2.目覚めは…最悪だった
ほんの少し開いた窓から穏やかな朝の光が差し込んでいる。どうやら今は朝みたい。僕は春の暖かい風に起こされた。
……なんで僕は寝てたんだっけ。昨日の事があまり思い出せない。えっと……確か卒業式から帰ってきて、疲れたからジュースを飲んで……倒れちゃったんだっけ。
うぅ……それにしてもまだ頭が痛いし、なんだか全身がだるい。気持ち悪さとかは無くなったけど。もう今日はここから1歩も動かずに寝ていたい…なんて思ったけど、流石にゆの姉に怒られそう。
さてと……そろそろ起きないと。学校に遅れちゃ…あ、そっか。今日から春休みなんだっけ。……なんだろう。いつもは連休の度に飛び跳ねて喜んでたのに、そこまで嬉しい気持ちにならなかった。もちろん、連休自体は嬉しいけど。なんというか、変な気分。
お腹も空いたし、そろそろ起きようかな……なんて思っていたら、ある違和感に気づいた。
……僕ってこんなに髪長かったっけ。僕の髪が肩に掛かる位に伸びていたのだ。まるで女の子みたいに。確かに最近、髪を切りに行ってなかったけど……ここまで伸びていなかった気がする。
そんな事を考えながら、僕はゆっくりと目を開けた。僕の部屋の天井だった。……良かった。病院に運ばれたりはしてなくて少し安心。多分、ゆの姉がここまで運んでくれたんだと思う。
本当は寒いし、ベッドから動きたくないけど……お腹が空いたし仕方なく起き上がる。そして、無事ベッドから抜け出すことが出来た。それにしても寒すぎる。そして体がだるい……。
寒さを我慢して僕の部屋から出た。……そして階段を降りて1階へ降りる。とりあえず顔を洗うために洗面所へ向かった。そして洗面所に辿り着いた時に、鏡を見て思わず声が出た。
――鏡の中にはミディアムボブで身長は僕と同じ150cm位、目は二重で小柄な可愛らしい女の子が立っていた。
僕が驚いて後ろへ下がると、女の子も同じように後ろに下がる。……僕が顔を触ってみると、女の子も顔を触る……。
数分ほど、状況がよく分からなくて固まっていた。…しかし頭の中では、もう分かっていたのかも知れない。
――僕が"女の子"になってしまっていた事に。
…僕は低身長で声も高い方だし、名前も女の子みたいってよく言われる…けど、正真正銘の男子だ。…男子だった。の方が正しいかも知れないけど。体も触ってみたけど、胸が明らかに膨らんでいたし、男子である象徴のモノが消えていたのだ。
夢だとも思った。けど、ここまで現実味のある夢は初めて。それに、中々覚める気もしない。
もしも僕が、朝起きたら女の子になっていた。なんて話を耳にしても、信じられるわけが無い。そもそも……人の性別が突然変わる、という事自体がありえない……はず。だけど、今。実際に、僕は元々の姿ではなく、女の子の姿で鏡の前に立っているのだ。……こうなってしまっては、僕が"女の子"になってしまった事を、受け入れるしかない……。
そもそもどうして女の子になってしまったのか。なんとなく、心当たりはある。……昨日飲んでしまった"ジュース"だ。普通のジュースを飲んだだけなら、僕が倒れる訳ないと思う。
僕が洗面所の前で、数十分も立ち尽くしていると、ゆの姉の足音が聞こえる。多分ご飯を作り終わったから、僕を起こしに行ったのだろう。
……ゆの姉になんて説明すればいいのか。そもそも、僕が葵であるという事を信じて貰えるのか……。
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