第一話
読んでくださる、人がいるという事実に感動を覚えております。
第一話 日常
六時限目までが、終了した。帰りのホームルームも終わったが、日直の仕事諸々を梶原に押し付けられてしまったので、適当に終わらして帰路につこうと思う。そんなことを考えながら、学級日誌を職員室に提出しに行くと、担任の深水先生に呼び止められた。そして、そのまま生徒指導室へと、連行されてしまった。ちなみに、扉を完全に閉めてしまうと、監禁罪が成立するらしいがこの人にはそんなこと関係ないらしい。「なぜ、呼ばれたか分かるか?赤池」先生の顔が少し怖い。「わかりません」正直心当たりが多すぎて検討もつかない。「…そうか、じゃあ教えてやろう…」と言うと先生は一枚の紙を俺に差し出した。そこには、入学時に受けた能力検査の結果が、書き記されていた。「…お前は本当に自分のギフトがなんなのか分からないのか?ギフトがあるということは判明している。しかし肝心のギフトの中身がわからない。何か心当たりはないのか?」「………わかりません」「……そうか」先生は頷くと俺を憐れむような目で俺を見た。ここの生徒が当たり前に持っているギフトが俺にはないと言う事実が俺の心を突き抜けた。「そういえば、赤池、期末考査の準備はいいのか?」強引な話題転換ではあるが、答えようと思う「ボチボチですね」「…そうか、世の中ギフトが全てじゃない気を落とさず勉学に励め。」先生から激励のお言葉を頂いた。本当に良い先生だ。これで、なぜ独身なのかわからない。