1.怪しいジュース
「はぁ……つかれたぁ」
僕、白石 葵は学校から帰宅して早々ソファーに寝転がった。
今日、僕の通う篠上中学校では卒業式が行われた。大体の人は卒業式の数日前から学校の荷物を家に持ち帰り始めるんだけど、僕は荷物を持ち帰るのがめんどくさくて、卒業式当日まで荷物をほとんど放置していた……結果、当日になって全ての荷物を持ち帰ることになってこんな状態という訳だ。
「やっと帰って来れたわね……それにしても葵ちゃん、もう高校生になるんだし学校最後の日まで荷物を放置する癖は直した方がいいと思うよ」
ぐったりしている僕を見て、荷物を持ち帰るのを手伝ってくれたゆの姉……秋宮 結乃が言った。ゆの姉って呼んでるけど、苗字が違うから分かると思う。ゆの姉は僕の実の姉ではない。
僕のお母さんのお兄さんの子供。つまり従姉。2年前位に大学に通うため実家から僕の家にやってきた。今、僕のお父さんは仕事の都合で少し離れたところに住んでいる。
離れてるって言っても電車で行けるところだけどね。お母さんはお父さんに付いていって一緒に住んでいて……僕は今いる中学校に通うためにお母さん達とは離れて過ごしてる。
僕は自分でご飯を作ったり出来ないし、何より1人だと心細い。ということでゆの姉は僕のお世話係?になっているらしい。
「……僕だって早めに持ち帰ろうと努力はしてるんだよ。でも、やっぱ忘れちゃって…」
「それ、努力してるって言えないと思うよ」
ゆの姉が食い気味に答えた。……努力って難しいね。
数分のぐったりタイムも終わり、なんとなく喉が乾いてきた気がする。僕は立ち上り、ジュースを求めて冷蔵庫へ足を運んだ。
「えっと……確か昨日買ったオレンジジュースが残ってたような」
僕が冷蔵庫を漁っていると、ゆの姉が何かを持ってきた。
「葵ちゃんが探してるものってこれ?」
ゆの姉の方を振り返って見てみると、ペットボトルに少しだけ入ったジュースだった。……ていうか、ゆの姉はなんで僕がジュースを探していることが分かったのだろう。
「ゆの姉ありがと! ……てかなんで僕がジュースを探してることが分かったの?」
「ふふ、それはね。今の動きと表情、喉が渇いてジュースを欲しがっている葵ちゃんだったから分かったの! 葵ちゃんと過ごしてきて結構経ってるからね。それくらい簡単……」
「……ちょっとよく分からないかな」
ゆの姉はたまによく分からない事を言うけど、ゆの姉が作るご飯もお弁当も美味しいし、勉強だって教えてくれる。
僕が言うのもおかしいかも知れないけど、かなり美人だし、優しいゆの姉。でも、彼氏がいるって言う話は聞いた事ないかも。
そんなことよりジュースだ!なんて考えて、ゆの姉が置いていったペットボトルを手に取り、ペットボトルに入ったジュースをコップに注いだ。一々コップに注ぐ意味はあったのだろうか。
「それじゃあ、飲みますか!」
ごくごく…ごく
「ぷはーっ。生き返るぅー……」
疲れた体に、オレンジジュースが染み渡る。
……ところで、これほんとにオレンジジュースなの?味が少しりんごっぽいような。……いや、どちらかと言うと桃味なのか?それになんだか……目眩がするような……。少し気持ち悪く……なってきた。うぅ……頭も痛いしなんなの…
――状態が理解出来ないまま、僕はその場に倒れ込んでしまった。
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