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旅は道連れ、世は情け無エ…… 【5】


そしてかく言うこの私。今まで、前振りのように何度も触れてきた私の出自。


そう、私は十五年前に滅亡した王国サウロロフスの王族、マルディール家の末裔にして正統王位継承者レジェナ・マルディールその人なのだ。革命で国王夫妻(私の実の父母と言う事になる)以下、王族の殆どが血の粛清を受け、あわや幼き無垢な赤子であった私にも当然その魔手が伸びようとしていたその時、近衛隊長のトイデスが私を救い出し、以来親代わりになって育ててくれたのである。


その事を知らされたのが二年前。


それまでも、何となく私がトイデス夫婦の本当の子供ではないのでは、と思わされる事は有った。父が転覆したサウロロフス王家に仕えていた近衛隊長だった事も知っていた。私が父と思って、自分ではそう信じてきたこのロルニ・トイデスは剣術の道場を開き、その師範代には元腹心の部下だったとか言う人も混じっていたし。まさか自分が、その主のマルディール王族の一員だった等とは露知らずに。それでもわたしは構わなかったのだ。いつまでも、大好きなお父さんとお母さん、素敵なお兄ちゃんと四人で仲良く暮して行ければ、それで私は満足だった。ううん、こんな、これ以上に幸せな事、他に考えられなかった。


でも__


幸せはいつまでも続きはしなかったのだ。

最初に私の元を離れた幸せはお兄ちゃんだった。

五年前、私が十二歳のときに、兄は私の元から去って行った。表向きの理由は剣術の修行と王国再興の為の連絡活動を兼ねた諸国行脚の旅との事であった。

でも、本当の理由は__。


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