涙の真相、ドンデン返し 【21】
「レジェナ__」
あ、あれ?
まどろみから戻ったわたしの目の前に、お兄ちゃんが立っていた。
マニに身を委ねたまま、いつの間にか眠ってしまったらしい。
「レジェナ様」
うわ__!
わたしは慌てて身を起こした。
だって、わたしって、マニの膝の上で眠ってたみたいなんだもん。
「レジェナ」
顔を赤らめて座り込むわたしに、お兄ちゃんが硬い表情で声をかけて来た。
わたしは、キッとなってお兄ちゃんを睨み返した。
「帰ろう、レジェナ」
「帰らない」
わたしは、間髪入れずにお兄ちゃんに言い返した。
「わたし、もう帰らないよ」
「レジェナ……」
あからさまに、まるでだだっこを見るような顔付きでお兄ちゃんはわたしを窺っていた。失礼な。
「帰るんだったら、スティギモロクに、お兄ちゃんも一緒だよ」
「レジェナ」
わざとらしく両手を広げて、如何にも手を焼いてますって仕草でわたしを見下ろすお兄ちゃんの姿に、何だか無性に腹が立った。
「まあまあ__」
段々険悪になってゆく私たちの間に、マニが割って入った。
「兄君様の言い分も理解致します」
「何ですか?」
如何にも第三者は口を出すなって表情のお兄ちゃんにわたしの辛抱が切れてしまった。
「行こ、マニ」
わたしはマニの腕を取って立ち上がった。
「レジェナ」
マニの腕を掴んだまま、わたしはお兄ちゃんと睨み合った。
「レジェナ……」
性懲りも無く、困惑の表情でわたしを見詰めるお兄ちゃん。