」
「な、何?我の拳を完全に交わすとは、だが、攻撃手段がないと、我に勝てぬぞ。お前の痛みを伴わない昇天技は確かにすごいが、我の聖光波で相殺できる。殴る。斬る。爆裂の手段がないと我には効かぬ。」
「ゴホゴホ、私の聖女の道は、それだけでは無い」
トルーサは防御をしながら、聖女王に近づいた。
しかし、近づくと威力が大きくなり、受けきれない。
「ハガ、ハグ、ゴホ」
攻撃を受けながらも聖女王に組み付いた。
「はあ、ゴホ、ゴホ、聖女最終奥義、聖光フラッシュ!」
「何?自爆だと」
必死の自爆技を掛けた。
「ゴホゴホ、私は決めているの。痛みを伴う攻撃技は、私も痛い自爆技だけと。一緒にゲームの世界に戻りましょう」
ドカーンと王宮に響いた。
だが、
トルーサの姿は亡くなったが、聖女王は立っていた。
「ハハハハ、危なかったわ。この特注の聖なる鎖帷子がなければ、我の聖光バリアだけでは我も死んでいたわ。さすが、我がライバルと認めた唯一の聖女よ」
な、何ですって。そ、そんな。トルーサさんの必殺の技が、聖女100人が聖魔法を注ぎ込みながら作るとされる聖なる鎖帷子と聖女王の聖光バリアで防がれた。まさか、聖女たちは、聖女王にとらわれて作らせたの?
サリーさんだけでも逃げて!私は一生懸命に祈った。
サリーさんに向けて、
そしたら、私の体が青く光った。
そして、組んだ手から、光が瀕死のサリーさんに注がれた。
回復魔法のようだ。体が、心が暖かくなっていった。
私でも役に立てたようだ。
「何?この光は、サリーにエネルギーを渡しているな」
聖女王が私に近づいて来る。
そしたら、サリーさんの目が光った。
ドン、天上から飛び降り、私と聖女王の前に立ち塞がり
「今、あたしは~悲しみを知った~友を知った」
「聖女戦闘防御型、陽気な貴婦人のダンス!ダキア夫人編!」
「ハハハハ、その技は見切ったわ。な、何?」
聖女王の拳が空を切った。
パシュ!
「何、聖なる鎖帷子が共鳴しているだと、我の聖光バリアが効かぬ!衝撃がーー」
聖なる鎖帷子が砕けた。
※ダキア夫人、敵に捕らわれた夫を慰めるために、包囲した敵に向かって、3日3晩城壁の上で陽気に踊り続けたと言われる伝説の夫人、最初は嘲笑していた敵も、彼女の必死のダンスを見て涙を流し、夫を開放したと伝えられている。最後、夫の開放の報が間に合わず。夫人は、息絶え最後に涙を一粒流した。
陽気だが悲しいダンスだ。
[女神信仰圏烈女列伝ダキア夫人の項目より引用]
☆回想
「修道院長、真の聖女の称号を我にくれ、我が三姉妹の中で一番強い」
「はあ、貴方はわかっていません。真の聖女とは悲しみを知っている聖女のことをいうのです」
「なら我が大陸統一して、皆に、我を真の聖女と呼ばせるのみ。我は行く。星が呼んでいる」
「聖女王いくのね。予言します。貴女はダキア夫人のダンスを踊る敵に、敗れるであろう」
「ふん。老いたな。あれは空想の技だ。誰も出来ない」
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