鳴かぬなら、ジッとガマンの女の子 【24】
そんなマニが、ある日突然言い出したのだ。
「出て行くって__」
わたしは目を見開いて問い詰めた。
「どう言う事、マニ?」
「レジェナ様」
マニは小さく苦笑いを返して来た。
「ほんの数日、そこらを勧進して回るだけで御座います」
「数日?」
実にあやふやな言い方だ。
「数日ってどの位?」
こんな曖昧な言い方は許さない。私は断固としてマニに正確な日数を詰問した。
「そんなに永くはありませんよ」
そんな表現では納得いかない。わたしが厳しい目で睨みつけると、マニはまたまた苦微笑を見せた。
「判ったわよ」
わたしは意を決して言った。
「その代り、わたしも一緒よ。判ったわね?」
「レジェナ様__」
わたしを見詰めるマニの眼差しは優しく、こちらの気分を和らげてしまう懐の深さが有った。だけど、そんな目に誤魔化されたりしないわ。
「レジェナ様には兄君をお待ちすると言う……」
「行くわよ」
わたしは断言した。
「レジェナ様」
マニの言葉はいつものように穏やかだった。
見ているだけで安心できる笑顔も普段通り。
「わたくしをご信頼下さらないのですか?」
わたしは無言のまま、何だか駄々をこねているような気分でマニを見詰めていた。
マニの眼差しは澄み渡り、わざとらしい苦笑いなんかではぐらかしたりせず、わたしの言いたい事を全て理解してくれているように優しかった。
「有り難う御座います、レジェナ様」
マニは恭しく頭を下げた。




