鳴かぬなら、ジッとガマンの女の子 【21】
「だけど、その後の事も、一応お考え下さいね、レジェナ様。確かに、今更昔みたいに王家を再興できるのかどうかなんてわたしには全然判りません。でも、みんなその日の事を、レジェナ様の事を信じて頑張ってるんです。あんまり人事みたいに冷たくあしらったりしないで下さいね」
良く判りました。
「ゴメンね、ミアキス」
わたしは罪悪感に気落ちして答えた。
「やだあ、レジェナ様」
ミアキスがふわっとした笑顔を見せた。
「わたしに謝ったりしないで下さいよ」
「あははははは__」
わたしは、何となく間の抜けた笑いで答えるしかなかった。
「それに」
ミアキスが、またまた例の親しみに満ちた、悪戯っぽい笑顔を見せてくれた。
「ホントの事言うとね、レジェナ様。わたしだって、王家再興の事より、レジェナ様のお兄様の方が興味あるんですよ」
キャッ、と両手を胸の前で握り締めて、ミアキスが小さくはしゃいで見せた。良い娘だねえ、あんたは。
そんなミアキスを、スピノが何だか面白く無さそうに眺めている。お小言の後なんでちょっぴり恨みがましかったりするのかな?
私たちがじゃれ合っていると、マニがメリケン粉の袋を担いで通りかかった。彼も居候の身であるから、こうやって労働で家賃を払っている訳です。
「皆さん、お楽しみの所失礼致します」
「あ、マニさん__」
今まで笑い転げていたミアキスが、妙に落ち着かない様子でマニに会釈を返した。重そうな袋を物ともせず、マニは丁寧にお辞儀を返す。それに応じて、ミアキスはさらに深々と頭を下げるのだが、その挙動に何となく慌しい。今だけではなく、マニを前にしたミアキスはいつもどことなくソワソワしていて様子がおかしい。




